「ヤミの乱破」が、実に6年ぶりに復活。
今回は「ヨハンセン」こと吉田茂と、主人公桐三五が対面する。ヨハンセンとは、戦前戦中と反軍部だった吉田茂を憲兵隊が監視したとき「反戦の吉田」をもじってつけたコードネームだったという(※事実かどうかは知りません)。
感想を、twitterから再録。字数制限で書き足りなかったところは補足。
イブニングで再開の細野不二彦「ヤミの乱破」。
主人公らの主人・吉田茂が前面に出てきた。
吉田茂といえば歴史上では一般的に高評価の人だが、バカヤロー解散や「不逞の輩」「臣茂」のように傲岸、独善、頑固、貴族趣味、稚気の入り混じった人だった。
しかしそれを時代の流れの中で、最終的にはプラスに転じることができた(続く)
posted at 06:28:28
そんな人間性が伝わるような描写が「ヤミの乱破」に盛り込まれているところが面白い。
良くも悪くもこういう政治家は平成には存在し得ないだろう。「わしは人を喰って生きておる」の名台詞も出てくる。
戦後の吉田の手は綺麗ではなく、同じ旧時代の自由主義者である石橋湛山や鳩山一郎にはGHQもからめ、えげつない攻撃をした(続く)
posted at 06:31:59
「ヤミの乱破」たちが文字通り吉田の犬、手足となるだけなら、彼らへの謀略を担当することになるかもしれない(作劇上、それでは支持が得られないから避けるのが正解かもだが・・・)。そのへんが興味のあるところ。
さいとうたかをの戦後政治史マンガ「大宰相」(文庫版の題)を参考資料に推薦(続く)
posted at 06:36:07
長々書いたが最後に一点。再開「ヤミの乱破」では「若き吉田は中国(シナとルビふる)で領事を…」「終戦時はどこに?」「満州国新京市です」(※必ずと言っていいほど欄外にある『現中国東北部』という注釈は無い)…冒頭に用語の「おことわり」があるとはいえ「面倒くさい」ことが多かったと思う。「時代の匂い」を尊重した作者と編集に感謝。@mai_mai777
最後にリプライ先としている方は、この作品などの編集者です。ぜひ皆さんもフォローを。
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TM軍団 @mai_mai777
講談社イブニング編集部在籍。「レッド」(山本直樹氏)「よいこの黙示録」(青山景氏)「羊の木」(山上たつひこ氏/いがらしみきお氏)「ヤミの乱波」(細野不二彦氏)担当です。手売り感覚で色々宣伝いたします。11年7月50歳を機につぶやき開始(編集プロダクション「銀杏社」社員)新宿区百人町育ちw
「メジャー雑誌でも、その出版社の社員だけじゃなく編集プロダクションが編集に参加している」というのは「げんしけん」で数年前に知った知識だけど、そういう方のようだ。
上で推薦した「大宰相」は
元は戸川猪佐武のノンフィクション「小説吉田学校」の漫画化。といっても大平正芳首相時代ぐらいまでを描いていたっけ。
吉田茂が、政治の中心にいた時代を描くのは1、2巻です。
(その後も長生きして、大磯で「アドバイザー」「ご意見番」的な余生をすごした)

- 作者: さいとうたかを,早坂茂三,戸川猪佐武
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震災以上の混乱期であった戦後間もなくも、政治家たちは政争に熱中していたことがよくわかる(笑)。
ただ、・・・あんまり認めたくないが、政界でのえげつない政争・権力闘争で鍛えぬかれ、ふるいにかけられた政治家のほうが、結局は国際政治の中で日本の国益を得るという力があるかもしれない、という逆説がある。中国における政治闘争もしかりで。