ちょっと資料を原文で紹介できないが、放置しておくと忘れるため、とりあえず記憶頼りで・・・
サンデー毎日・・・たぶん今週発売で、いまも店頭に並んでいる号だったと思うが、こんな話題があった。
・米軍は今、無人爆撃機「プレデター」で戦果を上げた、そのプレデター操縦士(当然国内にいるのだ)に勲章を与えるようになった。
・内部でその勲章は通称"ニンテンドーメダル"と呼ばれている。
・米軍内には異論も多い。ほかの勲章をもらった軍人の言「勲章は『自分の身を危険にさらしたか』も判断基準とするべきだ」
・・・えーと、関連キーワードを検索してそれに該当するようなロイター記事を見つけました。
米国防長官「戦争の方法に変化」、無人機操縦士などに新勲章
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE91D03520130214
[ワシントン 13日 ロイター] 米国防総省は13日、前線で直接戦闘に従事しなくても、無人機の遠隔操作やサイバー攻撃への対応で功績を残した兵士らを表彰する新たな勲章を創設したと発表した。パネッタ国防長官は記者会見で、「無人機やサイバーシステムのような現代的な機械が戦争の方法を変化させたのを直接目にしてきた」と述べた。新勲章は「21世紀において、われわれがテクノロジーを通じた戦いを展開していることを示すもの」だとした。
新設される勲章は、戦闘場所から地理的に離れた場所で戦いに従事する兵士らに与えられる唯一のものとなる。
しかし、本当にこの技術が進んでいくとだね、
シューティングゲームが得意な「ハイスコアガール」「ハイスコアボーイ」は、そのまんまで国防省がスカウトしたくなる人材。
「アンクルサムは、君を必要としている!」とひと指し指を正面に向けるポスターが、ゲームセンターやピザ店や、スーパーのポテトチップス売り場に貼られる時代が来るよ。
ぼくなんかシューティングゲームはど下手なので、万年二等兵で整列させられて、歴戦のゲーマーあがりの上官どのから精神注入のびんたを食らう毎日となるだろう。
そして各国の傭兵部隊も、基地つきの業者には
「マッコイじいさん、特大サイズのカルビー『うすしお』頼む!」
「こっちはコイケヤの『のりしお』だ!」
・・・と、「エリア88」なのか「めしばな刑事タチバナ」かわかんなくなる。
ちなみに私は断然のり塩派であり、うすしおがこの世に存在する意味がさっぱりわからない、と思う。
プレデターのおもちゃがアマゾンで売られたが
これはニューズウィーク。先週だったような、先々週だったような。
あ、これはネット上に記事があったわ。紹介します。
バカ売れ「無人機おもちゃ」で大騒ぎ
http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2013/03/post-2885.php[2013年3月19日号掲載]
パキスタンやイエメンで「標的を絞った殺害」に使用され、政治的に物議を醸している無人機。そのおもちゃが登場し、通販サイトのアマゾンで売れに売れている。
問題の商品は長さ9センチ、幅15センチほどのミニチュアのプレデター(写真)。対象年齢は「3歳児以上」と表示されている。親たちからは、幼児のおもちゃには「不適切」との抗議が高まる一方、「空飛ぶ死のロボットはチビッ子の最高の友達」といった皮肉の声も飛び交って・・・(略)オバマ政権が外国で無人機による暗殺を重ねてきたこともあまり評判がよくない。
こうした状況では、親から販売自粛を求める声が寄せられるのは当然だろう。予想外だったのは、嫌みたっぷりのふざけたコメントがアマゾンのレビュー欄に殺到したこと。例えば──「まさに史上最高のおもちゃだ。これでノーベル平和賞受賞者の気分になれる。殺害したい標的リストを手にホワイトハウスに座っている気分だ!」
「ただのおもちゃとバカにしてはいけない。うちの7歳の息子が校庭でこれを飛ばしたら、パキスタン人の子供の目に激突した。なかなかやるじゃないか」
一方で好意的なレビューも寄せられている。「無差別の『遠隔操作による殺害』用の兵器だなどと言って、このおもちゃに反発する人は多いだろう。結構な理屈だが、現実には無人機のおかげで米軍の兵士は危険な任務を免れている。このおもちゃにも同じメリットがある。子供たちが危険で、時には死を招くこともあるおもちゃの銃で遊ばずに済むからだ」
サブカルに広がる影響力
今回の一件が物語るのは、ハイテク戦争が欧米文化の一部となったことだ。おもちゃ無人機の製造元は香港の玩具メーカー、美昌グループのカリフォルニア支社。・・・ 現実の戦争でも、無人機は有人機に取って代わりつつあり、各国政府は無人機技術の開発に莫大な予算を投入している。
(略)
近い将来、アメリカ中の子供たちがクリスマスに欲しいものリストのトップに無人機のおもちゃを挙げるようになるかもしれない。さしずめ、2番人気は無人機を遠隔操縦するGIジョーの人形だろう。
プラッツ 1/72 無人偵察機 プレデター AC1 プラモデル
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あの、なんだっけか、最近の漫画のコンセプトを借りれば、この後「プレデター道」が女性や若者のたしなみとなって、どっちが無人爆撃機でより正確に目標を爆撃できるか、を競う部活があって、そこでの青春の日々が感動的に描かれる・・・ことになるかもしれんぜ。
(※元ネタ知らないので、細部が不整合だったらすいません)
オバマ政権の、無人爆撃機によって限定的な武装勢力殺害を行う政策に関しては、この文章が皮肉で読ませる。
■「正しい戦争だからセーフ」と考えたブッシュさんと、「戦争じゃないからセーフ」と考えているオバマさん
http://d.hatena.ne.jp/maukiti/20120912/1347381192
かように、「プレデター」には非常に違和感と、うしろめたさがつきまとう。
だけど、それは「手書き世代」がパソコン、ワープロに対応できず、「ケータイ世代」にスマホがなじまず、「CD世代」にiPodやyoutubeがなじまない・・・のと同様かもしれない。
ひと世代立てばこの違和感も消えていくのだろうかね。
戦国時代から、近代まで、結局兵器は「より安全な場所、遠くから、敵を殺せる」ということを善として進歩してきた。その結果が、午前9時から午後5時まで遠隔操作でパキスタンやアフガンを爆撃、夕方からかえって娘の誕生日を祝う・・・兵器になる。本質的なちがいなぞ、ないかもしれない。
最新刊「ドリフターズ」で日出づる国の鉄砲王・織田信長がこうひとりごちる場面は、21世紀の「プレデター」の暗示でもあった。
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