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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「子供は本当にその父親の子か」、外からじゃ分からなかった時代が数千年。「分かる」時代の法制度とは…

一部、文章を改変。そしてリンクは張らない。

「これは、先だって、大きなニュースになった取り違えじゃないんでしょ」…・・・念を押すようにいう。…の16歳の長男が実の息子ではなかったというのだ…は女優の…と結婚して2005年に離婚したが、…との間に1997年に生まれたのが16歳になる長男……以前から長男が自分と似ていないと思っていたことなどから、今年2月に長男と一緒にDNA検査をしたところ、「父性確率0%」という結果が出たという。
… 「…さんとは血のつながりはまったくなくて…さん(母親)のお子さんであって、お父さんは別にいるというわけです」と…


コウノドリ(3) (モーニング KC)

コウノドリ(3) (モーニング KC)

すごいな、3カ月に1冊のペースで新刊出してる…

「母親になるのは事実によってである。父親になるのは世論によってである」
というのは誰の言葉だったか。

以前書いてた。

■親子(父子)の関係証明にDNA鑑定が義務付けられたら?−−科学が政治の上に立つ刻
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20081124/p8

事実として今までは、父親が父親である(もしくは「父親ではない」)ことが、究極的には証明できなかった。
これは幸か不幸か。やっぱり不幸なのでしょう。
というか、人間社会は本来、「XXの親は○○である」ということを父親・母親ともはっきりさせたかったはずだし、それが正義ということになっていたのだが、それを技術・科学の壁が拒んでいたというだけだ。
その技術の壁が突破された。
おめでとう。
おめでとう。
パチパチパチ。

■科学の進歩は人間の幸福! 例えばわが子は妻の不倫の子で、実子では無いとすぐ分かる!!(うーむ…)※「特上カバチ!!」より -
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110429/p6
■「分からない」が前提のものが「分かる」ようになった時・・・…出生前診断の重さと難しさ
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120907/p5
■本日上映開始「そして父になる」。だけど…DNA鑑定を義務付ければ、こんな”事故”はなくなるよね。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130928/p3

世の中、この今までの制度自体は誰が悪い訳でもない。
当時からつい最近まで、「父親になるのは世論によって」というのは歴然とした事実だった。だから嫡子、嫡出子、あるいは認知という制度は、ある意味、その制限を前提として生まれるものだった。

詳しくは、大屋雄裕氏のこれを参照。
■「婚外子」裁判から大屋雄裕氏が語る、結婚制度のそもそも
http://togetter.com/li/562424

なんかねえ、別にDNA検査を義務化して血縁関係を完全に反映した相続制度にしても構わねえようにも思うわけですが。
(略)
「子の父親はわからない」という前提で家族相続制度を作ってきたので、わかるならそれを完全に反映する法制度というのもアリではないかと思うわけですが。別に私一切困らないしな。けけけ。
(略)
というか、嫡出推定制度は所詮DNA鑑定の不完全な代替物に過ぎないので、「完全な監視社会」の方が正義にかなっているのではないかと思うところです。

分かる手段ができたんだから、調べて分かったのは「いいこと」。悪いことだと誰が言える?

今回の騒動の人(どういう人は父親、母親ともまったく存じ上げないが)も、大変ショックだったらしい。だが、知らないままで、時に疑念を抱えながら、そのまま続けるのがいいのか、といえば、誰もいいとはいえないだろう。

とにかく、親子関係が100%分かるように、科学が進歩しちゃったんだから仕方ないんだって!!その技術を、もう一度封印できるかい?

藤子・F・不二雄が、それに似たテーマで「XXXXXXX」について描いていたなあ。(タイトルとテーマだけでこの文脈だとネタばれになるので自粛)。
 
 
「あなた方は真理を知るであろう。そして真理は、人を自由にするであろう。」
ヨハネ 8:31−32


科学に合わせて法制度を変えたら? 戸籍は「遺伝的な父親」欄にするとか。

昔の戸籍制度は何度も繰り返すがDNAなんて概念がなかった。
・子供生まれる。
・普通の検査の一環として「DNA検査」も行う。
・父親、母親(まあこっちにも)に「あなた方は遺伝上の父親、母親です」という証明書を渡す。
・書類にはそれを明記する


これで、不都合があるひとっている?・・・まあ多少はいるだろうけど(笑)、統計的に無視し得る例外でしょ? それに、そうでないことが分からないまま、気づかない親子関係というのは社会正義かい??? まあ正義なこともあるかもしれないけど、統計的に無視し得る例外でしょ。


