INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-

John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「修羅の刻」新たな相手は本多忠勝。前後編で「東国無双編」(※そのあと西国無双編(vs立花宗茂)の予定)

※ 追記 以下の記事は雑誌掲載の時にかいたものです。その後単行本が出ています

内容紹介
群雄割拠の戦乱の世に、“東国一”と呼ばれる一人の将がいた。
名を「本多忠勝」。名槍・蜻蛉切を操り、生涯無傷と伝うこの兵に
身一つで闘いを挑まんとする者が、戦場に姿を現す!
その修羅の名は、“陸奥”狛彦と云う‥‥‥。

これは「織田信長編」に続く、双子の修羅の物語!!


修羅の刻」最新の章が、月刊少年マガジン2019年6、7月号でお目見えした。

シリーズとしてはもう20〜30年ぐらいはやっているわけだし、ご存知の人は多いだろうが、分からん人のために解説すると

格闘技漫画修羅の門」は、現代で、異種格闘技戦を戦う不敗の古武術陸奥圓明流」の伝承者・陸奥九十九が主人公であり、人気を博した。

・「修羅の刻」はその基本設定からのスピンオフ作品。

・不敗の古武術陸奥圓明流」である以上、鎌倉時代、戦国時代、江戸時代、幕末、明治時代…どのときにも、この古武術の伝承者がいた(基本、同じ顔)。

・彼らは、その時代時代で、武芸者、猛将、弓や銃の使い手…として名高い豪傑たちと、その技を競ってきた!

……という設定で、宮本武蔵柳生十兵衛武蔵坊弁慶土方歳三沖田総司前田光世……、といった連中と、そのときどきの「陸奥」が戦う、という話なんです。


ただ、作者がおそらく、こういう話を書きたくて描きたくてたまらなかったのだろう。別ジャンルでヒットした人が、満を持して歴史ものを書く…というと、コナン・ドイルみたいだけど、ドイルとちがって、あっぱれ「修羅の刻」は傑作がそろっており、質、人気とも本シリーズより上ではないか?と思う所です。

とくに、かなりの歴史リスペクトであろう作者は、史実や伝承と折り合いをつけるための工夫をけっこうしている。歴史的事実なんて無視したほうが描きやすいだろうけど、たとえば公式の歴史と違う時は、なぜ公式の歴史ではそのように伝わったか、みたいな言い訳をつけていましてね…それは伝奇ものを描く時、やはり無ければ減点するべきものではないが、あれば加点をすべき要素だと思うのです。(少なくとも俺基準では)



前置きが、ながくなった。
そういうことを踏まえて、やっと、今回の「修羅の刻」は、陸奥の相手は本多平八郎忠勝」だよ…という話ができるのです。

f:id:gryphon:20190610162944j:plain
修羅の刻東国無双編(本多忠勝月刊少年マガジン2019年

東国無双編、相手の本多忠勝とは?

ぶっちゃけ、これまでの相手と比べると、知名度はやや劣るかな…。また、たしかに「日本の張飛」「古今まれな名槍『蜻蛉切』」「生涯、合戦でひとつの傷も負ったことがない」など、一武人的な逸話が豊富にある。

f:id:gryphon:20190610163112j:plain
修羅の刻東国無双編(vs本多忠勝月刊少年マガジン2019年
…ではあるけれど、本来的には猛将といっても、優れた「指揮官」であり、無手の格闘家と闘っての強い弱い、を論ずべきものではない。


ただ、大したものなのは、そのツッコミ自体を、ストーリーの核心部分に取り入れているのですな。


本多忠勝の猛将(一武人としての戦闘力の高さ)を目の当たりにした陸奥狛彦(今回が初登場ではない。織田信長鈴木孫市と絡んだ旧作がある)は、その戦いへの欲求の赴くままに、小牧・長久手の戦いで、圧倒的な秀吉軍を極少数で牽制している本多忠勝の前に出向き、決闘を始める。

忠勝は、もののふとしての誇りや、陸奥同様の正直な戦いへの欲求によって、その戦いを始めるが、一方で、武人である前に殿(徳川家康)をお守りする家来である、という意識の本多忠勝にとっては、その戦いにすべてを賭けるわけにはいかない。

f:id:gryphon:20190610163309j:plain
修羅の刻東国無双編(vs本多忠勝月刊少年マガジン2019年
そのジレンマによって、闘いはいったん持ち越される。

そして、小牧長久手の戦はおわり、一度は徳川は豊臣に臣従ー。そして北条攻め、関東移封、関ヶ原となる。
この関が原では「妖怪首おいてけ」がゲスト出演したりするのだが、これはちょっと、ホントにゲスト出演(笑)。

f:id:gryphon:20190610163543j:plain
修羅の刻東国無双編(vs本多忠勝月刊少年マガジン2019年

―その天下を定めた合戦をへて、本多忠勝は何度も願い出ての隠居に、ようやく成功する。

f:id:gryphon:20190610163403j:plain

しかし、それは主人家康をお守りする「三河武士」の拘束を外してついに、「一介のもののふ」として、陸奥との『私闘』に臨むことができる、という意味だった……
そして、彼の手に握られた蜻蛉切は、かつて見たときより少し柄が短い。これが、柄も含めて縦横にこの槍を武器にするための、「蜻蛉切・対陸奥圓明流バージョン」だった…




