今さつき、ちやうど丸谷才一のエツセイ集を読了したのですね。
- 作者: 丸谷才一
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/05/27
- メディア: 単行本
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わたくしの文体といふものは、けつかう直ぐに影響されてしまふたちなのだけれど、丸谷さんの文体といふかかなづかひを真似すると時間がかかつて閉口ですね。のらくろのおかげでそれなりに身につけてはゐるけれども、基本は出鱈目だし。
で、元に戻そう。
丸谷氏のエッセイというのは、結構読んだ本の要約にとどまるような部分もあって、その選定と要約の仕方がよいからこれ一冊を経由で10数冊分の雑知識を得ることができる。
それをずらづらと並べるのもいいし、あとでメモ代わりにそうしたいけど、とりあえず印象に残った「詩」をまた記録しておこう。
英国ビフテキ協会で歌われたものらしい(牛肉大好きで知られる丸谷氏は、昔懐かしい「ビフテキ」という言葉をまだ使っている)。
英雄、国家、王のことなんか
賛美したって仕方がない
いっそ相手をがらりと変えて
イギリスのビフテキ褒め称えよう
素敵なテーマは自由のブリテン
BEEF AND LIBERTY で幸せだ
いま、サントリーの黒ウーロン茶だっけ、「肉と脂を讃える歌」みたいのを歌っているがそのはしりですね。素朴なる無政府主義もほほえましい。
しかし、英国人が自分の料理を誇る歌を持っているとは驚きだ・・・といいたいところだが、丸谷氏の説によるとこと牛肉料理に関しては、彼らは自信を持っているのだそうな。
もうひとつローストビーフの歌を。
でかいローストビーフを食っていた頃
われらの心は強く 血はみなぎる
軍人は勇敢、宮廷人は雅
おお イギリスのローストビーフ
昔ながらのローストビーフ!!
ふむ。ローストビーフ、美味いと思わんがね。
丸谷エッセイからの抜書き豆知識、また気が向いたら。
実は上の牛肉賛歌、「王のことなんか賛美しても・・・」ってことで某週刊金曜日のプレジデントさまのことを語るマクラにしようと思ったのだが、このご機嫌なる歌に絡めるには無粋すぎる。
これはあとで書くことにするよ佐高信さん。