朝日新聞の「社説」に載ったと記憶違いしていたので探しても見つからず首をひねっていたのだが、社説と別に若宮啓文主筆が書く、「座標軸」というコラムだった。
自分は、その政策や人事自体の妥当性、有用性の議論(「正当性」と言おうか)とは別に、「民意が支持した」とか「選挙を経ていない」「得票率は過半数ではない」といった民主主義の手続き論(「正統性」と言おう)を問う議論というのがあることに注目してきた。
封建主義や絶対主義の時代だって「○○王子とXX王子では、○○王子の方が有能で徳がある」という議論と「○○王子こそ正しい血統だ」「前王のご遺志はXX王子だった」という議論の二つがあるわけで、それに似ていますな。
同様に
「○○という政策をする(しない)のは正しい。なぜならこれこれの効用(害)が見込めるからだ」という議論もあるが「XXという政策をする(しない)のは正しい、なぜならこの前の選挙で『する(しない)』と公約したからだ」という議論もある。
そして、消費税UPについては、まさに現与党が「しない」と公約したという部分があるのだが・・・
今回の「座標軸」ではかく言う
http://www.asahi.com/news/intro/TKY201206090446.html
座標軸〉消費増税正念場 「決められる政治」見せる時
■若宮啓文(主筆)
「決められない政治からの脱却」とは、野田佳彦首相が口にしてきた目標だ。大飯原発の再稼働を決めて「脱原発」の方向までうやむやにするのは問題だが、一方で正念場を迎えたのが消費税の引き上げである。これを決められなければ、いよいよ国際的にも不安の的となる。
それにしても…
このあとは、有料なので読めない。
だけど検索したら、ここで引用されていた。
http://nakaken93.blog.fc2.com/blog-entry-166.html
・・・(※増税反対は)公約破りを許せないからだというのが小沢氏の論理である。確かに3年前に政権交代を果たした総選挙で民主党はむだを徹底的になくして財源をつくると約束し、代表の鳩山由紀夫氏は増税への踏み込みを否定した。国民もいまそこに割り切れなさを感じている。
だが、それだけをもって「民主主義を踏みにじる公約違反」と叫ぶのはどんなものか。もう忘れられがちだが、2年前の参院選では鳩山路線の無理を感じた後任の菅直人首相が消費税の増税へかじを切っていた。
その変身で選挙に負けたから話は複雑なのだが、勝った自民党が掲げたのは「消費税を10%に」という鮮明な主張。消費税アップが選挙で否定されたのではなく、両党の協力は参院選の帰結・・・略
リンク先ではそれへの反駁もされているが、冒頭で書いたように「民主的手続き論」のウォッチャー(コレクター?)だった自分的には、少なくともこれには”意表を突かれた”主張だった。
ちなみに「座標軸」ではこの下で、橋下徹の維新について書いている。
橋下氏の言動や政策には疑問が多いが、あれだけ人気があるのは何ごともリスクを覚悟で自ら決断し、抵抗を押して進むからに違いない。
その後の評価は、いくつか並べつつも
「国政への刺激剤にはなるとして、いきなり国を委ねられるかには疑問がぬぐえない」
刺激剤にはなる
刺激剤にはなる
刺激剤にはなる・・・。