「遺伝学上の父親(母親)」と「そうでない父親(母親)」を区別しても合理性はあるのではないかな。

性別変更「父」と認める 同一性障害めぐり初判断 血縁なくても親子関係 最高裁、戸籍を訂正
2013.12.11 18:14 [性]

 性同一性障害で女性から男性に性別を変更した夫とその妻が、第三者との人工授精でもうけた子どもを嫡出子として戸籍に記載するよう求めた裁判の決定で、最高裁第3小法廷は11日までに「血のつながりがないことが明らかでも夫の子と推定できる」として法律上の父子関係を認める初判断を示した。決定は10日付。裁判官5人中3人の多数意見で決まり、2人は反対を表明した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/131211/trl13121118170003-n1.htm

こういう問題にも対処できると思うのよ。つまりそういう、のちに性別を変更した男性なり女性なりを「父」「母」とするのはOk。ただ、現実に、ファクトとして「遺伝上の父親(母親)」でない場合は、それは事実、ファクトなんだから社会として、記録にはとどめさせていただく(医学的なあれこれにも関係するし)。
それでも「父」であるとは認める。逆に言えば、そこを認めさせるために、「遺伝上の親」という概念、制度をつくれと。
これは代理母出産の話も視野に入れている。



ところが今のところの法制度は、結局のところ昔の「子供の父親なんて、最終的にはわかんねーんだから」を前提にしているんだよね。

認知の立法主義[編集]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AA%8D%E7%9F%A5
認知の立法主義には意思主義(主観主義)と事実主義(客観主義)がある[5]。
 
意思主義(主観主義)
原則として非嫡子関係の発生には父の意思表示たる認知が必要で、それがない場合に父に対して意思表示を命じることができるとする法制
 
事実主義(客観主義)
認知は真実の親子関係について確定する手続であるとして必ずしも父の意思を問題としない法制
なお、日本の民法は両者が混在するとされる[6]。
 

認知の法的性質[編集]
日本法における認知には任意認知と強制認知(裁判認知)とがあり、認知の法的性質については、任意認知は父が自らの子と承認する意思表示であり、強制認知は父の意思に反する場合にも裁判によって親子関係を確定するものであるとみる説と、任意認知は父による観念の通知で非嫡子父子関係を推定するにすぎず、強制認知によって非嫡子父子関係は確定するとみる説があり両者は対立する[7]。

「血液型と親子の関係」が発見”されちゃった”時、社会はパニックにならなかったのかなあ

http://6mg.net/329
親、母親の血液型から、生まれる子どもの血液型かが決まるのはご存じだと思います。私も父親と母親の血液型を聞いて自分が本当の子どもか?と調べたときにドキドキしたことを鮮明に覚えています。
さて、その血液型の組み合わせはどのようなものでしょうか?
わかりやすいように一覧にしてみました。

リンク先に飛んで読むのは自己責任でおねがいしたい。



そんな血液型。
発見されたのはだいぶあとの話であり、手塚治虫ブッダ」で流れる血の血液型を調べて輸血をやる…というのはトンでもないでたらめ…というか、手塚の作家的想像力によるもんだという。お医者さんの側から、「手塚って野郎は、本当に医者なのかよ!!」と怒り狂った人もいたらしい。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ABO%E5%BC%8F%E8%A1%80%E6%B6%B2%E5%9E%8B
最も初期に発見された血液型分類である。1900年にオーストリアの医学者カール・ラントシュタイナー(Karl Landsteiner, 1868年 - 1943年)により発見され、翌年の1901年11月14日に論文発表された[2]。
ラントシュタイナーはまず自身の血液型をA型と名付け、残りの血液型をそれぞれB型、C型と名付けた。1902年にアルフレッド・フォン・デカステロとアドリアノ・シュテュルリによって第4の型が追加発表された[3]。さらに、1910年にエミール・フォン・デュンゲルンとルドヴィク・ヒルシュフェルトにより、第4の型にはAB型という名称が与えられ、C型の名称はO型に変更された[4]。なお、C型をO型に変更した理由は、数字の「0」(ゼロ)ではなく、ドイツ語の「ohne」(「 - ない」などの意味)の頭文字である可能性が指摘されている[1]。

うーむ、ベル・エポック、ガス灯から電灯へ、文型と技術と科学の20世紀に発見された血液型…これが「輸血」を可能とし、人類に幸せをもたらした.・・・のはいうまでもない。
 
しかし、はなはだ不完全ながら、血液型で「親子ではない」ということが、科学的に分かったとき……「あの血液型というものを発見した科学者は悪魔よ!!」
というのが、性に厳格なヴィクトリア時代の終わりに立ち会った、そんな貴婦人たちの中にいたのかもしれないなぁ。



まあ、しゃあないよね。
てな
もんや。