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いよいよ12月4日の最終回(第20回)を残すのみとなったが、「ドラマは週1放送が主流な中で、月~木に15分ずつ放送するこの『夜ドラ』という枠、そして『ひらやすみ』は、ルーティンを終えたあと、一日の最後に見ていただくにはすごくぴったりな作品だと思っています。忙しい人はつい見過ごしてしまうような“日々の輝き”“世界のきらめき”のようなもののありかを教えてくれるドラマなんじゃないかなと。そんな『ひらやすみ』の世界で過ごせた時間は自分にとってもすごく特別で、そのかけらを皆さんにも味わっていただけていたらと思います。最後までご視聴いただければうれしいです」とメッセージを送った。
ドラマ連続視聴をあまりしない自分も、いちおう全話見ることができました。再現度も高くいい出来だったと思います
ところで!!毎回放送されるたびに、過去記事…漫画連載の開始時書いた記事に来訪者が増えました。ありがとうございます。
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ドラマ後も、論点を再度書いた記事を発表しましたが
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みんなやっぱり、この基本設定…「血縁でもない親しい人から、遺産で一軒家を貰う」に興味津々なんだろ?
ただ、お話の中でも「実際はいろいろ大変だった」と言っているから、簡単ではないらしいのだ。

だけど
けど。
しかし、ほぼ「紙きれ一枚」で、それがきわめてスムーズになる方法があった。
家を譲ってくれたばーちゃんこと根岸はなえさんと、ヒロト君が婚姻届を出していれば良かったんだ。

もちろん、作品の中ではばーちゃんは突然の急死だったから、いまわの際に婚姻届、ともいかない。だが、もしそうしていたら、それは赤の他人に家を譲るために「いろいろ考えてくれた」時の手間やコストよりはるかに簡単だったはずだ。
それは良い、わるいではなく。
すこしここで区切ろう。
なぜ、そうなのかといえば、結婚制度の中に「財産…亡くなった時の遺産を、結婚相手が相続する」という仕組みが、いやおうなくパッケージとして入っているからっすよね。
そして、同じようなこと…亡くなった時に自分の遺産を相続してほしい、という相手がいたとしても、それが現行制度の「結婚相手」でなければ、何倍もコストや手間がかかる。
…という点では、ひらやすみで、家の相続におけるはなえさんとヒロトさんの関係は、同性カップルの関係とかなり同じ部分があるのだ。でしょ?
判決、要旨、弁護団声明はCALL4で見られます。
— 「結婚の自由をすべての人に」訴訟 訴訟進捗・資料のCALL4掲載情報お知らせ用 (@CALL404169270) November 28, 2025
結婚の自由をすべての人に東京2次訴訟
東京高裁判決
判決https://t.co/mJZpBOWfAR
判決要旨https://t.co/VZ2JsZLlT8
また、弁護団の声明https://t.co/ihQRzJ5UVH#1128東京2次 https://t.co/Gr6kwcZCPb
結婚できない場合、方便として「養子縁組」されることも多い。

