http://www.kotaku.jp/2012/02/masterkeaton_remaster.html
復活! 漫画「MASTERキートン」の続編、連載開始へ
漫画家・浦沢直樹さんの代表作「MASTERキートン」。その新作が「MASTERキートン Reマスター」として、3月19日発売の「ビッグコミック オリジナル」に掲載されることが、本日発売された「MASTERキートン 第8集 完全版」の帯で判明しました。
(略)
…そんな「MASTERキートン」の続編、「MASTERキートン Reマスター」は20年後のキートンを描く連載作品となることが決まっているようです。とにかく、第1話が楽しみですね。今のうちに、「完全版」で読みなおしておくのはいかが?MASTERキートン 1 完全版 (ビッグコミックススペシャル)
- 作者: 浦沢直樹,勝鹿北星,長崎尚志
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/08/30
- メディア: コミック
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本来的には、「特殊能力を持った魅力的な主人公が活躍する、一話完結スタイルの漫画」…というのは、一番続編が描きやすい。というか、アイデア枯渇を防ぐためにも、むしろ「1stシーズン」「2ndシーズン」みたいに間をあけたり、随時連載をしたほうが良いぐらいだ。今でいえば例えば「天才柳沢教授の生活」はそれゆえに長期連載となっているはず。下で紹介する細野不二彦の「ギャラリーフェイク」もそう。
あれが毎週連載だったら絶対こうはならなかったはずだ。
ギャラリーフェイク (Number.001) (小学館文庫)
- 作者: 細野不二彦
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2002/11/01
- メディア: 文庫
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天才柳沢教授の生活傑作集 (1) (モーニングKCDX (995))
- 作者: 山下和美
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1998/10
- メディア: コミック
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ただ旧シリーズも「ドナウ文明の再発見に挑む」「別れた奥さんに再び一緒になろうと呼びかける」という、2大長期テーマは一応ながら決着を示唆してはいた。それをどう処理していくか。
そこは注目したい。
2012年の今、残念ながら
「ドナウ河近くの動物園で、ライオンがヒョウの檻に入り出られなくなっている」
事例に世界はことかかない。
そして、戦後の混沌を描く細野不二彦「ヤミの乱破」が再開!
こちらはおもいっきり伏線を残した未完のままだったので、再開は当たり前っちゃ当たり前だが、作者の多忙さを考えるとあきらめてもいた。だが最新号のイブニング。
おお!!・・・おっとこのサイズの写真じゃ読めないかな。下のところに
「イブニング8号(3/27発売)から新章スタート」
「現在最後の1話(単行本未収録)を3/6から公式サイトに掲載」とある。
- 作者: 細野不二彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/03/30
- メディア: コミック
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ハードボイルドスパイ活劇!!
- 作者: 細野不二彦
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/12/22
- メディア: コミック
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昭和22年、戦争はまだ終わっていなかった!<ミッション>
●奪われた"天皇・マッカーサー会談録"日本の命運を握るその記録文書を奪還せよ??
●帝国ホテルのモミの木が伐採、アーニー・パイル劇場に移植予定。なんとしてもそれを阻止せよ??
「全二巻完結」と思われてたな(笑)
上の再開広告に「主人に尻尾を振り、その命に…」「我は、犬也。」と、なんか意外というかかっこよくない自己認識があるが、そこがこの作品の人物造形の面白いところで。
戦後日本で、元特務機関の凄腕諜報員だった主人公は、とてつもないそのスパイ能力を持ちながらも、本来命がけでその能力を捧げるつもりだった大日本帝国が崩壊するというアノミー状態に見舞われる。
だが虚無的で自暴自棄になったり、独立不羈の精神で立ち上がったり…はしない。その忠誠をどこかに捧げ、どこからかの命令に従うという意識が染み付いている彼は、敗戦後も生き残っている「あるところ」からの指令を喜んで押し頂き、それに命を懸ける・・・という不思議な男なのだ。
考えにくいが戦後の混乱期なら、あるいはこういう人もいたかもしれない…という、突飛さとリアリティとの共存がそこにある。
で、実際の戦後史事件、そして実在人物がふんだんに出てくる。はい、ぼくが個人的に大好きなパターンです。これは実際のところ抗議・訴訟リスクだってゼロじゃないので、その蛮勇には作者・編集部ともに敬意をささげたい。でもそのぶん見返りも多いし、ちょっとお遊びもある。
ついでにここで声を大にしていいたいが、主人公たちはこの時代、力道山・木村政彦・大山倍達に会っていない筈がないと思います!!!!
この作品が続編も成功裏に終わったら、私が唱えている
「平成に入って、もっとも”手塚治虫の後継者”と呼ばれるに値する仕事をしているのは細野不二彦」という意見にさらに説得力が加わろうというもの。
【関連2記事】
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20111127/p2
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20110223/p6
あ、そういえばその「手塚治虫後継者」を称するときの最大の対抗馬が「PLUTO」も描いた浦沢直樹なんだよな(笑)。今回、戦後日本を生きた「天皇陛下」のスパイと、90年代の世界で「女王陛下のオプ」を務めた男が、がっぷり四つでぶつかる・・・と勝手に見立てさせてもらう(笑)。
でもこの二作家の登場人物って、なんか同じ世界に住んでそうな気がするんだよな(笑)
こういう大雪の夜なんかに…
「フジター、ヤッパリ日本の雪はキレイねー。ワタシ雪大好きよ!」
「馬鹿野郎、雪っていっても限度があるだろう。なんとか空港に着陸はできたが、成田からギャラリーのある湾岸までどうやって帰るんだ!タクシーもつかまらないぞ」
「あ、あのう…失礼ですが、私はキートンと申します。いま”湾岸”と聞こえましたが、本日、娘が車で迎えに来てくれて、ちょっとした用事でその湾岸を経由する予定で・・・もしよろしかったら…」
なんて感じで、元メトロポリタンのキュレーター、今は悪徳画商の男と、元SAS隊員、今は学者にして保険会社のオプが、車に同乗して……なんてね。この後の展開は考えつかないが。
まあ、細野も浦沢も、自分の作品だけでも十分「オールスター登場」的作品は作れるんだけどね。
例えば細野なら「ほーーう、あの世界チャンピオン吉野太郎が世界戦の時に使ったグローブの本物ねえ・・・これはたしかにお宝だが・・・どんな筋で入手を?」みたいな。
浦沢なら…日本からイギリスに飛ぶ飛行機の座席に、平賀・キートン・太一とジェド・豪士が偶然並んで座るが、そこでハイジャックが…しかないでしょ(笑)
- 作者: ゆうきまさみ
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/11/30
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