思い出した。
【発言全文】「同性愛は個人的趣味」 支援を疑問視する杉並区議の発言に批判(BuzzFeed Japan) - Yahoo!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160221-00010000-bfj-pol #Yahooニュース
の話題、だいぶブクマがついたが自分はこうコメントしたっけ。
この質問の中の「クリスチャンはその宗教的心情によって同性結婚のウェイディングケーキを拒否できるか」は、クリスチャンやムスリムが完全に少数派な日本ではより難問なのだが
http://b.hatena.ne.jp/entry/headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160221-00010000-bfj-pol
市議質問はここな。
「実際にアメリカのコロラド州では、キリスト教の信仰から同性婚のためのウエディングケーキの販売はできないと断った洋菓子職人の男性が、日本円にして約1700万円の賠償金支払いを命じられたという事例があります。洋菓子職人の男性は同性カップルにウエディングケーキを作ることを強いることは、信教の自由と言論の自由を迫害していると主張したにもかかわらず、訴訟に負け、自身の宗教的信条を否定される苦痛を味わうことになりました。」
ちなみにその前段階「生来か趣味か(性的指向か性的嗜好か)」は
性的対象の選択と「生来」「学習可能性」の問題/〜burvery、北田暁大、江口某各氏らのツイートを中心に - Togetterまとめ http://togetter.com/li/941869
でまとめてる。
自分はこれ、科学の分野だと思うんだけどねー。生来的なもんは生来的だろうし、そうじゃないものはそうじゃない。
あるいはたしかに「調査の結果、そこに厳密な差はありませんでしたー」という結果になるかもしれない。
まあ、この話も面白いんだけど本題に行こう。
キリスト教系のニュースサイトに記事がある。
同性婚の結婚式用ケーキ拒否で賠償金13万5千ドル 宗教的信条の表明も禁ずる命令に反発の声 http://www.christiantoday.co.jp/articles/16493/20150709/christian-bakers-same-sex-marriage.htm
どんな話かというと
……自身の宗教的信条に反するとして、同性婚者の結婚式用ケーキの注文を拒んだ米オレゴン州のケーキ屋オーナー夫妻が、慰謝料として13万5千ドル(約1620万円)を支払うよう命じられ、その宗教的信条について語ることも「やめ、控える」よう命じられた。
オレゴン州のブラッド・アバキアン労働産業局長は2日、同州北部のグレシャムにあったケーキ屋「スイート・ケークス」のオーナーであり、2013年にレズビアンのカップルの結婚式用ケーキの注文を拒んで差別をしたとして有罪となった、アーロン・クラインさん、メリッサ・クラインさん夫妻への最終決定を出した。アバキアン局長はクラインさん夫妻に、原告のレイチェル・ボウマン=クライヤーさんに7万5千ドル(約900万円)、パートナーのローレル・ボウマン=クライヤーさんに6万ドル(約720万円)の支払いを命じた。
(略)
「被告は、原告の性的指向ではなく、ただ同性婚のセレモニーに参加したくないためサービスの提供を拒否したと主張している。審判団は、この2つに何ら区別がないと既に判断した」と、アバキアン局長は命令書の中につづった。また、「そのため、営利団体である被告に対し、法の保護の下にある階級の人々へのサービスの提供を拒否することを許すのは、公の市場の少なくともごく一部で、性的指向の故に人々を分離することを法的に許可することと同等になりかねない」と述べた。
この話には続きがあって
クラインさん夫妻のケーキ屋は事件後、LGBT(性的少数者)の権利擁護団体などによる嫌がらせのため、閉店を余儀なくされた。
http://www.christiantoday.co.jp/articles/16654/20150728/christian-bakery-350k-donation-lesbian-cake.htm
「ボイコットや嫌がらせというのは、かなり率直に言うと、彼らが嫌がらせをしたのは私たちだけではなく、私たちと取引のあった他の結婚式関連の業者に対しても行っていたのです」とアーロンさんは聴衆たちに語った。「このために、私たちはもう取引できる相手を失ってしまい、閉店せざるを得ませんでした…(略)
「おまえたちは愚かな聖書バカで偽善者だ。おまえたちの子どもが病にかかり、ビジネスが廃業するよう、本当に本当に願っている」。これは、2014年6月に届いたある嫌がらせメールの内容…
http://www.christiantoday.co.jp/articles/15261/20150208/christian-bakers-cake-lesbian-wedding.htm
しかしさらに続きがあって
http://www.christiantoday.co.jp/articles/16654/20150728/christian-bakery-350k-donation-lesbian-cake.htm
クラインさん夫妻は、7651人から35万2500ドルの寄付を受け取ったほか、「頑張ってください」「祝福します」「引き下がらないで! 私たちが共にいます」などという、何千もの激励のメッセージを受け取った。
さて、
その一方。
キリスト教系団体から「神は同性愛者を嫌う」というメッセージの描かれたケーキの製作を依頼されたパン屋が、注文を拒否し、訴訟に。パン屋「これまでどんな注文も拒否したことはなかった。しかし私たちにそのような憎悪の言葉を書く権利はない」 #u pic.twitter.com/xquH024c4i
— 野洲 J. Yasu (@Yasu9412) 2015年1月25日
ぼくは以前から、これを一口話にまとめています
「性的指向で差別されてはいけませんね」
「当然だ」
「宗教で差別されてもいけませんね」
「勿論だ」
「その宗教の教義が『同性愛は罪だ』です」