これだけじゃないよ、高倉健。
没後五年。養女による初の手記
本書は五年前に亡くなった高倉健が〝最後に愛した女性〟小田貴月さんによる初の手記です。海外のホテルを紹介するフリーライターだった貴月さんは、
香港で偶然、健さんと出逢います。1996年のことです。
1年ほど文通が続いた後、貴月さんが仕事でイランへ出発する日の朝、二人は〝急接近〟します。
成田行きのリムジンバスに乗ると、健さんから携帯電話に連絡が入りました。
「後ろを見て!」。振り向くと、敬礼のポーズをとる高倉健の姿があったのでした……。
そしてイランのホテルには、健さんから毎晩のように国際電話が入りました。
貴月さんは帰国後、健さんの〝伴奏者〟としての道を選び、それは健さんを看取るまで続きました。
〝孤高の映画俳優〟というイメージを崩さないため、外で会うことは一度もなし。
彼女は健さんのために家で毎日食事をつくり、ロケの支度をするなど身の回りの世話を焼き、
そしてたくさんの会話を重ねたのでした。本書では、貴月さんに直接語った〝言葉〟により、健さんの真の姿を浮き彫りにします。
十何回目かの繰り返しだが、結婚を「因数分解」すると、こういう諸権利と義務、と言い直せる。
●配偶者相続権(一)●税制・社会保障における優遇(二)●病気療養時などにおける権利・利益(三)●夫婦財産制(四)●パートナーシップ解消時の法的保護(五)●不法行為や犯罪による死亡時の損害賠償請求権など(六)●刑事法上の権利・利益(七)●性同一性障害特例法の非婚要件(八)●外国人パートナーの在留資格・帰化(九)●子を育てる権利(十)●その他家族法上の権利義務(十一)●住宅の確保(一)●勤務先からの手当支給,休暇取得など(二)●生命保険金の受取人指定など(三)●銀行取引など(四)●その他身近なサービス(五)
https://www.dropbox.com/s/smt6kosxwfs3xc0/SHIMIZU_LegalConstruction.pdf
現行制度は結婚すれば、これらの権利と義務がまとめてやってくる。拒否したくてもできない。
逆に結婚しない、できない人は、この権利を受けたくても、受けられない。国家は全部抱き合わせ、一括パックで、国家が指定した有資格者(近親関係にはない、異性の相手)にのみ「これを全部呑むか、ナッシングか、どちらかだ!」と迫る…それって、いいの?同性婚だ近親婚だの前に、それ自体が多様性を制限してないかい??と。
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とはいえ、「この家を自分が死んだらあげたいけど、その手続きがふつうにやると問題が多いから結婚届を出そうか?」という話は、やはり剣呑というか穏当じゃ無さが出てくるし、ひょっとしたらセクシャル・ハラスメントとなり得るかもしれない。(なるのかな?)
では結婚とは何だろうか、と再度考える。
そこで、これは自分の発案じゃなくて、誰かが言ったのを見たのだけど
「結婚とは、仲良しの公認である」、という定義は実に使い勝手がいいのである。
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愛しあってればいいなら、近親でも、一夫多妻でも、子供とでも、ペットとでも結婚していいよね
— 荒木俊三 (@toshizoaraki) February 18, 2023
結婚が単に
「仲良しを公認します」
ということなら全部認めるひとは多いだろう
同性婚が広く認められるには、結婚による保護や義務を一切なくすのが近道じゃないかという逆説https://t.co/0dp5AlJR6Y
更に一歩進んで(進んでるのか後退したのかは見方によろう)、「その相手が自分にとって大切だとの宣言」とすると、AIとの結婚とか初音ミクとの結婚も入る。これまた使い勝手がいい。
しかしだ、おそらくはなえさんは、どうにも世渡り下手で将来が心配なヒロト君に、最低限の生活基盤として、この家を貰ってほしかっただけ(或いはずっと住んでいた愛着あるこの家を、彼によってもっと長く残してもらう、という期待もあったのかもしれない)のようなのだ。
彼にたとえば長患いの時に看病、扶養(世話)してもらうとか、治療法を決定してもらうとか、そうしてもらう気はたぶん無かったわけじゃん。
だから、本当はやはり「パッケージ契約」は良くないんだよ。
だからこそ、長年当方が言ってたように…ここからは一種のSF。
この「仲良し公認」を制度にする…、従来の結婚も同性結婚も、三国志の「義兄弟」も……

一見冗談みたいだけどたとえば桃園の誓いなんて文字ヅラだけみると結婚式の愛の誓いそのものだし
— armagnac (@armagnac13) December 1, 2021
他人が家族になる方法として現在結婚と養子しかないけど、結婚制度をいじって同性婚作るより
「義兄弟」制度を新設する方が早いかもしれないしカバーできる人たちも多いのではないか
と思ったりもする https://t.co/l1Vt6z8GZZ
ひらやすみにあるような「この子が気に入ったから、死んだあとは家を譲るという関係(だけ)を結ぶよ」というようなのもみんなまとめて…新しい制度、「アカチバラチ」でも「あんにゃもんにゃ」でもいいんだよ。
それをぜんぶ役所に届けるようにする。現行の結婚におけるパッケージ契約は、チェックリストに点を打つか打たないかで個別に選択できる(笑)。
そうすれば、「住み慣れた家を死語は、世渡り下手で将来が心配な、仲良しの年下の友人に譲りたい(だけど扶養してもらいたいわけじゃないよ)」みたいなものが、・・・現行法でもがんばれば、「いろいろ大変だけど」可能である。それは同性カップルの諸権利も同じだろう
(この話が、このまえの「同性婚の制度が無いのも違憲ではない」という東京高裁判決に登場したとか)
だが、「色々大変」より「紙1枚を出せばスムーズに受け付けられる」のほうが良くない?
そこには「幸せな人が増えるだけ。誰も損はしない」というお馴染みのフレーズが効いてくる。そして、幸せな人の数は、たとえば現行の結婚制度に「同性カップル」を加えた時の数よりもさらに増えるだろう、数学的には。でしょ?
こんなのフィクションの話じゃん、という勿れ。最後に、もぅひとつ実例を出しておく。
一般社団法人 だんだん会 というところにPDFが公開されている。

