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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「ランキングの付け方」は何が一番公正なのか?オリコン、ビルボード、そして視聴率……

「Who Watches the Watchmen?」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%82%A9%E3%83%83%E3%83%81%E3%83%A1%E3%83%B3


ウォッチメン』のタイトルは、ユウェナリスの風刺詩第6歌『女性への警告』からの抜粋に由来する。
noui consilia et ueteres quaecumque monetis amici,
"pone seram, cohibe".
sed quis custodiet ipsos custodes
cauta est et ab illis incipit uxor
 
この引用の逐語訳が、ムーアの『ウォッチメン』に込められた主題を暗示している。
I hear always the admonishment of my friends:
"Bolt her in, and constrain her!"
But who will watch the watchmen?
The wife arranges accordingly, and begins with them
私は我が友の忠告を常に聞く。
「彼女に閂を掛け、拘束せよ!」
しかし、誰が見張りを見張るのか?
妻は手筈を整えて、彼らと事を始める

オリコン50年「ランキングに不純物は入れたくない」 - 朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASH4Z46N9H4ZUCVL00T.html


――とはいえ、ダウンロードや動画サイトなど、聴き方は多様化しています。CD以外に、配信の売り上げやラジオの再生回数を反映した複合チャートを提供する業者もあります。オリコンのランキングにそうしたデータを取り込まないのはなぜですか。
 
 我々のランキングは「本当に正しいデータで、ヒット感を伝えるものでなければならない」というのが基本理念です。動画サイトの再生回数を加算するとしても、その再生回数は恣意(しい)的に操作…(略)そもそもウチのランキングの対象は「音楽を聴くことに対価を払う」ことを重視しています……(略)
  
CDの枚数を集計して順位をつけるということが、ヒット感をどのぐらい象徴できるのか。(略)……なぜ私たちがCDランキングというところにとどまっているのかというと、一言で言えば、「あいまいなデータを入れたくない」からです。
 
 ――CDの売上高は減少の一途をたどっています。(略)……それでも、今のスタンスを継続していきますか。
 
 AKB48を見ればわかるように、まだまだパッケージのヒットというのが、社会の中でも一番高い関心を呼んでいますよね。だから我々としては、できるだけ不純物は入れずに、やるべきことをやっていく…

ビルボードは特典商法をこう見る 音楽チャートの変容 - 朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASH4W3RBSH4WUCVL00F.html


 ――CDの売り上げだけでなく、ラジオ、ダウンロード、ストリーミング、ソーシャルメディアなど、多様な指標をチャートに盛り込むことの意義をお聞かせください。
 
 それは、いま現在の音楽市場をできるだけ正確に反映するためです。近年、音楽界は「所有モデル」から「アクセスモデル」へと転換…(略)ですから、ソーシャルメディアでファンの動向を確認するのは、非常に良い方法だと思います。
 
 ビルボード200というアルバムの主要チャートでは従来、パッケージの売り上げを中心…これをHOT100的な指標に改めたのです。
 
 消費者はスポティファイやスラッカーなど様々な音楽サービスを使って、アルバムの曲を聴いています。ですから、「誰がアルバムを買うか」だけではなくて、「アルバムのどの曲がストリーミングで再生されているか」、あるいは「ダウンロードされているか」といった情報も見ていく必要がある…(略)
 
 ――そうやって常に集計方法を変更していくことで、過去のデータとの一貫性がなくなり、歴史的な分析・検証が困難になる心配はないのでしょうか。
 
 チャートの妥当性が変化していますから、それはやむを得ないと思います。

そして視聴率

視聴率よりも録画再生率? テレビ業界、揺らぐ人気指標 - 朝日新聞デジタル http://www.asahi.com/articles/ASH3Z5S6WH3ZUCVL01W.html
 
 数字の大小にテレビ局が一喜一憂する視聴率。本格的な調査が始まった1960年代以降、企業がCMを出す際の「広告指標」として、そして番組の人気を社会が共有する「文化指標」としての役割も果たしてきた。しかし近年、テレビの見方が多様化するなかで、曲がり角を迎えている

(略)

