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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

数学での選挙予測・野球分析補遺

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34022
政治評論はいまだ「マネーボール以前」の世界!オバマ勝利を完全予測した「シルバー論文」が突きつける政治評論家はどこまで信用できるのか


・・・ブラッド・ビット主演の「マネーボール」という映画(2011年)をご存じだろうか。200年代初め、ブラッド・ビットが演じるオークランド・アスレチックスのゼネラルマネージャー、ビリー・ビーンが、大リーグ野球のデータを統計処理した手法(セイバーメトリクス)を駆使して、割安だが勝利に貢献する選手を獲得して経営危機に瀕したアスレチックスを再建する姿を描いている。

 セイバーメトリクスは、今では米国の大リーグで常識化している、日本のプロ野球でも、大リーグそのままでないとしてもデータ重視の方向は明らかだ。
(略)
今回の米国大統領選挙で、セイバーメトリクスの専門家がその手法を導入し、話題を集めていた。ネイト・シルバー氏だ。

 彼のブログはニューヨークタイムズ紙に掲載され、彼の数理統計モデルは大統領選の勝敗を全51州すべてで的中させた。全米での総投票でも、オバマ大統領50.8%、ロムニー氏48.3%と予測しており、ほぼどんぴしゃりだった。ほとんどの政治評論家は形無しだった。

アメリカでは「どの人が一番選挙予測を当てたか」を後日選び、ランキングをつくるか、賞を贈るらしい・・・

というのは関連記事のコメントだかブックマークを呼んで知ったのだが、すいません、どこにあったか探してみたけどわからなかった。
日本でも、あれば面白いだろうね。


数理統計はほかの大学でもやってるとか

こうした数理統計的な手法で算出されたモデルに基づく選挙予測は、ニューヨーク・タイムズ以外にも、プリンストン大学などで公表されている。それらのサイトでも、かなり詳細に、選挙人の獲得数、各州での勝利の確率、全体の得票率の予測などを算出している。

毎日新聞は毎年「記者の目」で、運動部総出で両リーグのペナント順位予想を開幕前に発表。終了後、「誰が一番当てたか」「総括」を発表している

その取り組みは非常に面白いし、続いていることにも価値があるが・・・ただネット上では、今年のその話題がちょっと見つからなかった。もう総括も発表されたのかな?

【追記】まさに今日が発表だったよ!!

記者の目:プロ野球順位予想=岸本悠(東京運動部)
毎日新聞 2012年11月13日 01時21分(最終更新 11月13日 08時19分)
 
http://mainichi.jp/opinion/news/20121113k0000m070114000c.html
http://mainichi.jp/opinion/news/20121113k0000m070114000c2.html

毎年恒例、言い訳あり、どや顔あり。


セイバーメトリクス」創世記。なんとドラマチックな・・・

ウィキペディアの「セイバーメトリクス」

セイバーメトリクスとは、野球ライターで野球史研究家・野球統計の専門家でもあるビル・ジェームズ(en:Bill James)George William “Bill” James, 1949年- )によって1970年代に提唱され・・・
・・・ジェームズ自身が本格的に野球をプレーした経験が無く、無名のライターに過ぎなかったこともあって当初は批判的に扱われた。この理論が一般的に知られるようになった現在でも「野球はデータではなく人間がプレーするもの」という野球哲学を持つ人々からは歓迎されていない風潮がある・・・

缶詰工場に警備員として勤務していたジェームズが「夜勤の暇つぶしに」自分の趣味である野球データの分析をしていたことがセイバーメトリクスの始まりである。彼は1977年に『野球抄1977−知られざる18種類のデータ情報』(Baseball Abstract 1977 : Featuring 18 Categories of Statistical Information that You Just Can’t Find Anywhere Else)という68ページの小冊子を自費出版した。この本でジェームズは「エラーという概念が実情にあっていないこと」などいくつかの従来の常識を覆す仮説の提示と分析を行った。この本の購入者はたった75人であったが・・・(略)
・・・集計したデータを野球ファン向けに販売した。これが当たって会社は急成長し、スポーツ専門テレビ局ESPNや全国紙USAトゥデイが顧客となり、野球ファンの貴重な情報源となっていった(その後、1999年にSTATS社は大手テレビ局FOXニュースに吸収合併された)。

一番、印象に残った話はこれ。↓

野球における最もポピュラーな指標といえる打率も1859年には誕生している。イギリス人ジャーナリストヘンリー・チャドウィックによって生み出されたこの指標は打者の攻撃能力を測る指標だが、チャドウィックが「四球は完全に投手のミスによる産物である」としたために、四球は含まれず安打のみで算出されるものとなった(これにより出塁率は長きに渡って打率に比べ低い扱いを受けることとなる)。チャドウィックは打点という指標も作ったが、打点を打者個人の手柄にしてしまった(塁上に走者がいるか否かは打者側から見れば偶然の要素が大きい。仮に偶然で無いならば寧ろ走者になった選手の貢献が打者より大きいはずである)。このように、正確性を期そうと単純化を図るあまりに当時の指標には現実と乖離したものが多かった

 
Q:「なぜ四球と安打を合わせた出塁率でなく、ヒットで出塁した打率だけで測るの?」
A:「最初に決めた人が、そう思ったから」
 
というのは、”不都合な真実”っちゃ不都合な真実だ。だけど、いかに「最初にルールを決めたやつが支配する」ということかがわかって面白い。


これを「栄光なき天才たち」や「プロレススーパースター列伝」ばりのドラマとして描ければねえ・・・

■「記録の神様」に弟子入りをして|報知新聞蛭間豊章記者インタビューvol.1
http://news.livedoor.com/article/detail/6520918/
 
……試合当日、僕は毎日、チームの試合数に3.1をかけて規定打席を書きだしていました。そして集計カードをもとに打撃30傑を作る。今はパソコンで何でもできますが、報知新聞では今でも集計カードをつけています。連続無失策の記録とかがすぐにわかりますから。アナログですが、ゼロの記録はカードが違うと忘れてしまいます。

僕は打撃30傑の担当。同期に入ったやつは勝敗表の担当でした。記録室は5人ですがそのうち3人が集計でした。もう一人は投手10傑担当。防御率のレコーナーもあったんですね・・・