https://twitter.com/unagi_san/status/466151420027097088
#ゴーゴーカレー では社員研修の一環として靖国神社の昇殿参拝と遊就館見学を毎年実施しています。その理由は若い人達に正しい歴史認識と先人を敬う心を持って欲しいからだそうです。素晴らしい日の丸企業です。食べて応援しましょう! #宮森宏和
pic.twitter.com/hBAgdztTDm
(※リンク先に画像あり)
ほほう。
社員研修のような場所で宗教性のあることを「行うこと」「それを社員が、業務として行う(行わされる)こと」「拒否できるかどうか」…このへんのことは少々法哲学的には興味深い。ダメかもしれないし、セーフかもしれない。
実は内田樹氏がこんな文章を書いている。
http://blog.tatsuru.com/2011/03/03_1034.php
私は高橋さんと同じくミッションスクールの教員であり、私の大学でもさまざまな式典がキリスト教の礼拝の形式で行われている。
私は礼拝では賛美歌を歌う。
賛美歌どころか、教務部長として式では『マタイによる福音書』を拝読する役目を16回もやった。
本学の学院標語がそこに由来するからであり、私自身その学院標語をたいへん気に入っているからである(だから最終講義でも朗読した)。
私自身はキリスト教徒ではない。
ふつうの日本人の宗教的態度はそのまま私のうちに再現されている。
仏閣に詣でれば合掌し、神社では柏手を打ち、教会では十字架の前に跪いて、土地の聖人にお灯明を上げる、宗教的には無節操・無原則な人間である。
(略)
この点について、私はわりとオープンマインドである。
しかし、ミッションスクールの式典で専任教員が賛美歌や校歌を歌うか歌わないかの決定はオープンマインドかどうかということとは原理的にはかかわりがない。
それは雇用契約の一部に含まれているからである。
どの大学でも就職希望の人には「建学の理念」に対する理解を確認する。
そして、どれほど研究業績があっても、「貴学の建学の理念には賛同できない」と明言する候補者は採択されない。
私はノン・クリスチャンだけれど、就職に際しては建学の理念とキリスト教教育への理解を誓約した。
それゆえ式典に参列し、賛美歌を歌い、会議の前には黙祷を求め、合気道の合宿でも食前の祈りを欠かさず、乞われればチャペルアワーで聖書についての奨励も語る。
キリスト教系の大学は宗教と組織が不可分であるが、ゴーゴーカレーと靖国神社はそうではない、という議論もあるだろうか。もしくは就職の際に研修が神社である、と周知されなかった、みたいな問題があるか。
メモ追記 はてブによるとこんな判例もあるそうな
http://www.cc.kyoto-su.ac.jp/~suga/hanrei/112-3.html
まあ詳細は分からないし、そもそも社員みなが納得して研修に行っていれば問題化し得ないというパターンもある。ここは法哲学的な興味をもちつつ、ゴーゴーカレーおよび内田樹的な「キリスト教大学という前提なら、就職した人が賛美歌を歌うのも、キリスト教的建学理念に反する研究者が採用されないのも当然」という主張もテイクノートして先に進もう。
靖国神社が社員研修の場の「ゴーゴーカレー」。応援で食べるのも、抗議で食べないのも、「メシと政治は別」もご自由に。
ま、そんなわけで、あの画像がコラージュとも思えないし、ゴーゴーカレーが靖国神社に共感して社員研修が同神社の参拝、という会社だと。
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んで、上のツイートにあるように
「食べて応援しましょう」という人も増えてくるだろう。「けしからんから金輪際ゴーゴーカレーは行かない」という人も増えるだろう。
この前「足で投票する」という言葉を紹介したが、「胃袋で投票」する例もあるのだ。
例によってこのへんの本場はアメリカでございまして、社長が同性結婚という制度に反対するお店(チックフィルA)が、とか、逆に銃規制や同性婚に賛成するお店(スターバックス)が、不買だ締め出しだ、逆に銃を持って入ろうぜ!とか食べて応援だ!とかしましい。
そんな例を喜んで収録し続けてきた当ブログです(笑)。
スターバックスは「リベラルの象徴」なので、敢えて銃持参で同店に入る保守派運動が。UFCも含めて興味深い -
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100309/p5
いろいろ他ブログの例も保存していたよ。
アメリカの保守主義の動きやトピックを紹介していく有名な「苺畑」サイトは、日本では見かけないがあっちでは有名らしい「チックフィルA」を紹介してる。
■明らかな言論弾圧、反同性婚の意見を持つ社長のレストラン系列を閉め出したボストン市長
http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2012/07/post_1428.html
ボストン市長のトーマス・メニノ氏は今月中旬、同性結婚に反対する意見を述べたChick-fil-A (チックフィルエー)というファーストフードチェーン店の社長の言葉に激怒し、ボストン市内において反同性愛者を社長に持つ同チェーン店の開店は禁止すると発表した。
これに便乗して、オバマ王の元側近で現シカゴ市長のラマー・エマニュエルもシカゴ市にチックフィルエーを開店させないと発表・・・
■言論の自由を守ろう!全国チックフィルエーに集まった市民
http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2012/08/chick_fil_a_appreciation_day.html水曜日は「チックフィルエーに感謝する日」ということで、全国各地のチックフィルエー店において普段の三倍以上のお客さんが集まった。
チックフィルエーの社長の一夫一婦制結婚制度に関する発言が元で、シカゴ市やボストン市の市長らが政治権力を使って、同市においてチィックフィルエー店の開店を許可しないとした発言は、これらの市長や同性結婚支持の過激派同性愛グループが意図したのとは全く違う方向へと進んで・・・
日本だと「通販生活」が、商売と経営者(会社全体)のイデオロギーの関係でよく語られたりする。あ、あと、モランボンが北朝鮮にカネをたっぷりだして、創業者がくんしょうをもらったりしてましたね。
いまはスタンスがちょと違うそうですが。
まあ、そんな感じで
「ゴーゴーカレーは社員研修で靖国神社に行くような店だから」(行こう/行くのをやめよう)が、お昼の話題になったら、世の中がほんのちょっとギスギスするだろうなあ…という愉快犯的な意味合いも、この記事には正直ある。
もちろん「俺たちが店の経営者の思想信条をうんぬんしてどうする。うまいかまずいか、安いか高いか、便利か不便かがすべてだ。政食分離!」という、ウエストファリア的な立場に立つひともいたりするだろう。
ちなみにわたくし、カレーは自作したものが美味すぎて、ゴーゴーカレーだろうとCoco壱番屋だろうとカネを出して外食する気にはまったくなれませんな。ただし食べ放題のカレーと、あとキラー・カーンが仕込んだカンちゃんカレーならカネを出して食いたいと思う。