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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

本日は2本のtogetterを制作しました。

グルジアが「ジョージア」に…?呼称(自称と他称)に関する論理、原則の議論 - Togetterまとめ http://togetter.com/li/808701


インディー候補(泡沫候補)の歴史と、その制限の是非〜あるいは優秀な候補者を集める制度設計とは - Togetterまとめ http://togetter.com/li/808695


どちらも、一般的に興味をもたれるのかはさておき、自分は個人的にも興味を持っているテーマでした。
すいすいとこういうのを作れることもあるが、今回は4カ月前までツイ―トを遡ったりしたので特にくたびれた。

今回はこれで十分だ(読む側もね)。記事は基本、さぼりでいいや。

「まおゆう」作者の申告漏れで、朝日の記事が作品について”必要以上に”詳しい件。

http://www.asahi.com/articles/ASH48538QH48UTIL01J.html
若者向けライトノベルのヒット作「まおゆう魔王勇者」「ログ・ホライズン」の著者が社長を務める会社が法人税約3千万円を脱税したとして……この会社は当初は無申告で、指摘を受けて申告したという。
(略)
 「まおゆう魔王勇者」は、魔王と勇者が協力して経済を立て直し、戦争を終結させようとする内容の小説。主人公の魔王は経済学に詳しく、税の仕組みや税務官の仕事も解説し、登場するキャラクターは「税の処理は複雑」などと語っていた

 橙乃社長は、インターネット掲示板に書き込んだ物語が評判となり、10年に出版社が「まおゆう魔王勇者」を…

そして、この記事ブクマから、表題のような部分を語っているやつを、不肖小生のも含めて抜粋。

http://b.hatena.ne.jp/entry/www.asahi.com/articles/ASH48538QH48UTIL01J.html

gryphon
これを書いた記者は事件が起こって調べて書いたのか、その前からの読者だったのかが気になる。警察からのメモだけでは、たぶんこれは書けない(笑)

id:kaos2009 “ 「まおゆう魔王勇者」は、。主人公の魔王は経済学に詳しく、税の仕組みや税務官の仕事も解説し、登場するキャラクターは「税の処理は複雑」などと語っていた。” 朝日はチクチクと刺してくるなぁ
id:KoshianX 待て朝日の記者、なぜまおゆうのセリフを知っているwww
id:windish こっちの朝日の記事は記者がまおゆうの読者っぽい。詳しすぎるw
id:gyoki やけに詳しいな、朝日の記者w
id:DG-Law この記事書いた人は読者かねw>「主人公の魔王は経済学に詳しく、税の仕組みや税務官の仕事も解説し、登場するキャラクターは「税の処理は複雑」などと語っていた。」
id:Barton なんでそんなに内容に詳しいんだよwwwwwwwww
id:rikuto8696 この記者、読んでいたな?
id:tannsuikujira 書いた人、ファンだったんだろうかw
id:tailriver 記者が余計な知識を持っているといい記事が書ける例
id:KamPinTang 確かにファン視点入ってる感じのする記事。私はアカツキちゃん(ログホラアニメ)の今後を心配してしまった。
id:hidamari1993 この記者ぜってえ読者だろ

別に事件が発生してから優秀な記者さんなら周辺の資料も見たり読んだりするだろうし、あの作品はネット発のベストセラーとして、社会現象全般に興味を持つ人なら以前からライトノベルを読む習慣とかなくても十分アンテナにひっかかるだろう。

それにそもそも、警察発表にはたぶん「まおゆう」の内容とかはない情報だったろうから、それを独自の取材(?)で新しい視点を挿入したのだから十分すぎるくらい賞賛に値する。

だけれども、いや、それゆえに「この記事書いた人ってもとからの読者、ファンなんじゃねーの?」というツッコミがちょっと楽しいわけでありました(笑)。

「阿・吽(最澄&空海)」描くおかざき真里と「レベレーション 啓示(ジャンヌ・ダルク)」描く山岸涼子が対談。

https://twitter.com/cafemari/status/587735056195555328
おかざき真里『阿・吽』 ‏@cafemari 4月13日
情報解禁してよかったのですかそうですか!山岸凉子先生と、畏れ多くも対談させていただきました!私、終始涙目で、あうあう「ファンでう」「大好きでう」としか繰り返しておりませんでした…。深い深いお言葉をたくさんいただきました。内容は5月27日ごろ発売の月刊!スピリッツで!>RT

山岸涼子氏の連載に関しては、例えばこちらを。

山岸凉子の新連載!「レベレーション 啓示」モーニング2015年4・5合併号 - 花咲いたブタちゃん走り ●マンガ・アニメの感想・考察・レビュー● http://pigrun.hatenablog.com/entry/2014/12/26/105632


