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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「防虫蚊帳」のもたらしたもの。

うーむ、たしかK-1が終わったらあれも書こうこれも書こうといろいろ考えてたはずなのに、何か終わったら拍子抜けしたというか忘れちゃったネタが多い(笑)。思い出せ俺。

ああ、地味な話だが、これから行こう。
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/natnews/topics/108215/

やばいぞ日本】第5部 再生への処方箋(3)「網の目」広げマラリア制圧
配信元:
12/06 21:17更新
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/108215/TrackBack/

 かつて生活の必需品だった蚊帳を家庭で見ることはもう、わが国ではほとんどない。だが、日本の代表的な総合化学メーカー、住友化学ではいま、その蚊帳こそが「企業の顔」ともいうべき重要な製品に位置づけられている。
(略)
 ホームページにも、真っ先に「アフリカのマラリア防止」の見出しで≪防虫剤を練り込んだ蚊帳「オリセットネット」を開発し、WHOが推進するキャンペーンに協力しています≫と書かれている。
(略)
マラリアは、病原体のマラリア原虫に感染した人の血を吸った蚊が媒介して広がる感染症で、年間3億人が発症し、100万人が死亡する。エイズ結核と並ぶ世界3大感染症であり、アフリカでは子供の死因の1位。住友化学が開発した蚊帳により、そのマラリアの制圧に希望が出てきたのだ。


(略)
85年当時、「蚊帳に殺虫剤処理すると蚊の駆除に有効である」とする論文が世界で相次いで発表されたことから、殺虫剤を染みこませた素材で蚊帳を作る研究をこつこつと進めていた。

 当時の殺虫剤処理をした蚊帳は洗うと薬が流れてしまい、半年に1回、殺虫剤溶液に蚊帳を浸し直す再処理作業が必要だった。先進国の援助で大量に蚊帳の提供を受けても再処理費用までは手が回らず、途上国では結局、宝の持ち腐れである。

 一方、工場用の防虫網戸にはポリエチレン樹脂に殺虫剤を練り込み、それを糸にして網戸を作る技術が確立されていた。最低5年は効き目が持続、この間は再処理の必要もない。網戸の技術を転用することで素材の樹脂の売り上げも伸ばせるのではないか。そんな計算もあった。

 だが、ポリエチレン樹脂の蚊帳は、通気性の面でアフリカでは実用に適さない。平たく言えば、暑くて眠れないのだ。伊藤さんは実験と観察を繰り返し、決断した。

 「網の目を広げよう」

(略)
蚊の習性として、網目をすっと通り抜けてはいかない。ネットにぽんぽんと突き当たるように飛んでき、そこに殺虫剤が練り込んであるので蚊帳の中に入る前に落ちていく。実験を重ね、通気性と蚊帳の機能の両方を追求したぎりぎりの選択が4ミリだった。
(略)
 「アフリカの蚊の原虫保有率は4%。月に100回蚊にかまれると4回感染する計算です。蚊に刺される機会を減らし、感染する人が減れば、蚊の原虫保有率も下がる」と伊藤さんは説明する。

(略)
糸を縫製して蚊帳に編む工程に人手がかかるので、住友化学エチオピアなどでも新しい縫製工場の開設準備を進めている。

 タンザニアのアリューシャという町ではオリセットネットの工場が3000人から4000人の雇用を創出し、物流などへの波及効果も大きい。技術供与をきっかけに住友グループ各社でアフリカに小学校を造る社会貢献事業も生まれた。


こういう話を集めているのは、前にも書いたけど、まあまあこういうものは、効果とその善悪がはっきり見えるからだ。
こういうのをコツコツやっていけば、何かまあ、よくなっていくんじゃないかと思うからね。

しかし、殺虫剤を二年も三年も、効果が持続できるようになっているとは思わなかったです。「しみ出る」ようにしてあると考えていいんだろうか?こんなふうに技術は進んでいくのだな。殺虫剤というと環境だ健康だの問題から悪者扱いの場面も多いが、アフリカでは最大のヒーローだ。