1か月ほど前に読んだのだが、まさかそれがこんなに早く「再現」されるとは思わなかった
壁を壊した男 1993年の小沢一郎 Kindle版
城本勝 (著) 形式: Kindle版
手に汗握る政治ノンフィクション!
1993年は、日本の政治史において最も激動の年であった。
「東京佐川急便事件」に端を発した「政治とカネ」の問題や自民党の竹下派を中心とする派閥争い。バブルがはじけ始めた経済への対応。混迷する政治に世論の不信感は大いに高まっていた。世界からはベルリンの壁とソ連の崩壊、東西冷戦の終結という“外圧”も押し寄せていた。
そんな激動の波は、永田町にいた一人の男を突き動した。小沢一郎である。
政界で既に実力者として知られていた小沢は、同志の羽田孜らと共に自民党を離党し、政権交代を起こすべく、水面下で動きを加速させていった。
しかし、小沢の前にはいくつもの障壁が立ちはだかった。親小沢か反小沢という心理的な壁、選挙制度改革をはじめとする政策の違いという主義主張の壁、あるいは与野党という敵味方の壁――。小沢は前進と後退を繰り返しながら、非自民からなる細川護熙政権を誕生させた。「五五年体制」という最も強固な壁をぶち壊したのだ。
そんな最も政治が熱かった「1993年」という1年を駆け抜けていった小沢ら政治家たちの姿を描いていく。そして「1993年の小沢一郎」を通して、現代の日本政治が再びダイナミズムを得るためのヒントを探す。
ちょっと、というか状況は大いに違うが
・過半数を与党が割り込む
・ただ、ひと固まりで過半数を取った野党勢力もいない。野党がほぼすべて集結して(共産は無理)初めて政権交代が起きる
・中間でそこそこの議席を取った政党は、選挙前からの従来与党とむしろ政策が近く、連立に色気を見せている党幹部も多い
・そいつらに巨大な餌をぶら下げる。「首相の椅子は貴方にゆずる。だから自民党との連立でなく、野党でまとまって政権をとろうず!」
となるか、どうか。それが成功するか。それは筋が通るのか、政策は共通するか。
そして実際、あなたは「馬場伸幸首相」や「玉木雄一郎首相」「山本太郎首相」に納得できるか。(比較級よ?「石破茂首相」あるいは「野田佳彦首相(二度目)」との比較。)
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— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) October 26, 2024
に関連し【質問】
・自公過半数割れ、野党連立政権の条件として「維新・馬場伸幸か国民民主・玉木雄一郎が首相候補(1993年の細川護熙のように)」
なら
「石破茂政権の継続」と二者択一でどちら?
(※共産・れいわ・社民・参政の首相候補は、各種の関係で非想定です)
・・・・・・・・そんなことを考えるのに、まぁ参考にはなる本だった。著者は元NHK記者。
政治史、現代史ノンフィクションとしては…まぁ文章などもふくめてそこそこ………AではなくA’ぐらいかな、というのは個人の好み。
「小沢一郎」に、当時の彼に、そういう巨大な仕事を成し遂げた迫力や実績は確かにあったのだろうが、人間的な深みや魅力をあまり感じないのがネック。(それは本人の責任か書き手の責任かはわからぬ。)
ただ、やはり生の迫力というものはあるし、記者の個人の取材体験談部分はデティールが凝っていて面白い。
時々、複雑怪奇な政治状況を解説してくれるメンターが、酒場での民社党の重鎮、なんてのはいかにもらしかった。