もういちど抜粋

ほら、本当の理想は「ひらやすみ」にもつながってるんだよ。
赤の他人---友人、であっても、資産管理や預貯金解約をそのままできれば、それに越したことはなかった。だが、日本のけしからん後進の制度が、それをさせようとしなかったから、やむを得ず結婚か、養子縁組を選んだ。しかも養子縁組のほうが自由度が低いので結婚を選んだ、とはっきり言っている。
上野、いや上のほうで書いた「仲良し公認」制度、アカチバラチでもあんにゃもんにゃでも良いわ、そういう制度があって、そこで「上野千鶴子は色川大吉の資産を管理し、預貯金を解約し、口座を一つにまとめる権利を持つ『仲良し』であると公認された」とあれば、大手をふってそうすることができ、上野千鶴子氏も色川大吉氏も、したくもなかった結婚をする必要はなかったのである。許すまじ日本の家族主義。進んだ先進国で、「家族でなければ、預貯金の解約や口座をまとめるときは名義者本人に確認の作業をさせていただきます」なんてことをする国がほかにあるかっ。(あるかもしれない)
最終回(第20回)は、ヒロト(岡山さん)となつみ(森さん)のもとに山形の実家から段ボールが届いた。その中には、大量の里芋が。そこでヒロトとなつみは芋煮パーティーを開催することに。それぞれ、ヒデキ(吉村さん)とあかり(光嶌なづなさん)を誘う。芋煮用の大きな鍋を探す際に、ヒロトは偶然、はなえ(根岸さん)が遺した白い紫陽花(あじさい)の押し花を見つける。それは、生前はなえがけがをして入院した時、ヒロトがお見舞いに持って行ったものだった……と展開する。
こんなのも過去に書いてたな。「タコピーの原罪」最終回から思考が及ぶという(笑)
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ただ、なぜ「ヒロトよ、家をスムーズに譲るために、あたしとの婚姻届を出すかい?」というシチュエ―ションが剣呑だったり、現行の結婚制度にあらたに加わるのが「同性カップル」”だけ”(この「だけ」が重要よ)なのは、なぜだろうか。
おそらく、結婚には愛、性、すなわち「性愛」が絡むからであろう。
昭和62年9月2日の最高裁大法廷判決は、「婚姻の本質は、両性が永続的な精神的及び肉体的結合を目的として真摯しんしな意思をもつて共同生活を営むこと」
令和4年6月20日の大阪地方裁判所判決も現行法の婚姻を「男女が生涯続く安定した関係の下で、子を産み育てながら家族として共同生活を送り次世代に承継していく関係」
で、なぜ、性や愛が絡むと、それが公の「制度」になり、国が認定しなければいけないのか。
大村敦志という方が端的に書いていた。
大村敦志が『広がる民法1』でしている結婚の説明がスマートな気がするんだよな。
— ヴォルヴィーノ@読書垢 (@dokushoa) February 13, 2023
貞操義務と嫡出推定の意義の説明も出来ているし。 pic.twitter.com/CqCFuJjXTb
ただ、これを認めていいものか、どうか。
(了)
ブクマから一議論。「本来、贈与や相続を簡単にされたら困る」…のだとしたら、なぜ「家族」はその例外なのか?
id:rck10 氏
「ひらやすみ」ドラマ最終回。ついでに「ヒロト君がばーちゃんと結婚してれば、スムーズに家を相続できた」という話から”結婚”を考えてみよう - INVISIBLE Dojo. ーQUIET & COLORFUL PLACE-b.hatena.ne.jp贈与・相続税の必要性や悪用のリスク、再婚した場合の遺留分とか全部無視して「税金とか手続きが減ってやりたい放題出来たらみんな幸せでしょ」ってひどい理屈。本来、簡単に贈与・相続なんてされたら困るんですよ。
2025/12/04 13:08
この議論はたいへんに重要で……もちろん「俺が稼いだ財産だ、誰に継がせようと、おすそ分けしようと何が悪いんでぇ。そもそも贈与税とか相続税はしゃらくさいわ、二重取りだろ!」という意見もあるにはある。
togetter.com
ただその一方で、「誰かが死んで、その財産が誰かに引き継がれるなら、まあ、配偶者とか子ども、親族だよな…当人もそうしたいだろうし、それが正統だろう」というのはナチュラルな感覚だろう。
ひらやすみの一軒家はそうでないから「おっ?」と目を惹くキャッチ―な設定になったわけで。
で、それはなぜか…というと、ごく自然発生的な人間の人情・・・・・と言えば簡単だが、そうであるかどうかはわからない。文化的に構築されたものかもしれない。
また、そこで、親の遺産が子、あるいは「配偶者」に引き継がれるのは、『その枠組みで主に(統計的に主流な形で)子供が生まれ、育ち、いわゆる「再生産」がなされることが多いから、そこを優遇しているのである』と考えると、説明がつきやすい。
では、上の前提が外れる時は・・・・・・何を以て遺産は子や「配偶者(異性でも同性でもいい)」に引き継がれるのが正当となるのだろうか。


