【バンコク=深沢淳一】フィリピン政府は、中国と領有権問題で対立している南シナ海の名称を「西フィリピン海」に変更した。
AFP通信によると、フィリピン外務省はすでに1日から、この名称を使っており、大統領府は「どう呼ぶかは各国の自由だ。名称も自然なものだ」としている。
フィリピンは最近、中国が南シナ海のスプラトリー(南沙)諸島で新たに資源探査の準備を進め、フィリピン漁船の活動も妨害しているとして、中国への反発を強めている。名称変更により、領有権を強調し、中国に抗議の意思を示す狙いだ。ベトナムも南シナ海を「東海」と名付けている。
(2011年6月14日19時34分 読売新聞)
人民解放軍少将、フィリピンの南シナ海改名は「痴人のたわごと」
中国の軍事評論家で、人民解放軍海軍情報化専門家委員会の尹卓少将が、南シナ海問題についてネットユーザーからの質問に答えた。フィリピン政府による南シナ海改名計画については「痴人のたわごとだ」と一蹴した。中国網が伝えた。
あっはっはのは。なんか最近聞いた中で、なんとも屈指の愉快なニュースです。
私見を申し上げれば、いちいち同国政府が決めたからって、たとえばIHO(国際水路機関)が名称を変更したり、併用したりしちゃあ混乱するし、やめておくべきだろう。(そういう実例が浮かばないでもないが、置いておく)
しかし、国際機関の統一名称と、その国その国のローカルな呼び名は別。また、その国の公的機関が公式文書や公式行事で相手国を呼ぶ名称と、民間の中で、自分の語感や考えから正式名称と別に呼ぶことは別であり得る。というか統一するのがもともと難しい。
山の国と盆地国が隣にあったら、それぞれ自然に「低い国の人」「高い国の人」というだろう。自分の国が「標準」と思いながら(笑)。ローカルには、もしくは「民」の側は、それでいーんだよ。
この言葉が、ますます重みを増してくる。
「・・・だれもあなたに「中国をやめて支那を使え」と言いはしない。「支那」に不快を感じ「中国」に愛着をおぼえるあなたの選択をわたしは尊重する。それなのになぜあなたは、「支那」に愛着を持ち、もしくはこの語の使用に合理的理由があると考える者に対して「やめろ。中国と言え」と要求するのか。」
(講談社エッセイスト賞受賞作「本が好き、悪口言うのはもっと好き」文庫版P165)
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ここから再掲載した。http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20060122/p2
じゃ、まあ「西フィリピン海」のはてなキーワード作っておきますかねえ。その前に「セイロンティー」でも飲んで一服。