通読しての感想は「小味の効いた、円熟の中編を読ませていただいた」です。
ページ数をきちんとは勘定してないけど、「修羅の刻」シリーズでも、物語を描ききるにはコミックで上下巻ぐらいであったほうがいいと感じることが多い。また、修羅シリーズ以外でもだけど…以前も指摘したけど、結局、達人同士が激突することのモチベーションと喜びを「馬鹿だから」で説明し、そしてまた、闘うことを喜ぶ描写にあまりバリエーションを持っていないんだ、作者の川原氏は。

ただ、そこは歴史の重み、積み重ねというか……それを、一種の「修羅節」というか、その中での洗練と円熟を選んで、それに成功したと思っている。要は、どんなに決まった「型」であっても、そこに心地よさを感じることができるのだ。古くからの読者に、そう思わせたら、それは相手の勝ち、だろう(「ニイ」と笑う)。そういう点も含めて円熟の技だと思うし、そこにうまく歴史的な史実や伝承を混ぜ合わせる手際も、同様に円熟している。
このへんの作劇法は、大いに他の人のお手本になるんじゃないかと思うのです。

次号から「西国無双編」です

双子の片割れが、あっちは立花宗茂と闘う。

司馬遼太郎は、本多忠勝をどう描写したか?

「合戦師」としか言いようのない平八郎は当然ながら謀将や智将のタイプには属しない。常に現場の男であった。

平八郎は入って武田軍の奔流を支えた。そのため彼の背負っている扇の指物は敵の形で半ば切り裂かれ、その黒具足には五筋の矢が突き刺さったが、結局は一兵を損ずることなく徳川軍を浜松城に収容した。それだけの戦闘をしながら、 平八郎はかすり傷ひとつ負っていない 。平八郎が負傷しなかったというのは、この男は戦場に呼吸のようなものがあることを体で知っていて、身動きが自然、その呼吸に合うように出来上がっていたのかもしれない。
彼は慶長15年、62歳で病死するのだが「一代手負ワズ」ということについては家康はさらに述懐して「 平八郎とは逆に、井伊直孝は常に重い具足を着用し、下の着込みには鎖を入れるほどに厚重ねしていたが、しかし合戦のあることに怪我をしていた。ああいうことは何とも不思議である 」

本多平八郎は例の、鹿の大角の兜をかぶり、馬のそばには徒歩の槍持ちを駆けさせている。彼の槍というのは 銘槍「蜻蛉切」で、東海では知らぬ者がない。 この蜻蛉切については  寄ルナ寄ルナ 槍ニハ寄ルナ 、という里謡があったと言うが下の句は残っていない。

秀吉の軍は後続の諸隊が追いついてきているため、本軍だけでも人数が38000に膨れ上がっていた。平八郎はそれに対し600の人数で擦りかかろうとしているのである。秀吉にとってこの光景は生涯忘れがたい印象になった。
「見たことがあるか」
と秀吉は口に出して己自身に言って聞かせた。秀吉の、 ときとして出る癖であった。
見たことがあるか、とはこういう光景をである。こんな人物も、かつて見たことがない 。

秀吉のいうところは

あの男、あれほどの小勢にて千に一つも勝つべきや。
勝つよりも死ぬために馬を出し、幾分にても主の働きを
寛げようとしているのである。
当人、死なんずる心なれば、わざわざ死なせる必要なし。捨て置け。
それよりも男ぶりを見物せよ

以上「覇王の家」より。

覇王の家(上) (新潮文庫)

覇王の家(上) (新潮文庫)

覇王の家(下) (新潮文庫)

覇王の家(下) (新潮文庫)

反緊縮論の松尾匡氏語る。山本太郎氏の放射能論は「善きサマリア人」原則でセーフ、「薔薇マーク」認定、ということらしい

きょう、大阪でトークショーがあったらしい。ちまたで話題の反緊縮論で、その旗振り役の松尾匡氏らが語ったらしい。

「反緊縮! 」宣言

「反緊縮! 」宣言

左派・リベラル派が勝つための経済政策作戦会議

左派・リベラル派が勝つための経済政策作戦会議

この経済政策が民主主義を救う: 安倍政権に勝てる対案

この経済政策が民主主義を救う: 安倍政権に勝てる対案

その、内容要約の連続ツイートがある
※ここを開けば、ツリーとして最初から最後まで読めます
薔薇マークキャンペーン on Twitter: "「『反緊縮!』宣言」ブックトークinジュンク堂三ノ宮駅前店なうです… "

