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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 報道、記録、文化のために

立花孝志、という現象を小林信彦「怪物がめざめる夜」は完璧に予言していたのでは…という連想

 斎藤元彦・兵庫県知事らの疑惑を県議会で調査していた元県議の竹内英明さん(当時50歳)を中傷したとして、兵庫県警は9日、政治団体NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)を名誉毀損(きそん)の疑いで逮捕した。立花党首の根拠のない発信がきっかけとなり、交流サイト(SNS)で大量の誹謗(ひぼう)中傷が相次いだとして、竹内さんの妻が今年6月に刑事告訴していた。県警は今後、発言の意図や目的について本格的に追及する。


mainichi.jp

このあともう一段、おそらくは裁判で「結果的には真実ではないかもしれないが、真実と信じるに足る情報だった」という主張するという展開があるのだと思うが、まあ問題なく有罪になるのだろうと、これは推測する。


ときに。4月のこういう増田に、自分はこういうブクマをつけた
anond.hatelabo.jp

じゃあ便乗して予告書くけど、立花孝志現象を小林信彦『怪物がめざめる夜』が予言してると思う次第(いつか書いておきたい)

https://b.hatena.ne.jp/entry/4769013471641977249/comment/gryphon


こんな動きもあったことだし、書いておくか……と思ったのだけど、すまん、実物が本棚から見つからないのよ!よくあることではあるが。
流石に読んだのはかなり前だし、再読しないと詳細は語りにくい・・・・ので記憶のほか、いろんなところの紹介文、書評文から引用したいと思う。

〈ミスターJ〉は、放送作家の私が仲間と創りあげた架空のコラムニスト。この正体不明の男が評判を呼んだとき、私は実在の男にその役割を振りあてた。彼がこれほどの〈怪物〉に育つとは思いもよらずに。深夜放送で若者の苛立ちや鬱屈を代弁してカルト的人気をえた彼は、毒舌で大衆を扇動しつつ、攻撃の矛先を意外な方向にむけ始める……。情報化社会にひそむ恐怖を描く現代の都市伝説。


紹介文だけでいかにも、でしょ?現代の都市伝説、か…

読書メーター

bookmeter.com
NORA
放送作家たちが作り上げたインフルエンサーがしだいに暴走し、大衆を扇動し始めるサスペンス。本書が書かれたのは、インフルエンサーという単語はおろか、まだインターネットすら一般化されていない時代。にもかかわらず、このリアリティは何なのだろう。何なら、この本で起きた出来事に限りなく近い「事件」を、われわれはつい最近目撃したはずである。インフルエンサーそのものなど大した存在ではない。真に恐るべきは、暇つぶし感覚の悪意の集合体。小林信彦の先見性に唸らされるとともに、「予言通り」になってしまった未来に絶望させられる。


Tetsuya
30年前の作品かあ、と思わず息が漏れる。まだ〈ストーカー〉という言葉も一般的ではなかった「情報化前」とは思えないほどの想像力と描写力。 主人公が自分自身の行動を反省しないことだけ違和感を感じた。怪物がメディアやその構造自体だとすれば、もし現代であれば、メディア・構造を作り出したクリエイター自身にも反省を求めるだろう。 もちろん、30年前の作品にそこまでの深掘りをもとめることは無粋かもしれない。実際、メディア・構造それ自体に対する洞察は今現在でも十分に通用するほど的確なのだから。



GORIRA800
ラジオが怪物をつくってしまう話ですがこれは現代でもメディアをかえれば通用する話であります 人間によってつくられた情報の塊、それは世に出てしまうと場合によっては人間では抑えられない怪物になってしまいます 情報化社会が進んだ今、これからどんどんこーいう形のない怪物が生まれてくる現象は増えていく、これからのメディアのあり方が問われる気がした

読書メーターはしってたがブクログというのもある

……社会のあらゆる局面で起こる人間関係=力関係の逆転は別にめずらしくもないけれど、その人物を怪物と化した思わせるのはラジオ放送(メディア)を通して相対して聴くリスナーの心理を掌握(操作)を可能とする危険=恐さにある。
 怪物とその生みの親との関係は『フランケンシュタイン』のそれとも相似する。映画『イヴの総て』『トーク・レディオ』なども連想された。
 作中語り手がこぼす人物評・・人間観というかその才能のかたち(在り方)を洞察する部分は鋭さ(説得力)を感じさせた。怪物と化した神保へののめりこみ・・愛憎半ばする思い・・その才能に惹かれ断ち切れないでいる心境はうまく終幕の場面にあらわされている・・苦い目に遭ったもののためらいつつもまた違った才能に惹かれる(発掘する)という業界人の性(?)。
booklog.jp

