INVISIBLE D. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています 

猪瀬直樹は「東京湾」に栄光を取り戻せるか?

猪瀬直樹メールマガジン「日本国の研究」475号から。
無料なので登録をお勧めするが、数週間遅れで

http://www.inose.gr.jp/mailmaga/index.html

でも読める。今回は空港利用の24時間化、それから一時賛否両論の議論が起きた「地下鉄24時間化」などの講演もしているのだが、分量の関係で道場本舗で追っかけている「港の国際競争力」の話題だけ取り上げた。

 11月22日木曜日、竹中平蔵総務相が所長を務める慶応義塾大学グローバル
セキュリティ研究所が開いた「ゲートウェイ国家を目指して」と題したシンポ
ジウムで、猪瀬直樹が基調講演を行ないました

●“のぞみ”が止まりつづける東京であるために

 このところ東京湾を視察してまわっています。じつは日本に寄港しない“ジ
ャパンパッシング”の船がどんどん増えているんです
大井埠頭のあたりで風景を眺めているととても面白いんですが、コンテナ船というのは積載量が大体6万トンで、その船がコンテナを甲板の上まで崩れそうなくらいたくさん満載してやってきます。
(略)
 東京港には毎年、約400万TEUのコンテナが着きます。コンテナを満載した船が大井埠頭に着いて、すぐにコンテナトラックがそれを積む。朝4時についたコンテナは7時にはもう熊谷についている。そして工場に部品を供給したり、消費物資をスーパーに供給している。つまり朝7時か8時にはコンテナの中身がからっぽになり、今度は違うところにまわってコンテナの中身をつめてもどってくるわけです。

 われわれが100円ショップに行くと、傘が売っています。あの傘はこのあいだまで1000円だった。1000円の傘が、100円で売っている。(略)
「貸した傘と青春はもどってこない」――まあ、どうでもいいです(笑)。

 とにかくあれが、100円。ありえないですよね。あれだけデカイものが100円で売っている。一体、製造コストや運送コストがどうなっているのか。

 大井埠頭に行くと、その理由がわかります。埠頭にはコンテナ船が溢れている。大黒・本牧の埠頭にも270万のコンテナが来ますから、東京の400万とあわせて700万近いコンテナが来るわけです。

 世界中の物資がコンテナに乗って移動しています。航空は基本的に貨物とか旅客機の需要があるんですが、100円の傘のような日用品や低価格の食料品など輸入品が圧倒的な量で海運で運ばれている

 しかし日本に寄港しない“ジャパンパッシング”の船がどんどん増えて、東京と日本の比重が下がっている。世界主要港のコンテナ取扱い量のランキングでは、上位6位までをシンガポール、香港、上海などのアジア港湾が占め、日本最大の東京港ですら、23位にすぎない。

 新幹線でいえばこのままだと東京は“こだま”しか停まらない駅になっちゃう。“のぞみ”の停まる駅でありつづけるためには港のキャパシティをあげて、トランジットだけでもいいからどんどんコンテナ群が東京に来てもらうようにしなければ、日本はおいてけぼりを食ってしまう。

 大井埠頭川崎汽船日本郵船商船三井が並んでいますが、この部分に新しい埠頭をつくる計画があります。なぜならパナマ運河の深さが2015年にあと数メートル深くなり、コンテナの輸送船が大型化するからです。大井埠頭はそういうことを予想していない。今の水深は15メートルだが、これを16メートル以上にしないと、大きくなったコンテナ船が接岸できない。

 そこで東京都は大井コンテナ埠頭青海コンテナ埠頭の岸壁水深を16メートルにする計画を練っている。それから、青海埠頭の東南、城南島の北東に位置する中央防波堤の「中央防波堤外側埋立地」に、岸壁水深17メートルの「中防外・新海面コンテナ埠頭」も新設します。それからだれが港を支配するかという問題があります。国が非効率なカタチで港を支配していたらコストもかかるし、スピードも遅い。

 東京湾というものは埠頭公社など民営化されていくプロセスにあります。東
京湾で“民”の知恵をいかしながらジャパンパッシングにならない国際的な物流拠点をどう伸ばしていくか。方向性を見出せるかどうか。値段を下げてお客さんに来てもらうような方法を取れるかどうか、考えていく必要があると思い
ます。