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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 報道、記録、文化のために

Togetterは「ラピュタの財宝」を空賊が「これっぽっち」だけ持ち帰るようなもの…末永く存続を祈る。【記録する者たち】

衝撃的な一文であった

note.com


2024年はTogetterにとって厳しすぎる年でした
2023年に買収したTwilogのリニューアルをし、サブスクを開始するなどして、良い話も多かったのですが、その母体となるTogetterには厳しい一年となってしまいました。

前述の「広告単価の低下」に加えて、「Google検索からの流入減」や、「Google Discoverでの露出がゼロになる締め出し状態」などの要因で、トラフィックも減少してしまい、ここに月600万円を超えるXのAPI利用料の支払いが重なることで、ダブルパンチどころかトリプルパンチ状態の打撃を受けました。
(略)
一定のトラフィックが確保できていることで即死を免れている状態です。

あの年にスタートした僕らのインターネットを残したい
ギリギリの状況でなんとか持ちこたえているTogetterですが、このままでは遠からずサービスの死はやってくると言えます。……

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思い起こせば、自分がtwitterを始めるか始めないかを考えた時…twitterを薦められた時「でも、書いたものが保存できないからなあ」というたら「ツイログというものと、togetterというものがありますよ」と言われたんだっけ。それが決め手になったのだ。
いまでも、すごくよく思い出せる。


そしてまた自分は作り手ともなって、ささやかにtogetterのサーバーに負荷を掛けているのだけど(笑)、しかしながらそのアクセス数が経済的には黒字か赤字かわからねど、文化的・学問的・社会的には、ささやかな貢献をしたし、今も継続して貢献し続けている、とうぬぼれている。

……「暇つぶしにはなった」ホームズはあくびをしながら言った。「ああ!すでに包囲されている感じがする。僕の人生は、ありふれた日常から逃げ出すための一つの長い努力に費やされている。こういう小さな問題はその助けになる」

「その結果、君は社会に貢献しているわけか」私は言った。

彼は肩をすくめた。「まあ、もしかしたら最終的に、多少は何かの役に立っているかな」ホームズは言った。

221b.jp

だいたい、正面から現実を見れば一目瞭然だが、twitter(現X)とは非常にすぐれたSNSだけれども、140字の性質上、普通にやっていれば、流れて、消える…とは言わないが膨大な言葉の海に埋もれていく。
これは構造上しょうがない話である。で、10年前、15年前のtwitterの知見を今から遡って読むには、有象無象のまとめサイトもまあ役には立つが、ぶっちゃけtogetter以外ではそうそうは発見できないのである。政治、災害、アニメ、ジェンダー、歴史・・・・などなど、togetterを経由しないと、当時の論(それも賛否両方の議論)は追えないものがほとんどだ。



それも、ごくごく一部。たとえていえば「ナイアガラの滝から水を帽子で救うもの」「落ちていくラピュタから、宝石をひとつかみだけ持ち帰るようなもの」なのだ。
過去記事で、そう書いた。

そもそも、以前も何度か書いていますが、自分がtogetterを作るのは
「疑似出版社気分(自分が書くのでなく、他人の文章を主にまとめるのだから)でたのしい」
というのと、「ナイアガラの水をすくう」という気分があります。

膨大に流れていくtwitterの濁流は、togetterでもNavarでもいいけど「まとめ」る以外に、実質とどめようがない。
ほんの帽子一杯分でもすくって、とどめておく。ラピュタ島が崩壊して落下していくなら、一掴みの宝石でも財宝でも「たったこれっぽっち」でもつかんで、持っていく。

空賊 ラピュタのお宝持ち帰る「たったこれっぽっち」

あれは直接的には空賊の儲けだろうけど(笑)、いつかは、どこかの博物館に飾られ、学者が後世のために研究することができるでしょう。

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ちなみに朝日新聞だったか共同通信だったか…論壇時評的な記事の、「今月読むべき論考」の中にtogetterが選ばれたこともあったはずだ。
あと、togetterにまとめられたイッシューが半日、1日、数日…経ってからTVや新聞の「ニュース」、ワイドショーの「話題」「討論テーマ」になった例、枚挙に暇がない。関係者、かなり定例の習慣・業務として読んでますねー??間違いなく!!




一方で世の中、はてブを見ると、なかなかにカテエ、溶岩石のように凝り固まった「togetter批判派」、いや違った「togetterフォビア」の方もいるのだが、
まあ、コメントを読む限り、そういうご主張というか識見はとくに無視すれば足る。いや主張はそれぞれだけど、ああ、togetterを嫌う側でなくて良かった、とつくづく思う。
言葉の誤用のほうの反知性主義」を、いい感じで、感じることができる。



だいたい、上のnoteが公開されたのと前後してはてブが多数ついてホットエントリしたこの二つのtogetterがあるけど、見事なもんじゃありませんか。
これをすべて知識として記憶したり、あるいはコピペや埋め込みをして保存しておくというのは、少々現実的ではない。読んで興味深かったXポストの「外部記憶装置」としてだけでも、togetterの存在意義として足りる。
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しかし、そんな末永く続けられるべきtogetterが存続が難しくなってるのがAPIというやつ(正直どういうものなのかいまだによくわかんない。従量制の権利料のようなものだ、という感じかなあ)、要はコストである。
イーロン・マスクの戦略の、あほうな失敗であることは論をまたないが、
ただ、膨大なtogetterの過去のまとめを探して読んだり、自分の作成まとめを振り返る時、逆に余りの豊潤さ、豊かさに「このtogetterのサービス、ある日突然亡くなったらどうなるんだろう?」とふと怖くなったことも、一度や二度ではない。
だから本当に、寝耳に水とかじゃなく「ああ、こういう事態が来やがったか……」と思ったことであったよ。


とりあえず、面前の危機に対処せねばいけない。寄付を含めて協力できればしたいし、上の「2分割」戦略がうまくいくかどうか。過去のまとめがアーカイブとして残れば、それで最低限は目的を達することができる。



しかし、togetterのような活動の「文化的価値」を考えると、ぶっちゃけ科研費的なものとか文化振興財団的なものから補助金が降りてもおかしかねーのに、とも思ったりするのである。のう。


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