このうちの一部の、山本太郎論を反響を含め紹介。

別のツイートで分かるが(下参照)質問者は菊池さん(kikumaco)だったようだ








「善きサマリア人」とは聖書の話そのものではなく、最近言われる『善きサマリア人”の法”』の話と思われる。

ja.wikipedia.org
善きサマリア人の法(よきサマリアびとのほう、英:Good Samaritan laws、良きサマリア人法、よきサマリア人法とも)は、「災難に遭ったり急病になったりした人など(窮地の人)を救うために無償で善意の行動をとった場合、良識的かつ誠実にその人ができることをしたのなら、たとえ失敗してもその結果につき責任を問われない」という趣旨の法である。誤った対応をして訴えられたり処罰を受ける恐れをなくして、その場に居合わせた人(バイスタンダー)による傷病者の救護を促進しよう、との意図がある。


ちなみに聖書そのものは
http://www2.tbb.t-com.ne.jp/nakashibuya/Lucas/L067130224.html

0:25 すると、ある律法の専門家が立ち上がり、イエスを試そうとして言った。「先生、何をしたら、永遠の命を受け継ぐことができるでしょうか。」10:26 イエスが、「律法には何と書いてあるか。あなたはそれをどう読んでいるか」と言われると、10:27 彼は答えた。「『心を尽くし、精神を尽くし、力を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい、また、隣人を自分のように愛しなさい』とあります。」10:28 イエスは言われた。「正しい答えだ。それを実行しなさい。そうすれば命が得られる。」10:29 しかし、彼は自分を正当化しようとして、「では、わたしの隣人とはだれですか」と言った。10:30 イエスはお答えになった。「ある人がエルサレムからエリコへ下って行く途中、追いはぎに襲われた。追いはぎはその人の服をはぎ取り、殴りつけ、半殺しにしたまま立ち去った。10:31 ある祭司がたまたまその道を下って来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。10:32 同じように、レビ人もその場所にやって来たが、その人を見ると、道の向こう側を通って行った。10:33 ところが、旅をしていたあるサマリア人は、そばに来ると、その人を見て憐れに思い、10:34 近寄って傷に油とぶどう酒を注ぎ、包帯をして、自分のろばに乗せ、宿屋に連れて行って介抱した。10:35 そして、翌日になると、デナリオン銀貨二枚を取り出し、宿屋の主人に渡して言った。『この人を介抱してください。費用がもっとかかったら、帰りがけに払います。』10:36 さて、あなたはこの三人の中で、だれが追いはぎに襲われた人の隣人になったと思うか。」10:37 律法の専門家は言った。「その人を助けた人です。」そこで、イエスは言われた。「行って、あなたも同じようにしなさい。」

って話なので、なにゆえ「結果的に失敗」という含意が入ったのかよくわからんのだが……

本日は午前11時からUFC(WOWOW)

正直、この大会は登場する選手にあまり興味や注目が持てなくてな…来週のベラトールの方が、堀口恭司選手も出ることもあり正直何倍も楽しみだ

一応告知だけ(てかプレリムはもう始まってるね)

www.wowow.co.jp

『新弟子時代の武藤は寝技スパーで強かった』説はホント?「さよならムーンサルト」紹介ツイートより

この本、発売から二週間たらずで3刷だとか

さよならムーンサルトプレス 武藤敬司35年の全記録

さよならムーンサルトプレス 武藤敬司35年の全記録

「これはオレの性分、飛ばずにはいられなかった―。」

平成のプロレス界を牽引し、つねにファンを熱狂させた武藤敬司
長年の膝の酷使から、必殺技「ムーンサルト・プレス」の封印を余儀なくされる。
デビューからスペースローン・ウルフの衝撃、闘魂三銃士結成、グレート・ムタの覚醒を経て、
nWoの席巻。そして全日本プロレス社長就任、WRESTLE-1の旗揚げまで。
WEBで話題を呼んだ、スポーツ報知記者による同名連載を書籍化、200ページの大幅加筆。
武藤敬司をはじめ、坂口征二前田日明佐山サトル蝶野正洋獣神サンダーライガー
船木誠勝和田京平桜田一男、若松市政エリック・ビショフらおよそ30名を総力取材。
ムーンサルト・プレス」を基軸に語りあげた、武藤35年の全記録。

「カーッ!ノッてる出版社は勢いが違うね!」(プロレス地獄変風)

まあ、それは
とも
かく。

冒頭の2ツイート、個人的に興味があった「柔道強化選手だった武藤は、最初からガチ練習でも抜きんでていた」という噂話についての情報が面白い。







※最後の「一日」は「一度」の間違いとのこと

======その後、続編ツイートが出ました=======



今夜の「情熱大陸」は女性のブラジリアン柔術家特集



「ロシアの狼二世」、元リングスのヴォルク・アターエフが今も現役!1R勝利

なつかしー!今も健在なのを知るだけで嬉しい。何歳ぐらいなのかな。
RIZINで仮に呼べたら、それなりに話題になるのではないか。
というか、リングスって前田日明の言うことを信じれば、復活したんだか、すごい世界的な規模での復活を準備中なんだよな、たしか。・・・・・

「うちはまだ労働基準法を取り入れていませんが、それを入れるメリットってなんですか?」


なんで………しょうね。