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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

「『宗教』と『性的』マイノリティの方向が衝突したら?」…その問題が遂に顕在化した(インディアナ州)

まず基本コンセプトを、一口話で紹介。

性的指向で差別されてはいけませんね」
「当然だ」
「宗教で差別されてもいけませんね」
「勿論だ」
「その宗教の教義が『同性愛は罪だ』です」
「・・・どうしよう?」


さーて。そんな「夢の対決」が
毎日新聞

http://mainichi.jp/select/news/20150402k0000m030065000c.html
 【ワシントン西田進一郎】米中西部インディアナ州で3月26日に成立した「宗教の自由回復法」(7月1日施行)が全米に波紋を広げている。宗教の実践に対して州政府などが「大きな負荷」をかけてはならないとする内容。これに対し、宗教的信念から同性愛者らへのサービス提供を拒否する権利を企業などに認めるものだとの批判が出ている。著名人らが反対の声を上げ、同州への出張を禁じる自治体まで出てきた。
(略)
同法は、州政府などは宗教の実践に対して「大きな負荷」をかけることはできないとしており、法の条文に同性愛などに関する直接的な記述はない。

 しかし、同法の反対派は、同性婚に強く反対する保守的なキリスト教右派などが、信仰上の観点から同性愛者の結婚式でのサービス提供を拒否することなどができるようになると厳しく批判する。同州などは昨年、連邦裁判所の判決を受けて同性婚が合法化された。同法はこうした動きに対して出てきたものだとみている。

http://www.newsweekjapan.jp/stories/us/2015/04/vs-11_1.php
宗教の自由回復法は宗教活動に対する政府の抑圧を制限するもので、 既に19州と連邦法に同様の法律がある。だが近年は、自由なファッションを主張する受刑者や、ヤギを「いけにえ」にするため住宅地で殺す権利を求めた神父が「宗教の自由」を根拠に裁判で勝訴するなど、「乱用」が問題にもなっていた。

 今回の新法に「同性愛」の文言はないが、例えば菓子店が同性婚カップルからのウエディングケーキの注文を「宗教上の理由」で断っても、法的に許されることになりかねない


ちょうどアメリカ在住者のブログ「苺畑より」が、3連続でこの記事を書いていた。

宗教の自由を弾圧する同性愛活動家たちの横暴に負けるな
http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2015/04/post_1689.html
イスラム圏に拡大する企業がインディアナ州の宗教の自由を批判する偽善
http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2015/04/post_1690.html
大多数のアメリカ人が宗教に違反する商売を断る権利を支持
http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2015/04/post_1691.html

おもしろいことに、上のニューズウィークで語られた『例えば菓子店が同性婚カップルからのウエディングケーキの注文を「宗教上の理由」で断っても、法的に許されることになりかねない』
という話が、苺畑ブログでは、まるっと裏返して出てきている。

ところでとあるキリスト教徒の活動家が同性愛者経営もしくは同性愛親派のケーキ屋さんに、「同性婚は悪だ」というメッセージを入れたケーキを焼いて欲しいと頼んだところあっさり断られた。その時の録音を聞いたが、「うちはゲイによるパイ菓子屋なので、自分たちの主旨に反するパイは焼けません」と言う答えが返ってきた。それでこのキリスト教徒は「あ、じゃああなた方は公平に反するのですね。差別するんですね。」と言うと「違います。そんな嫌悪(ヘイト)に満ちたメッセージは焼けません。」と答えていた。

同性愛派が自分らの主旨に反するからといって反対派のスローガンの入ったケーキやパイを焼くのを断る権利があるのなら、何故キリスト教徒の店が同性婚を支持するという自分らの主旨に反するスローガンの入った菓子を焼くことを断る権利を認めないのだ。何故「同性婚を支持しましょう」というメッセージはよくて、同性婚はいけないというメッセージはヘイトスピーチということになるのだ?


ほかの資料として、

ここの10分30秒あたりからインディアナ州の話になっている。


また、「アメリカのリベラルは同性婚反対というとキリスト教保守派ばかり槍玉にあげるけど、イスラム教もそうだよな? イスラムに則って同じような同性婚反対をしてる人たちにも、お前ら抗議すんの?」という意味を込めて、わざわざイスラム教徒のベーカリーに「同性婚用のウェインディングケーキを焼いて!」と頼むという動画があったりするのであります(笑)


過去の記事からいろいろ抜粋(ごく一部です)

同じような問題…「同性婚結婚の手続きはできない」という公務員がオランダで出たとき、そんなことは許されない、差別をするな!と世俗主義の側から立ち上がったのが、”あの”自由党ウィルダースだったという話は紹介しましたよね。

オランダで「私の信仰上、同性婚の届出は受けられない」と公務員が拒否する例続出→”極右”が「拒否は許されない」と主張 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120903/p3


『オランダでは01年に同性結婚が公認されたが、自治体の窓口担当者が宗教上の理由から婚姻届を受け取らないケースが続出。昨年11月、「婚姻届拒否」を禁じるよう政府に求める決議案が下院に出された。保守与党2党の反対を無視し、閣外協力の「極右」自由党が賛成にまわり、決議は採択された。』

アメリカで「神は同性愛者の戦死を喜ぶ」という”侮辱的”プラカードが表現の自由として保護された
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110304/p2
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2788566/6898204

この記事に自分が書いたコメントを、ちょっと再現する。

この教会は「同性愛憎悪」という点ではマジョリティ側からマイノリティへの攻撃であるかもしれないけど「同性愛に寛容なアメリカ社会よ、罰されよ」という主張がさらに先鋭化し、プラカードや記事のように「アメリカは滅びの運命だ(America is Doomed)」とか「911を神に感謝する」と主張する時点で、アメリカのマジョリティ、常識人、体制派らに堂々と叛旗を翻している「反体制マイノリティ集団の、少数意見」であることも否めない(苦笑)

「借金かえしちゃいけない教」

ラマダン、女性の髪、スポーツ参加、同性婚…宗教間、或いは同一宗教間の違いについて - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20120811/p3



しかし、政局的な流れではどうなるか分からないが、これが、思想的には「大物同士の対決」であることは間違いあるまいよ。

自分はどちらかというと世俗国家びいきではあるが、正直緊張感なく、ポテチをかじりながら「あー、どっちも強いねー」と感心してみている感じ。