世帯視聴率(ビデオリサーチ調べ、関東地区)で比べると、NHKの「マッサン」が23・2%で圧勝。多くの民放ドラマは1桁台に沈んだ。

 だが同じビデオ社の調査でも、一般には非公表の1週間以内の録画再生率(タイムシフト視聴率)を見ると、「マッサン」は6・1%。視聴率11・3%だった「ウロボロス」が録画では9・1%と、「マッサン」を上回る。「録画してまで見た番組」とモノサシを変えれば、人気の別の側面が……
 (略)
高視聴率をメディアが報じ、世間の話題になってさらに視聴率が上がる――そんな好循環の中で、「みんなが見た番組」は国民の関心事となった。
 ところがデジタル化の進展で、テレビ番組はいつでもどこでも見られるものになった。2000年代以降、大容量の録画機器や、携帯電話などで見られるワンセグが普及し、番組のネット配信も拡大。録りためたドラマを週末にまとめ見するスタイルも一般化…(略)
視聴者が「絶対見逃せない」と思う番組を録画し、ブルーレイディスクに大事に保存したとしても、その行為が世帯視聴率に反映されることはない
(略)
録画再生率を視聴率に加算できれば、テレビ局はCM料金の値上げを狙える。しかし、そのためには「CMがどれだけスキップされずに見られたか」というデータの開示が不可欠だ。民放関係者は「スポンサーは『ではリアルタイムのCMは実際どれだけ見られているのか』と言い出し…

このはなし、うちはずーっと地道にブログで書いてきておりました。
古すぎて、ちょっといつごろ書いたのかとかたどれない(笑)

視聴率の公と私と。 -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20080930/p2
 
「視聴率調査」に「録画率調査」が並ぶ日・・・本当の意味でのIT”革命”とは - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20090716/p3
 
視聴率調査機関、「録画してる人の数」の調査は極秘情報?/数字の流出も取り締まり強化 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20130202/p4


自分が視聴率とか録画率とかに興味があるのは、アンケートや選挙の事前議席予測をネタにするのと基本的には同じ範疇で「どれぐらいの人が見てるか」とか「この内閣は何割に支持されているか」など、普通では確認しようもない、見えない敵に統計とサンプリングという武器を駆使して戦う、という構図自体が面白いからです。
そして、それがネットを通じて一桁まで閲覧数、アクセス数がわかってしまう、という技術革命によって取って代わられるとしたら、それもまたドラマだと(笑)。そんなことでずっとネットの片隅にて「ウォッチメンをウォッチ」してまいりました。


そのあいだに、いつの間にかアニメ番組とかは「視聴率なんてどうでもいい(ってことはないが)。DVD、ブルーレイが売れるか売れないかだ!それによって続編が作られるのかどうかが決まる」というふうな下克上が発生しておりました(笑)。こっそりと視聴率守護の実権を、DVD売り上げという戦国大名が簒奪していたのですよ(笑)



ネットによって「広告効果が分かるようになった」ことに関する一挿話。

売れている「グーグル秘録」に関するゴシップ - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100630/p8
 
(俺の記憶している話)
創業間もないグーグルに、伝説的とも言われる大物投資家が興味を持った。
広告業界の中ではカリスマと呼ばれ、代理店を経営して巨万の富を築いた男。
この男が、グーグルに投資しようと思ったのだ。
だが、創業者のエンジニアの説明にだんだん、この「広告のカリスマ」の顔色が変わっていく。
特にグーグルが掲載広告について「僕らの開発したこのシステムだと、何人が掲載した広告を見たか、そのうち何人がその商品を買ったか、それがすべて一桁まで分かるんです!そして、その成果に応じて広告を出した人たちが報酬を支払う。とっても合理的で、画期的っしょ?」
ぶっ、ぶわっかもーーーん!!それはタブー中のタブーじゃ!!!お、お前たちはな、100年200年続いた広告と言うビジネスを根底から覆そうとしてるんだぞ!!!」


世論調査というのも結構曖昧かつ、「ではその数字が正しいと、誰が証明するのか?」という問いが出てくるものだが、実は「選挙議席予測」はその”答え合わせ”の意味があり、だからこそ各社は張り切るというのだ(議席が予測できるなら、他の世論調査の精度もまあ信用できる、と。)




視聴率、
録画率、
CD売り上げ、
配信数
youtube閲覧数、
CMスキップ率…

そんなふうな数字が絡み合い、その要素を分析していくことで、ある時代の「人気番組」「ヒット曲」はより精密なものになって確定していくのか。そうではなく混沌が続くのか。

それ自体というより、「統計」や「ビッグデータ」をめぐる大きな問いとして位置付けたい。