斎藤元彦・兵庫県知事らの疑惑を県議会で調査していた元県議の竹内英明さん(当時50歳)を中傷したとして、兵庫県警は9日、政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)を名誉毀損(きそん)の疑いで逮捕した。立花党首の根拠のない発信がきっかけとなり、交流サイト(SNS)で大量の誹謗(ひぼう)中傷が相次いだとして、竹内さんの妻が今年6月に刑事告訴していた。県警は今後、発言の意図や目的について本格的に追及する。
このあともう一段、おそらくは裁判で「結果的には真実ではないかもしれないが、真実と信じるに足る情報だった」という主張するという展開があるのだと思うが、まあ問題なく有罪になるのだろうと、これは推測する。
ときに。4月のこういう増田に、自分はこういうブクマをつけた
anond.hatelabo.jp
じゃあ便乗して予告書くけど、立花孝志現象を小林信彦『怪物がめざめる夜』が予言してると思う次第(いつか書いておきたい)
https://b.hatena.ne.jp/entry/4769013471641977249/comment/gryphon
こんな動きもあったことだし、書いておくか……と思ったのだけど、すまん、実物が本棚から見つからないのよ!よくあることではあるが。
流石に読んだのはかなり前だし、再読しないと詳細は語りにくい・・・・ので記憶のほか、いろんなところの紹介文、書評文から引用したいと思う。
〈ミスターJ〉は、放送作家の私が仲間と創りあげた架空のコラムニスト。この正体不明の男が評判を呼んだとき、私は実在の男にその役割を振りあてた。彼がこれほどの〈怪物〉に育つとは思いもよらずに。深夜放送で若者の苛立ちや鬱屈を代弁してカルト的人気をえた彼は、毒舌で大衆を扇動しつつ、攻撃の矛先を意外な方向にむけ始める……。情報化社会にひそむ恐怖を描く現代の都市伝説。
紹介文だけでいかにも、でしょ?現代の都市伝説、か…
bookmeter.com
NORA
放送作家たちが作り上げたインフルエンサーがしだいに暴走し、大衆を扇動し始めるサスペンス。本書が書かれたのは、インフルエンサーという単語はおろか、まだインターネットすら一般化されていない時代。にもかかわらず、このリアリティは何なのだろう。何なら、この本で起きた出来事に限りなく近い「事件」を、われわれはつい最近目撃したはずである。インフルエンサーそのものなど大した存在ではない。真に恐るべきは、暇つぶし感覚の悪意の集合体。小林信彦の先見性に唸らされるとともに、「予言通り」になってしまった未来に絶望させられる。
Tetsuya
30年前の作品かあ、と思わず息が漏れる。まだ〈ストーカー〉という言葉も一般的ではなかった「情報化前」とは思えないほどの想像力と描写力。 主人公が自分自身の行動を反省しないことだけ違和感を感じた。怪物がメディアやその構造自体だとすれば、もし現代であれば、メディア・構造を作り出したクリエイター自身にも反省を求めるだろう。 もちろん、30年前の作品にそこまでの深掘りをもとめることは無粋かもしれない。実際、メディア・構造それ自体に対する洞察は今現在でも十分に通用するほど的確なのだから。
GORIRA800
ラジオが怪物をつくってしまう話ですがこれは現代でもメディアをかえれば通用する話であります 人間によってつくられた情報の塊、それは世に出てしまうと場合によっては人間では抑えられない怪物になってしまいます 情報化社会が進んだ今、これからどんどんこーいう形のない怪物が生まれてくる現象は増えていく、これからのメディアのあり方が問われる気がした
……社会のあらゆる局面で起こる人間関係=力関係の逆転は別にめずらしくもないけれど、その人物を怪物と化した思わせるのはラジオ放送(メディア)を通して相対して聴くリスナーの心理を掌握(操作)を可能とする危険=恐さにある。
怪物とその生みの親との関係は『フランケンシュタイン』のそれとも相似する。映画『イヴの総て』『トーク・レディオ』なども連想された。
作中語り手がこぼす人物評・・人間観というかその才能のかたち(在り方)を洞察する部分は鋭さ(説得力)を感じさせた。怪物と化した神保へののめりこみ・・愛憎半ばする思い・・その才能に惹かれ断ち切れないでいる心境はうまく終幕の場面にあらわされている・・苦い目に遭ったもののためらいつつもまた違った才能に惹かれる(発掘する)という業界人の性(?)。
booklog.jp