おかざき氏の「阿・吽」に関してはこちらを。

http://spi-net.jp/monthly/comic003.html

美麗筆致の女性作家が描く意欲作!最澄空海、二人の天才の物語。
 
時は平安。幼少からその才能を見込まれた最澄(幼名:広野)は、エリートコースである国分寺に入り、僧侶となる。しかし腐敗した仏教界の現実に絶望した最澄は山へ籠ることを決意する。一方、官吏になることを期待され、大学に入った空海(幼名:真魚)は、謎の僧、勤操の導きで仏教と出会う。平安の時代を大きく揺るがすことになる二人が、地を這うようにもがきながら、それぞれの道を歩み始める――!

阿・吽 1 (1) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

阿・吽 1 (1) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

第1話 試し読み
http://sample.shogakukan.co.jp/bv?isbn=9784091867124

まもなく2巻発売。

阿・吽 2 (2) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

阿・吽 2 (2) (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)


こんなまとめも。

おかざき真里「阿・吽」をもっと楽しむための歴史ネタまとめ - NAVER まとめ http://matome.naver.jp/odai/2142218699947988701

自分はこれを推薦…だが、前二者は密教や、そもそも日本仏教についての記述はあまりない。

つぎはぎ仏教入門

つぎはぎ仏教入門

知的唯仏論

知的唯仏論

こちらは有名。司馬は自己作品ベストの2トップを、これと「燃えよ剣」だとしている。

空海の風景〈上〉 (中公文庫)

空海の風景〈上〉 (中公文庫)

空海の風景〈下〉 (中公文庫)

空海の風景〈下〉 (中公文庫)

「阿・吽」には桓武天皇が登場。強き改革者か、迷えるヘタレか?〜

ぼくの個人的感想。

gryphonjapan ‏@gryphonjapan
いま現在、ジャンヌ・ダルクを描いている山岸涼子氏と、最澄空海を「阿・吽」で描いているおかざき真里氏@cafemari が対談したのか。どちらも「宗教は人を救い得るか。そこに正義はあるのか」というテーマだと考えるとすごい企画だ。

 
gryphonjapan ‏@gryphonjapan 2 時間2 時間前
書き残した点を追加。
おかざき真里氏@cafemari の『阿・吽』に今、最澄空海と同時代の桓武天皇が登場(引用画像左)。そもそも漫画に桓武が登場するの自体が珍しいが、上の仏教批判の引用画像はカコイイけど(笑)、現在の所、実は結構「弱い」存在に見える。この人がどう最澄空海に関わってくのか期待。


こちらは自らの権力の波に呑み込まれていくヘタレ桓武の図。


ときに有名な話だが、(阿・吽にも描かれているが)桓武天皇はもともと後継者からはきわめて離れた位置にいた人物で、皇室の血統で政変、失脚などが相次いだために、だれも予想しないサプライズで即位した。しかも、壬申の乱で敵味方に分かれたといえる「天智/天武」を二つの系統に分けて考えると、敗者の天智系に属しており、彼の即位は「敗者の大逆転劇」だったのだ!!
実は本人も、そう意識していたのだという。

http://kagiroi-kobo.jugem.jp/?eid=15

天武系の直系の血筋は途絶え、天皇の血筋は桓武天皇の即位によって天智系の血筋に転換したわけです。奈良時代天皇になれなかった天智系の天皇が今後も続いていくとなったのです。
価値観の転換というか、まさに歴史の転換点となりました。
それを一番感じていたのは桓武天皇自身です。
彼が即位した年は辛酉の年でありました。
辛酉の年というのは天命が改まる年とされ、王朝が交代する革命の年と考えられていました。
まさに前王朝(天武系)から新王朝(天智系)へと変わった年でした。

大学時代、同じゼミ生が桓武天皇がおこなった中国式の祭事について研究をしていましたが、まさにそれですね。

前時代のものを捨て、新しいものを作る…

そうか、「天智と天武」があったっけ。/あと「あっかんべぇ一休」も読めればいい「補助線」になる

このまとめに作者の方から、さらに反応いただいた。

おかざき真里『阿・吽』 ‏@cafemari 7 時間7 時間前
ありがとうございます。桓武帝についてもまとめていただいております。天智・天武系については中村真理子先生の『天智と天武』も。RT @gryphonjapan // “おかざき真里氏と//山岸涼子が対談。 - 見えない道場本舗” http://htn.to/BBPZr

