女王陛下も許可なしでは入れないというシティ・オブ・ロンドン(ソース:MASTERキートン)のほうは市長が名誉職として存在したが、ロンドン市長自体は、2000年に初めて公選市長となったらしい。
Mayor of LondonとLord Mayor of Londonが違うんだって。おもしろいね。
初代市長で、労働党左派の立場か離党したりイラク戦争に反対したりなど、名物市長として知られたケン・リビングストンが現職の保守党市長(この人も将来の首相候補の呼び声高い)と大接戦だったが・・・
ただいまtwitterにて
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沢村 亙 @wsawa
朝日新聞記者。かつてはパリ、今はロンドンが拠点です。欧州の息吹、そして、ここから見える「日本」を伝えます。(発言は私個人の意見です。朝日新聞社の立場を代表するものではなく、リンクやRTは必ずしも同意を意味しません)沢村 亙@wsawa
ボリスが勝った。ロンドン市長に保守党現職のボリス・ジョンソンが再選。優先順位2人まで記入できる複雑な制度とはいえ、投票が終わってまる1日以上たってやっと結果判明
獲得票差はわずか3%。市長への返り咲き目指した労働党ケン・リビングストンとは予想以上の接戦だった。レッド・ケン(赤いケン)は「これが最後の選挙」と引退を表明
事前の世論調査ではボリスはもっとケンを引き離していた。今回の地方選で大敗した保守党への逆風をもろにかぶったか。
ボリスの当選にいちばん胸をなでおろしているのは保守党党首のキャメロン首相かもしれない。もし彼が市長に落選したら、そのうちに下院に出てきて、キャメロンを脅かす存在になっただろうから
英保守党の有力者、キャメロンもボリスもオズボーン(財務相)もみな育ちの良い上流階級(ポッシュ)。でも人気度は大きく異なる。英国人の同僚の言葉を借りれば、「嫌みなポッシュのオズボーン、まあ許せるポッシュのキャメロン、そして憎めないポッシュのボリス」
確かにオズボーンは、いかにも上から目線の融通の利かない地味な秀才肌。労働党のブラウン前首相に似た感じ。ボリスは明るく、キャラが立っていて、いじりがいのあるタイプ。街頭を歩けば人々が「やあボリス」と集まってくる
2001年の英総選挙に出馬したボリスの選挙運動に1日同行したことがある。英国では候補者自らがハンドルを握り、ひがな戸別訪問。日本と違い選挙区にまったく土地勘がないので、道を迷うことしょっちゅう。携帯で事務所に「この道はどっちに曲がったらいいんだあ?」と叫んでいたのを思い出す
ボリスといい、レッド・ケンといい、英国でも国政より首長の方に人間的な魅力のある政治家がいる。スコットランド民族党のサモンド党首もそう。首長の方が自分のキャラを打ち出せるからだろう
有権者が既成政党を「罰する」風潮は英国にも波及。連立を組む保守党と自由民主党は地方選で大敗。自民党は当選した地方議員数では、スコットランド民族党とほぼ同じ数にまで後退。イラク・アフガン撤兵を掲げるマーヴェリック政党のリスペクト党が初の議席(5議席)を獲得
ん?ロンドン市長選挙は「優先順位2人まで記入できる複雑な制度」なのか?これもアーキテクチャーのひとつとしてメモしておこう。
日本の選挙でも、中選挙区にしてかける候補を複数にする、なんて提案があったっけ。