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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

オランダで「私の信仰上、同性婚の届出は受けられない」と公務員が拒否する例続出→”極右”が「拒否は許されない」と主張

この前も書いたが、9月12日にオランダの総選挙があり、そこでナショナル・ポピュリズム運動のひとつである自由党が台風の目となっていると。それに注目して、毎日新聞の海外面で、2012年9月5日まで計5回の企画記事「『極右』の実像」が掲載されたと。以上メモ。

そして最終回が・・・じつに、実に思想的衝撃ですよ。
自分にとっては、自由党のやったことはそれほど驚きではないが、その前提となる状況こそが、思想的な大大大大問題ですよ。
その問題とは・・・

オランダでは01年に同性結婚が公認されたが、自治体の窓口担当者が宗教上の理由から婚姻届を受け取らないケースが続出。
昨年11月、「婚姻届拒否」を禁じるよう政府に求める決議案が下院に出された。保守与党2党の反対を無視し、閣外協力の「極右」自由党が賛成にまわり、決議は採択された。
欧州の極右勢力は同性愛を攻撃することが多い。だが、オランダの自由党は昨年9月、同性愛カップルがモロッコ系オランダ人に脅された事件を国会で取り上げた。「反移民」と「同性愛への理解」が同居した主張だ。
(2012年9月1日 毎日新聞国際面)

自由党ウィルダース党首は右、左に蛇行する存在」と、その風見鶏ぶりによってこういう行動をとっている、という指摘も記事にはあるが、しかしそういう「ポーズ」ならまだいい。何度も書いているように、ちょうど10年前に暗殺された、運動の思想的創始者フォルタインのように「ヨーロッパで主流を占める非宗教的な寛容性を『普遍主義』にまで高め、その普遍主義から宗教的信念に非寛容となる」という行動原理が、かなりの部分で本気のものだったら???ということだ。
以下のリンクを参考にしてください

■『寛容は「普遍」を経て不寛容となる』〜欧州の反イスラム運動を解説した大必読論文(吉田徹)
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120427/p2


さらに。以前のテーマをしつこく繰り返すっす。

【質問】上の問題であなたは、以下の二つの選択肢のどちらに共感しますか?選んでください

(A)ある宗教の信者が「自分の信念として同性の婚姻届は受け付けできない」と考えるのも、ひとつの宗教的見解。そういう考え自体をけしからんというのが、むしろ宗教差別。その届だけ、別の人に担当してもらえばいい。
 

(B)何かの宗教の信者が「自分の信念として同性の婚姻届は受け付けできない」などとするのは明白に同性愛者差別。つよく批判すべきだし、法的規制もありえる。てか組織マネジメント上、それは怠業であり厳しく処分せよ

この前、こちらでは似た問いを
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120830/p2
(A)はチックフィルAタイプ、
(B)はヴィルダースタイプとしたが、そのタイプ分け同様に実際にふるまってくれた。

さらに「不都合な真実」は・・・

(B)論に、「組織マネジメント」という言葉をしのびこませたが、これ伏線。

「個人の信念はいろいろあるかもしれない。だがこれは『組織マネジメント』の問題。いちいち自分の信念に反する、といって公務員に、自分の判断でこれはやらない、あれはやると認めるわけにはいかない。反対するなら公務員をやめて反対すればいいじゃないか」

と、同性婚受付拒否禁止=強制的に同性婚反対論者にも受付をさせる・・・・

そう、ヴィルダース率いる自由党らが賛成し、オランダ議会で可決した「同性婚婚姻届拒否を禁じる決議」は遠く極東の日出づる国の、西のローカル政党を率いるトオル・ハシモトの思想の兄弟であるのです!!!!
ヴィルダースとハシモトの相似がみつかったといって、それはちりめんじゃこに小さなタコが入っているぐらいにありふれた話ではあるのだが・・・それは研究者にとっての話でな。
 
というか橋下徹がこの例を知ったら「ほら、公務員が自分の信念や信条をたてに上司やトップの命令に従わないと困るでしょ?これが組織マネジメントの必要性の証拠ですよ」とどや顔しかねない。
で、それに反対した人、「公務員にも、信念に反したことを『いやなら公務員をやめろ』といって無理にやらせてはいけない」という論者は・・・オランダで自分の信念、信条、信仰をつらぬく、不起立、、不斉唱、不演奏・・・ならぬ「不同性婚受付」の人々をオーエンするのかなあ・・・と。