放送作家や新聞記者、ラジオ局スタッフなど四人が共同で、ラジオDJにして風刺の効いたコラムも書く「ミスターJ」というキャラクターを作り上げる。、その実像を演じる役を与えられた芸人が、いつしかキャラクターを乗っ取り、ミスターJそのものとなり、カリスマ性を帯びていく。リスナーを扇動し、ブレーンだったはずの四人を攻撃させる。そして、恐ろしい結末が待っている・・・・。
これが書かれたのは1993年だというから驚いてしまう。当時はまだパソコン通信くらいしかなかった。ミスターJはパソコン通信の掲示板を使ってファンに攻撃対象の電話番号を知らせる。そこから大量のファクス、嫌がらせ電話、注文した覚えのない大量の出前などの攻撃が始まる。まだ一般的でなかったストーカーという言葉がすでにこの本には登場している。
鬱屈した精神を持つ扇情的な人間が、一定の脚光を浴びる舞台を与えられたところから大衆を煽り、いつしか大きな力を持つようになる・・・・って、これ、私、知ってるわ、と思う。あの人だ。この小説は、彼の登場を予言していたのか?とちょっと思ってしまう。
小林信彦は見巧者だ、と言われる。まだ誰も発見していない芸人を見つけるのがうまい。それと同じように、先を見る目があるのだろう
なんかみんな、「現在の現象との共通点」を真っ先に連想してるな。俺のこの記事、そんなに非凡な視点じゃなかったか、とちょっとがっかり…だがいつものことなので気にしない。
ま、これぐらいで十分だろう。今回の事件をきっかけに、というと不謹慎な感じでも出てくるが、そういう問題をきっかけに小林信彦「怪物がめざめる夜」をお勧めする次第です。版元もそういう宣伝すればいいのに。
自分は「情報独り歩きもの」「ごっこ遊びがリアル化するもの」の定番として、いろんな作品のひとつとしてこれを位置付けている
何度もかいている話なんだが、なぜか自分はこういうのが本当に昔から好きで、単純な暴力的犯罪とか、幽霊とか、凶悪な殺人とかより、この「情報が独り歩きしていく事件」のほうが怖いし、興味を持っていた。
これ、なんなんだろうかな、と思ったが「口裂け女」体験かもしれない。
口裂け女はただの「怖い話」だがかなり大騒ぎとなったので「これは『うわさ』とか『デマ』とか『都市民俗学』(※当時そういう言葉は無かったろうが)というべきものであり、そういうものが拡散していくのである」という解説も新聞やテレビにちょっと載ってた。それを口裂け女情報として背伸びして読んで、なんか子供の理解力でもちょっと断片的に判って、その結果こういうジャンルに興味をもった…というと、なるほど自分でも納得がいく。
まあそれはそれとして、「立花孝志の栄光と没落」も、このようなストーリーに位置づけて、たとえばドラマ化され得るかもね、と。
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めちゃくちゃ低予算でドラマ化(舞台化)できそうなんだけど、どこか映像化に手を挙げる所はない?という話
2017年にも書いてたか
このへんからつながっていくのかなあ。
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) September 11, 2017
youtuber的な、無数の大衆の無意識の悪意や羨望、崇拝を集め、それを活用して壮大な悪となる、という点では、個人的に映画化希望No1の小説、小林信彦「怪物がめざめる夜」を思い出したりもするけど、そうすると筒井康隆の疑似イベントもひっくるめる
中津がアンテナ役としてその意見を拝聴している感度の高い方々が、ここ3年の人読書として必ず『怪物がめざめる夜』を上げてくるなぁ。実写化了解、ちょっと考えてみる。
— 中津宗一郎@ライトノベル大全/名作ラノベ500選 (@nakatsu_s) 2017年9月11日
まあ、当時…8年前とくらべても、ラジオの地位は沈み、youtubeが取って代わる時代だけど、だからこそいまラジオリスナーは先鋭化し、忠誠を深め「面構えが違う」やつらばかりになったから、むしろあり得るかも……
で、だれがコラムニスト(の代役)からラジオのカリスマになった「J」を演じるのか?といえば、やはりお笑いで第一線に出たけど、鬱屈を抱えた感じの若手とかを抜擢するのがいいのですかね。
だれかいますかね。
ここから連歌のように「なら西村京太郎『盗まれた都市』は維新台頭のシミュレーション…」と
