ここは例の、田中芳樹をマネージメント管理している会社で、その他多数の作者のエージェントをつとめる、小説界のブッカーK。層呼ぶには内容が穏健だが。
田中先生に関しては沖方丁(おきほうちょう)の小説の解説書いたとか、『纐纈城奇譚』が朝日文庫になったとか、新作は相変わらず進んでいない(推測)とか、そういう動向が分かるが、他の作家で、こういう話が。
http://a-hiro.cocolog-nifty.com/diary/2009/10/3-81bb.html
小前君(小前亮)が『李世民』に続いて書いたのが、宋を建国した「趙匡胤」。
大唐帝国が滅んだあとの乱世にあって、盟友鄭恩とともに新たな国を打ち立てた趙匡胤を描いた一作。
文芸評論家の縄田一男先生に絶賛され、・・・・・・・・
すごいね。
この主人公・・・というか宋帝国に関しては、隠れファンが多い。田中芳樹も含め。
それはそれなりに文治主義で、別種のゆがみは生んではいるものの、”平和的”といってもいい政策をとっていたこともあるでしょう。
もともと田中氏が愛好し、一種師事しているのが陳舜臣氏で、彼が宋好きであることも影響しているでしょうし。
そして彼ら宋ファンが一番の例にあげるのがこのエピソード。
検索で見つけた引用ブログ主も、元を陳舜臣氏の本に寄っているようです
http://kawausotei.cocolog-nifty.com/easy/2009/01/post-4396.html
・・・なによりも感動的なのは「石刻遺訓」である。それは太祖趙匡胤が、子孫のために教訓を石に刻み、禁中の最も奥の、皇帝しかはいれないところに安置した小さな石碑である。皇帝以外はそれを見ることが許されない。新帝が即位すると、その「石刻遺訓」にかかげられた幕をひらいて、遺訓を読むことが、重要な儀式とされた。そのとき、何者もそのそばにいることを許されない。
(略)
宗の太祖が死んで百五十年後、国府開封が金軍に攻め陥され、宮殿が蹂躪されたとき、はじめて石刻遺訓が発見されたのだ。
それにはどんなことがしるされていたのか?
答えはリンク先を見てもらうとして、これは「前近代における、専制国家内の権力の自制」という点から見ても非常に興味深い。
その開祖が主人公の小説が根強く売れているとはいいことだ。
作者全然知らないですけどね、若手なのかな?
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