「・・・どうしよう?」
関連はこちらに。
欧州議会選挙の結果を受けて、も一度吉田徹氏の文章や過去記事を再紹介 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20140528/p3
「『宗教』と『性的』マイノリティの方向が衝突したら?」…その問題が遂に顕在化した(インディアナ州) - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150412/p3
このへん、twitterでアンケートをとってみるかねえ。
よし、アンケートを設定した。
https://twitter.com/gryphonjapan/status/703339147918872576
https://t.co/qgEfNUeNN3の記事の連動です。
— gryphonjapan (@gryphonjapan) 2016年2月26日
ケーキ店A,B。
Aは「祝同性婚」とケーキに書くのを拒否。
Bは「神は同性婚反対」と書くのを拒否。
両店とも「自身の信条」が理由。
許される?(実例を元にしてます)
イスラムも 視野に入るや 同性婚(五七五)
http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2015/04/post_1690.html
RFRAは決して同性婚者やその支持者を差別してもいいという法律ではなく、自分の宗教の施行に関して極端な弊害がある場合は、個人でも企業でもその行動を拒否する権利があるというもの。つまり同性婚に反対な人を無理やり同性結婚式に参加させたり、ケーキ屋さんに同性婚ウエディングケーキを無理やり焼かせたり、写真家に結婚式の写真をとらせたり、といって行為を政府が強制することはできないという法律。
ともかく、同性愛活動家たちのダブルスタンダードや偽善は、彼らが攻撃の標的をキリスト教徒に絞り、キリスト教よりもずっと厳しく同性愛行為を禁止しているイスラム教に対しては全く無言であるという点だ。何故同性愛者たちはアメリカでもイスラム教徒の多いミシガン州のディアボーンあたりのケーキ屋さんに行って、同性婚祝いのウエディングケーキを焼いてくださいと頼み、断られたらどれだけイスラム教徒がヘイトな宗教だと主張して訴えたり嫌がらせをしたりしないのだろうか?
という疑問が生まれるのは当然である。それで、イスラム教ケーキ屋さんに同性婚ウエディングケーキをたのんだらどうなるかという実験をした隠しカメラのビデオが最近公開された。ラウダー・クローダーという保守派のコメディアン・評論家がゲイに扮してイスラム教徒経営のケーキ屋さんを幾つか尋ねて、同性婚のウエディングケーキを焼いてくれと依頼したところ、どこの店も即座に断った。どの店も彼を失礼な態度で応対したりはしなかったが、「うちでは出来ません、〜さんの店ならやってくれるんじゃないでしょうか」というのが共通した答えだった。
ところで、インディアナ州にあるメモリーピザというピザ店が、FRFAについてどう思うかというテレビのインタビューで、自分らの店はキリスト教徒経営なので、同性結婚式のための出前だったら断るかもしれない。と答えたことがあだとなって、全国中のゲイやその支持者たちから同店のフェイスブックにヘイトメールが殺到し、消費者によるレストラン批評のページでは悪評が何百と掲載され、いっぱんのお客さんから受ける注文用の電話もヘイトコールによってふさがり、全く商売あがったりの状態となってしまった。
上の「ムスリムのパン店は同性婚ケーキを焼くか?」動画はこちら。現在377万の閲覧がある。
そもそも論として「店がサービスを断る権利」はどこまで認められるのか
スターバックスは「リベラルの象徴」なので、敢えて銃持参で同店に入る保守派運動が。UFCも含めて興味深い -http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100309/p5
アメリカの食堂には「私達は、サービスをお断りする権利を留保しています」と書かれている - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20100310/p4
もともと、ケーキ店が賠償を命じられた法律も、店のサービス拒否の自由をある程度認める前提の上で、オレゴン州法に違反しているという意見だという。
…ローレルさんは労働産業局に、この行為が2007年に制定されたオレゴン州平等法に違反していると訴えた。バー局長は、スイート・ケークスのオーナー夫妻は信心深いが、ケーキ屋自体は法的には宗教的な機関として認識されないと言及している。
「オレゴン州民は、性的指向や性的アイデンティティーに基づいて、何らかのサービスを拒否されることはありません。この法律(平等法)は、宗教的な団体や学校などにおいては例外が認められていますが、民間事業者が性的指向に基づいて差別をすることを許していません」とバー局長は言う。
「特定の政党には飯を食わせない!」という店もあるんだって(日本)
安倍政権下
進められている
戦争の出来る国づくりに
加担する政党は
おことわりします
と張り紙をしてあるお店が、日本にあったのだそうです。
詳しくはこちら
「政治的スタンスが異なる人間にはサービスを提供しない」と公言する店があるらしい。 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150421/p4
さて、書いてて疲れてきたので、最後に解決策を授けて終わりにしよう。
いいかい?
「よく話し合いなさい」。
以上。
あと関連記事追加
「嫌う権利」話補遺…「僕らは寛容だ、だから非寛容のイスラムは敵だ」についてhttp://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110921/p6
「僕らは寛容だ、だから不寛容のキリスト教は敵だ」…聖書のある言葉を、壁に張ることを英国で禁止 - http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110928/p7