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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

オバマ勝利翌日の新聞1面コラム、例によって読売新聞「編集手帳」が圧勝1位

勝利翌日は図書館で、普段読まない紙面も含め読み込んでみた。もちろん外報記事もそうだが、なにより題材はほぼ同じくオバマであろう、”新聞の顔”1面コラムを読み比べて見たかったのだ。
そして、何事もなくヒョードル級に実力が抜きん出ている読売「編集手帳」氏が最高だった。
実はこの夏から秋にかけて、個人的には「筆者が代わった?」と思うくらいあまり面白くないものが続いていたのだ。
だが今回。とくに冒頭。
さまざまな黒人差別の実例があるなかで、これをポンと提示できる教養の厚み(というより雑多な知的好奇心)とはいかなるものか。
掟破りの全文転載だが、どう要約引用しろってんだこれを(逆切れ)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20081105-OYT1T00775.htm

11月6日付 編集手帳

 ライルという名前のひどく凶悪な殺人犯が刑務所にいる。出所する可能性を問われて、ある男が答えた。あり得ない話さ。「ライルが出てくるよりも、黒人がホワイトハウスの主(あるじ)になるほうが先だろうよ」◆米国の人気推理作家ジェフリー・ディーバー「12番目のカード」(文芸春秋)の一節である。小説が世に出た3年前にはまだ、黒人の大統領は「起こり得ぬこと」の代名詞であったろう◆バラク・オバマ上院議員(47)が米大統領選を大差で制した。すべての人の平等をうたった1776年の独立宣言、1863年の奴隷解放宣言などとともに、黒人大統領の誕生は歴史に刻まれる偉大な1行に違いない。米国の国内はいま、「起こり得ぬこと」を起こし得た興奮に包まれている◆「変革」を旗印に掲げるオバマ氏が大統領として政策の何を変え、何を変えずに守るのかは、いまだ明らかでない。米国の一挙一動が密接に国益と絡み合う日本が手放しで祝賀熱に浮かれていられないのも事実である◆そのことは胸に留めつつ、きょうは、いまは、肌の色という壁をひとつ乗り越えた米国の人々に心から拍手を送る。
(2008年11月6日01時43分 読売新聞)

その他のコラムは順位をつけるまでも無い。「その他大勢」でよろし。
まあコラムの良し悪しはたぶんに客観性より好みだから、違う評価があっても驚きはしない。
本当にそういう評価かな?と思う人は、ちょっと手間をかけてほぼネットに掲載されている、11月6日のコラムを読み比べてください。

おまけ

11月4日付は「藤子不二雄Aさんに叙勲」が話題
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/column1/news/20081103-OYT1T00757.htm

藤子氏の受章についてはここを見よ。
http://d.hatena.ne.jp/koikesan/20081103


で「編集手帳」子の最期の段落

藤子不二雄を名乗る以前、「足塚不二雄」というペンネームを付けていた時期がある。「手塚先生の“手”に遠く及ばぬ“足”である」と。神のごとく仰ぎ見た手塚さんの生誕80年にあたるきのう、受章が報じられた◆赤塚不二夫さん(享年72)が亡くなって間がない。悲しみにつけ、喜びにつけ、トキワ荘から流れた歳月のしのばれる秋である。

有名なエピソードから手塚氏の誕生日(それも80年の節目)であるという情報を加えて連動させ、そして最期に季節感まで加えて締めくくる。
高阪剛ヒョードルの強さは打撃と組み、投げと寝技などを結ぶ「際(きわ)」の強さだと言っていたが、短文コラムもしかり、