放送作家や新聞記者、ラジオ局スタッフなど四人が共同で、ラジオDJにして風刺の効いたコラムも書く「ミスターJ」というキャラクターを作り上げる。、その実像を演じる役を与えられた芸人が、いつしかキャラクターを乗っ取り、ミスターJそのものとなり、カリスマ性を帯びていく。リスナーを扇動し、ブレーンだったはずの四人を攻撃させる。そして、恐ろしい結末が待っている・・・・。

これが書かれたのは1993年だというから驚いてしまう。当時はまだパソコン通信くらいしかなかった。ミスターJはパソコン通信掲示板を使ってファンに攻撃対象の電話番号を知らせる。そこから大量のファクス、嫌がらせ電話、注文した覚えのない大量の出前などの攻撃が始まる。まだ一般的でなかったストーカーという言葉がすでにこの本には登場している。

鬱屈した精神を持つ扇情的な人間が、一定の脚光を浴びる舞台を与えられたところから大衆を煽り、いつしか大きな力を持つようになる・・・・って、これ、私、知ってるわ、と思う。あの人だ。この小説は、彼の登場を予言していたのか?とちょっと思ってしまう。

小林信彦は見巧者だ、と言われる。まだ誰も発見していない芸人を見つけるのがうまい。それと同じように、先を見る目があるのだろう

sawaki-book-diary.net


なんかみんな、「現在の現象との共通点」を真っ先に連想してるな。俺のこの記事、そんなに非凡な視点じゃなかったか、とちょっとがっかり…だがいつものことなので気にしない。

ま、これぐらいで十分だろう。今回の事件をきっかけに、というと不謹慎な感じでも出てくるが、そういう問題をきっかけに小林信彦「怪物がめざめる夜」をお勧めする次第です。版元もそういう宣伝すればいいのに。



自分は「情報独り歩きもの」「ごっこ遊びがリアル化するもの」の定番として、いろんな作品のひとつとしてこれを位置付けている

何度もかいている話なんだが、なぜか自分はこういうのが本当に昔から好きで、単純な暴力的犯罪とか、幽霊とか、凶悪な殺人とかより、この「情報が独り歩きしていく事件」のほうが怖いし、興味を持っていた。
これ、なんなんだろうかな、と思ったが「口裂け女」体験かもしれない。
口裂け女はただの「怖い話」だがかなり大騒ぎとなったので「これは『うわさ』とか『デマ』とか『都市民俗学』(※当時そういう言葉は無かったろうが)というべきものであり、そういうものが拡散していくのである」という解説も新聞やテレビにちょっと載ってた。それを口裂け女情報として背伸びして読んで、なんか子供の理解力でもちょっと断片的に判って、その結果こういうジャンルに興味をもった…というと、なるほど自分でも納得がいく。



まあそれはそれとして、「立花孝志の栄光と没落」も、このようなストーリーに位置づけて、たとえばドラマ化され得るかもね、と。

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めちゃくちゃ低予算でドラマ化(舞台化)できそうなんだけど、どこか映像化に手を挙げる所はない?という話

2017年にも書いてたか



まあ、当時…8年前とくらべても、ラジオの地位は沈み、youtubeが取って代わる時代だけど、だからこそいまラジオリスナーは先鋭化し、忠誠を深め「面構えが違う」やつらばかりになったから、むしろあり得るかも……


で、だれがコラムニスト(の代役)からラジオのカリスマになった「J」を演じるのか?といえば、やはりお笑いで第一線に出たけど、鬱屈を抱えた感じの若手とかを抜擢するのがいいのですかね。

だれかいますかね。




ここから連歌のように「なら西村京太郎『盗まれた都市』は維新台頭のシミュレーション…」と




さらに感想から…湊かなえ「白雪姫殺人事件」とか、小林氏が93歳になるとか


ja.wikipedia.org
小林 信彦(こばやし のぶひこ、1932年12月12日 - )は、日本の小説家、評論家、コラムニスト。中原 弓彦(なかはら ゆみひこ)の筆名も用いた。早稲田大学第一文学部英文学科卒業。血液型B型。

…2017年4月、自宅で脳梗塞を起こし、急遽入院するが、左半身不随となる。リハビリをして退院したが、その後の二度の左足の骨折のために、再入院・再々入院を余儀なくされた。その入院体験記を『週刊文春』に連載し、2019年3月に『生還』として刊行した。