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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

ヒョードル敗北は「ネットPPV」が伝えた…この仕組みは今後どうなっていくか?

ヒョードル敗北の持つ反響や重みは数々のブログで書かれているので、ちょっとわき道の話として今回の「インターネットPPV」の話を。

どれぐらいの購入者がいたのか。
今回は無料視聴権もそうとう配布したようだし、けっこうお高いであろう浅草キッド水道橋博士は自宅療養ながらtwitterでつぶやく)も出たし、実況は矢野武だった。

以前引用したことがあるけど、どうもM-1GLOBALはSFの試合に関して海外配給権を持ち、同時に海外での放送を実現するのが義務という複雑な事情があるらしい。映像はSHOWTIMEやCBSの撮影したものを使えるという有利さもある。


ただし、そういったことを除いても、こちらの興味としてはもっと普遍的なもので、「ネットPPVはどのへんから採算ラインなのか?今後新規参入があるのか?」を知りたいのですな。
まぁ知りたいつっても、いまだにすべての格闘技番組のPPV契約数は公表数値がない。分かるわけがないとは思うが。
でも、ネット放送だからと手を抜かず、格闘技中継のエースアナウンサー矢野武と、一般にも名前を知られた格闘技好きの解説者を読んだのはたいしたものだと思う。

そしてスポンサーついたー!!

ライフハック生命?だっけ?たぶん違うと思うけど、わざわざ検索して調べるのも面倒なのでライフハック生命でいきます(笑)。そこの社長さんが、生CMで語るという形で登場した。
これである程度の採算をとって、1000円という価格にできたのかもしれない。ならばホンネはともかく(笑)、すごいなえらいなライフハック生命。ぼくも契約を考えましたよ・・・とか書いておこう。
社長には、「どことなくのうさんくささ」なんか感じませんでしたよっ。

ま、しかし
・ネットPPV(というかネット番組全般)を製作する
・スポンサー付ける。
・そのスポンサーには直接出演してもらい、数分PRを行ってもらう。
うん、これはいいや。
Ustreamをはじめとするネット放送の課金て難しいわけだけど、これが一般化したらいいんだよなあ。

これも前に書いたけど、初期の(MMAネットラジオは「コーヒー飲むならXXX喫茶店!」みたいなローカルな店の宣伝をやっぱり口頭で言って、なにがしかのスポンサー・フィーをもらっていたそうな。
あ、そうだUstreamは映像も映るでしょ。
例えばkamiproUstreamジャン斉藤堀江ガンツ高橋ターヤンら各氏がタップアウトやアフリクションの帽子とTシャツ着用するとお金もらえね?
公武堂TV矢場とんTシャツ着てるとみそカツどんおごってもらえね?

まあ、とまれ考えてみればこの前の「ヒョードルvsロジャース」も日清食品だっけ、あれがスポンサーについていたよな。ネット放送にこういうかたちで広告がついたのは、会社のヒットでした。
やっぱりスポンサーって、うざくもあるけど付いていること自体がイベントのイキオイや実力、信用を示すという部分もあるからね。


皮肉でした。

字幕、通訳について

こういう中継で、ひたすら英語中継が流れるのはけっこう不満がたまるところだけど、そこを贅沢に日本での実況解説をかぶらせて満足したことは述べた。
ただ、アメリカではおなじみの、勝者にその場でミニ・インタビュー、これを理解できないのはつらい(ファブリシオは英語ネイティブではないので一寸聞き易かったけど)。
そこで、WOWOWのイナガキンスキーの役目を見直した。
彼はUFCの時、すいすいとセコンドのアドバイスやマイクアピールを訳して、解説してくれる。UFCはたいていニアライブなんだから字幕でもつけろよ、とも思わないでもないが、解説者としてのギャラで通訳もしてくれるとは得がたい人材だ。
逆に言うとこういう生のネットPPVにも、マイクアピールをほぼ同時に要約できるぐらいの英会話力を持つアシスタントがいればいいな、と思いました。

試合を撮影する「カメラマン」は今後も食いっぱぐれがないだろうなぁ、

これがIT技術などが発達して人がいらなくなったりする心配は、今後20年30年は無いような気がする。
仮にネットPPVがもっと一般化した場合、SFがショータイムやCBSとの連動で番組映像をそのままもらえるような仕組みは難しい(サムライTVと連動するぐらい?)だろうから、逆に試合を撮影し、その映像を即座にスイッチングしていくような技術、それが必要となる場所は増えていく、ような。

ジャンルとしての格闘技番組がそんなに生き残るのかよ、という話もあるが(笑)、試合を撮影するカメラマンの皆様の苦労にはあらためて感謝すると同時に、技術の進歩をものともしない職人芸を身に付けていることが羨ましいものだ。