そういうことだと、西村京太郎先生『盗まれた都市』は維新その他の抬頭を予見している。取り残された地方都市民に「敵」を作り憎悪を煽って拡大してゆく。奇想の人だった西村先生はまだ不可能だった部分を空想で繋いでゆき、それが当時の推理小説観からは評価しにくかったが、だからこそ未来を見られた https://t.co/jUC1dxDAOK pic.twitter.com/jFE3k0sQf2
— 芦辺 拓 (@ashibetaku) November 10, 2025
へえ!こんな作品、教えてもらわなければ一生知らなかったわ!多作かつ、代表作が有名すぎる作家は「埋もれた他の傑作」が隠れがち案件。
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) 2025年11月10日
>西村京太郎先生『盗まれた都市』は維新その他の抬頭を予見している。取り残された地方都市民に「敵」を作り憎悪を煽って拡大…https://t.co/P0L6ov96eL
さらに感想から…湊かなえ「白雪姫殺人事件」とか、小林氏が93歳になるとか
ホラー小説として読んでしまったけれど、「彼」のモデルは北野武かなと思ったりしていました。当時、FAX、今、twitter。かなり、「怪物」が増殖しています。配信者という。(;^_^A https://t.co/k1pxlo0eCA
— maru@mixi (@marumixi) November 10, 2025
たけしがギラギラしながら成り上がっていく様をブラウン管越しにも業界のがわからも見続けた「時代観察者」ですからね
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) 2025年11月10日
お返事ありがとうございます。^^
— maru@mixi (@marumixi) 2025年11月10日
何せ、昭和初期のエノケンロッパを舞台で見て黒澤明の処女作「姿三四郎」を小学生の頃から見ている方ですから。膨大な「時代観察者」の記録は公開して頂きたいですね。^^
12月で、御年93歳になられるとか。
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) 2025年11月10日
数年前まで本を出されていたのですが、いま現在のご近況、ご体調も気になる所です。https://t.co/Ng3nz9p9to
以前、NHKに細野忠臣さんと出演された時は右半身が不自由な感じがしましたが、是非、小林信彦版「瘋癲老人日記」は完成して頂きたいです。<(_ _)>
— maru@mixi (@marumixi) 2025年11月10日
ja.wikipedia.org
小林 信彦(こばやし のぶひこ、1932年12月12日 - )は、日本の小説家、評論家、コラムニスト。中原 弓彦(なかはら ゆみひこ)の筆名も用いた。早稲田大学第一文学部英文学科卒業。血液型B型。…2017年4月、自宅で脳梗塞を起こし、急遽入院するが、左半身不随となる。リハビリをして退院したが、その後の二度の左足の骨折のために、再入院・再々入院を余儀なくされた。その入院体験記を『週刊文春』に連載し、2019年3月に『生還』として刊行した。
よくも悪くもメディアが「電波(免許事業)」と「出版物印刷及び流通」という大前提があった時代、その絶対数には制限がかかります。
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) 2025年11月10日
だれもが発信できる、小説発表時から見ればSFのような、夢の時代。「怪物」の絶対数の増殖は予測されていたか…https://t.co/q2FWut5rBl pic.twitter.com/F4hdNMgiut
誰かが「怪物」の事を書けば良いのにと思いますが、「怪物」はスマホの中の大多数のオーディエンスと交じり合っているから。湊かなえ「白雪姫殺人事件」はそういうオーディエンスが怪物になった時を描いていて。
— maru@mixi (@marumixi) 2025年11月10日
夢は悪夢の側面もありますね。(;^_^A
へえ、作品名をメモ
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) 2025年11月10日
いやぁ、凄い作品ですよ。^^
— maru@mixi (@marumixi) 2025年11月10日