そうだ、そうだ。

天智と天武 1 -新説・日本書紀- (ビッグコミックス)

天智と天武 1 -新説・日本書紀- (ビッグコミックス)


実は自分的には、当初この皇統の争いが描かれるのを期待していたのだが、どうも続くに従って、天智の行動…というかその感情の表出の仕方が、ひたすら自分に不利であっても全然計算が働かないようであり、要は「悪の天才性」みたいなものに欠けたわがままぼっちゃん風の暴走しかしてないところが不満であるのだが、それでもこの時代を描こうというのはチャレンジングな試みであることに間違いは無い。
複雑なアジア情勢の政治劇、陰謀劇の構造も大胆な想像を交えて組み立てているし、一読の価値はあるかと。




さらに、これが自分の勝手な見立てだが

あっかんべェ一休(上) (講談社漫画文庫)

あっかんべェ一休(上) (講談社漫画文庫)

あっかんべェ一休(下) (講談社漫画文庫)

あっかんべェ一休(下) (講談社漫画文庫)

も紹介したい。

一休の禅風はもちろんもっと時代が下っての話であるし、禅は中国の荘子思想という”異物”との合体によって生まれたものであるけど、もともと阿・吽はオープニングでも、信長の比叡山焼き討ちから始まっているような鳥瞰的な視点もあった。

実際、仏教の高僧は必ず「一回り」して俗にもういちど降りるような精神の遍歴をしているわけであり、そういう点では序盤での最澄の描かれ方と、故坂口尚氏の描いた一休は重なる部分も多い。
…いや、最高の学識者が敢えてもう一度地べたへ、僧の群れの中での立身出世ではなく、民と一緒の場所にいったところは似ていても、例えば女性との関わり一つとっても違う……。
というか、一休も日蓮法然親鸞も、すべて最澄の持ち帰ったもの、生んだものから出でて、そして変わっていったものだ。異同を見比べるのも面白い。
 
ただ、この名作、今でも入手可能なんだろうか…?


(※上で、空海と比較していないのは「阿・吽」では、史実通り、最澄の仏法修行と空海のそれは時間差があり、要はお話の中で、まだ空海は自分の仏法のとば口にも立っていないからです。)

ヒラリー・クリントンが大統領に当選すると、このギャグも賞味期限切れになる…

ヒラリー氏は次のように述べた。
http://www.huffingtonpost.jp/2015/04/12/hillary-clinton-2016_n_7051574.html
「私は大統領に立候補します。我が国は困難な経済の停滞から回復しようとしています。しかし不況は依然として続いており、富裕層に有利な状況になっています。一般のアメリカ人は常にチャンピオン(擁護者)を必要としています。私はチャンピオンになりたい。そうすれば今の暮らしよりももっと良くなるでしょう。前に進み、守ることができます。なぜなら、家族が強くなれば、アメリカは強くなるからです」

神聖モテモテ王国」より。

これはトンデモ陰謀論(例えば「フリーメーソン」を代入せよ)を笑い飛ばす、極めてすぐれた風刺ギャグで、しかも統計的に事実なわけだが(笑)

「水は危険な飲み物」のたぐいだね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/DHMO

このギャグが成立しなくなるのも、また時代の流れか。

2008年、オバマ就任時の「編集手帳」を再紹介しよう。

11月6日付 編集手帳
 ライルという名前のひどく凶悪な殺人犯が刑務所にいる。出所する可能性を問われて、ある男が答えた。あり得ない話さ。「ライルが出てくるよりも、黒人がホワイトハウスの主(あるじ)になるほうが先だろうよ」◆米国の人気推理作家ジェフリー・ディーバー「12番目のカード」(文芸春秋)の一節である。小説が世に出た3年前にはまだ、黒人の大統領は「起こり得ぬこと」の代名詞であったろう◆バラク・オバマ上院議員(47)が米大統領選を大差で制した。すべての人の平等をうたった1776年の独立宣言、1863年の奴隷解放宣言などとともに、黒人大統領の誕生は歴史に刻まれる偉大な1行に違いない。米国の国内はいま、「起こり得ぬこと」を起こし得た興奮に包まれている◆「変革」を旗印に掲げるオバマ氏が大統領として政策の何を変え、何を変えずに守るのかは、いまだ明らかでない。米国の一挙一動が密接に国益と絡み合う日本が手放しで祝賀熱に浮かれていられないのも事実である◆そのことは胸に留めつつ、きょうは、いまは、肌の色という壁をひとつ乗り越えた米国の人々に心から拍手を送る。
(2008年11月6日01時43分 読売新聞)