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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

上の話からつなげて。中継は闘いだ!!(毎日新聞「余禄」)

余録:旗

(略)▲最初の対カメルーン戦がよかった。1点を守り抜いた。終わってからじわじわと自信がわいてくる。さて、この試合をお隣の中国中央テレビ(CCTV)も中継していたが、日本人には気がつかない異変が起きていた▲(略)画面は松井大輔選手とエヨング・エノー選手のつばぜりあいを追っていた。ややアップの選手の背後にスタンドの観衆も映っていた。突然、CCTVの画面は、直前のプレーのビデオ映像に切り替わった▲実は、松井選手の背後に映っていた女性が、青い旗を取り出してカメラに向けて振り出した。青地に白い太陽を染め抜いた台湾の旗。このところ中国と台湾は経済交流が飛躍的に進んでいるが、政治的なたてまえは厳しい。中国のテレビ画面に台湾の旗が映ってはいけない▲放送局には画面を常に監視して、不都合があれば瞬時に画面を切り替えるプロがいる。その日もボールに注意を奪われず、観客席を凝視しつづけた。だれかが胸の前に掲げた青い布。それが日本チームの応援旗ではなく、台湾の旗の一部だと即座に見抜いた▲カメラの向きが変わると、なにごともなかったように中継が続いた。だが、一瞬の異変に気付いた視聴者がいた。インターネットで話題になり、台湾人観客のやったこととわかった。あのサッカー中継の裏側で、中国では検閲のプロと、見破りの達人が火花を散らしていたのだ。

なんかいい話みたいな感じで〆ている。たしかに「そもそも馬鹿馬鹿しい気がする」ということを除けば(笑)、みごとというべきか。
冷戦時代、社会主義国家では「資本主義社会は矛盾が噴出している」とデモのようすを喜んで映していたが、東側の視聴者は「あの看板を見ると、どうも肉が普通に買えるらしいぞ」「あらこの女の人の着てるものステキねーー」と、そういうノイズの方を受け取ったという話も聞く。