
- 作者: 塩野七生
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/12/01
- メディア: 単行本
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しかし、場違いな感じで「塩野七生、サッカーを語る」な記事がいくつか載っています。
実際、1年の大半をイタリアで暮らして30数年、わたくしなんかよりはよくサッカーをしっているっぽいですね。オフサイドのことも分かるみたい。
ただ、逆にいえば・・・「デーブ・スペクターやドナルド・キーンが日本野球を知っている」という、赤提灯談義レベルじゃないか?という疑念もなくはない。だから彼女が実際にヨーロッパーサッカー選手を評した部分は、サッカーマニアの人に評価してほしいものだ。
それとは別に、塩野七生が、「私がサッカーを見て、語るようになった経緯」を書いているところが実にどうも笑ってしまったのでご紹介したい。
サッカーを知っている利点は少なくない。若いときの私は列車でイタリア中を旅してまわっていたのだが、イタリア男とは、言い寄らないのは女に対して礼を失する、と思い込んでいる人種でもある。それを巧みにかわすのに、話題をサッカーにもっていくのは大変に有効であったのだ。カルチョ(※イタリア語でサッカーのことらしい)となるや彼らは夢中になり、言い寄っていたことなどはすっかり忘れてその話に熱中してくれるから、私の旅の無事はそれだけで保証されるのだった。
うーん、パスターーーーッ!!!(意味不明)
いや、こんなの見る人がみたらおもいっくそ「民族的ステロタイプを助長するヘイトスピーチだ!」ってことになるかもしれんけどね。「滞在40年、実際にイタリア中を旅して回った私の体験に基づく評価です。それを覆すほどの経験がそちらにおあり?」と彼女もいうだろう。
それに「ナンパ」というのがひとつの”文化の形”であるとしたら、それはそれで異文化の一形態でもあり、統計的に「イタリア男はナンパをする(ことが多い)」というのは正しいのかもしれない。
http://okwave.jp/qa/q4250517.html
まあ、深く考えることはなく流したほうがいい一文だろうし、とりあえずそこはおいて、上の話が文学的誇張があるにせよないにせよ、ちょっと笑えるので記録した。
その他サッカーについてのやり取りを紹介。
カントナについて
イギリス人と会ったとき、私は言ったのだった。
「マンチェスター・ユナイテッド時代のカントナは、堂々としていて人を喰っていて、それでいて素晴らしかった」。
謹厳なる英国紳士は、微笑を浮かべながら答える。
「カントナは、イギリス人が愛した唯一のフランス人でした。」
(※以下民族的偏見とヘイトスピーチに関して上のような言い訳が必要だが略す。)
ついでにいうと、もちろんカントナが何者であるかは当方は知らん。
サッカー人口
ある日本人にイタリアのサッカー人口を問われて、5千万と答え、それでイタリアの人口は、という再度の問いに、5千万とまたも答えた。
(※くりかえし)
ここから赤提灯風・塩野七生のサッカー談義(2000年の発言で、なんと「Number」にて語った)要約
「2000年の欧州選手権はオランダに勝って欲しかった。優秀なベテランがそろっていた。でも負けたのは、ベルカンプが10番の責務を果たせなかったから。精神的に弱いのでは」
「イタリアチームは”カテナチオ”なんて守備を誇っているようじゃ勝てない。過去の成功体験にしがみついているだけ。アレキサンダー大王やカエサルの時代から、戦場は主導権を握ったものに勝利の女神が微笑む」
「イタリアが決勝の vsフランス(※欧州選手権の話らしい)で、ロスタイムで追いつかれ延長で負けたのは国民性ではなく、チームが若すぎだ。選手が坊やだから。勝っている試合を確実に勝つのはベテランの仕事。」
「デル・ピエロが敗戦の責任を認めたのは潔いかって?認めなきゃ殺されるでしょ、あの坊やは」
「フランスはジダン、デシャン、デザイーといったベテランを活用したから勝った。これでイタリアの10番にジダン、フランスの10番がデル・ピエロなら勝敗は逆転ですよ。」
「ポルトガルはルイ・コスタがこたえられない渋さ。フィーゴはツラがまえからして『男』。」
「日本ではクラブチームの発達する素地はありません。クラブ発展に必要なのは、地域対立です。東京人が地方出身者に”田舎者”とも思ってもいけないような雰囲気、東北は・・・ 九州は… と言ってもいけない雰囲気ではねえ。各地方の郷土意識があってはじめてクラブチームは成り立つ。発展したいのならまず国体をやめたら?」
「最後に好きな選手を3人? エレガントなポパン、抜群の知力のマンチーニ、セクシーなバティストータ。 そしてかれらには『カッティヴェリア』・・・日本では悪意とか自己中心とか訳すしかないが、結果的にチームの為になる悪意、とでもいうべきか。敗戦のときに『今日はカッティヴェリアが欠けていた』とか言われます。中田英寿もこれが必要。マッツォーネ監督もナカタはすべてを持っているがカッティヴェリアだけが足りない」と言ってます。
すごく鋭いのか、シロウト談義の域を出ないのか、まったく当方は判別不可能。あと、上で引用者のあっしが必死でフォローした”民族性”のキメツケ談義は、クラブチームと地方意識の談義を見る限りでは、かなりの部分で確信犯で言ってるみたいですね。
おまけ イタリア人一行批評
塩野は「ある英国人が言った」と記している。
イタリア人はあらゆる面で批判は可能だが、退屈だという批判だけはできない。

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