記憶をいかに相続するか。従来のイメージを塗りかえる新たなヒーロー像の創出。
- 作者: 小林正幸
- 出版社/メーカー: 風塵社
- 発売日: 2011/06/01
- メディア: 単行本
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著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
小林 正幸
1964年生まれ。北海道出身。法政大学大学院博士後期課程社会学専攻単位取得退学。専門は文化社会学およびメディア論。現在、法政大学社会学部、玉川大学文学部などで社会学やメディア論に関する講義を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)単行本: 364ページ 出版社: 風塵社 (2011/06)
ISBN-10: 4776300494 ISBN-13: 978-4776300496
発売日: 2011/06
目次もみてみようか。
序章 力道山プロレス論の視角
第1章 力道山プロレスの胎動
第2章 「日本一」としての力道山伝説の諸相
第3章 ルー・テーズとプロレス記号論
第4章 「テレビ・プロレス」と力道山
第5章 「テレビ・プロレス」の完成と力道山の死
終章 力道山体験と「闘い」の感染
「序章」から少し引用してみる。
「観衆の溜まっていたコンプレックスやストレスが吹っ飛んだ」という力道山プロレス論も定番である・・・(略)しかしながら、本書ではこの通説への疑問からスタートしたい。力道山が力道山として表象したのは、戦後の日本人の複雑な感情の反映に限定されたものだろうか(略)・・・
そこに、大衆やファンという主体に着目する意義がある。通常、戦後日本社会における力道山は日本人という集合に享受されたと理解される。ここに日本人なる者が繰り返され、戦後日本社会を代表する場面として記憶されている。この日本人なるものは、それほど自明な存在であろうか・・・(後略)