ついでにひとつ。今日、たまたま普段は見ないドラえもんを、時間に余裕があったので後半を見られた。
ドラミちゃんが登場する「透明人間目薬」の回。
ここで、彼女は普通に道具を出すのではなく、透明なクラゲやプランクトン、人間の目などを引き合いに出し、「透明な生物」の可能性をひとくさり述べている。
そう、説明もなく姿を消せば民話の「天狗の隠れ蓑」やあるいはオバQになってしまうわけで(笑)、どんな無理にでも、こじつけでも科学の説明をつけるのが、SFのSFたるゆえん。そういう点にしびれた人も多いし、それが正しい知識を得るきっかけになることも多いのだ。
もうひとつ。透明人間の道具をもらう導入として出てくるのが、ジャイアンに取られた(永久に借りられた)スネ夫の「透明人間」の本を取り返しにいくというものだった。ここで透明人間の話をスネ夫がのび太に「ものすごく面白い」と自慢するのは、基本的には単なる導入部分だが、これがH・G・ウエルズの「透明人間」なら、私はスネ夫の意見に全面的に同意する。
もう、おもしろいの面白くないのって。
みんな、原作を通して読んだことあるだろうか?
- 作者: H.G.ウエルズ,山本裕子,H.G. Wells,唐沢則幸
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1996/07/12
- メディア: 単行本
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「フォー!!どっからどう見ても『HG』ウエルズで〜〜す」とかではない。
ひっかけるなら「ハイグレード」ウエルズと呼びたい。
ホントに面白さ生涯現役。
透明人間も、この機会に(どんな機会だ)ぜひ読んで欲しいが、たとえば、透明人間へのツッコミとして「透明人間なんて、仮に実現したとしてもその人は盲目になってしまうぞ」というのがあって、気の利いた子供向けの科学解説本にもたいてい載っているし、皆さんも常識としてご存知の通りだ。(「観る」という行為は基本的に網膜に光景を映す=光を反射するということだからね)
ただし、そのツッコミを元祖ウエルズもちゃんと承知していて、「目の色を消すのにすごく苦労した」という記述がちゃんとあるのだ!透明人間、自分で実験する前に最初は猫で実験していたのだが、何匹かは目だけ色が消えず、その街にはなぜか暗闇に目だけが浮かび、猫の声が聞こえるという怪奇現象が発生した(笑)。
最終的にどういうふうに解決した、という具体的説明は無いのだが、それが無くてもこういう記述があることが、話の面白さにつながっていくのだよ。
いつも心に、SFを!!