それにしても感心させられるのは、「室町時代」なんてマイナーな時代を専門にする学者に、二年間にわたって誌面を提供することを許している「週刊文春」の寛大さである。
近頃は知名度もあがってきたが、それでもたぶん「室町時代」は日本史上、一番人気がない時代ではなかろうか。
都の路上でバクチにカツアゲ、大乱闘!
殺人事件が起きても、お上はスルー。500年前の日本社会は、いまとまったく違っていた!
しかし一方では……、
ホームパーティーの費用はワリカン。
新興宗教の教祖さまは有料でお悩み解決。人間、500年経っても、あまり変わっていなかった!
ホームレスから豪商への大出世もあるような、ダイナミックな社会に生きる人々は、何を考え、どんな暮らしをしていたのか。
室町から戦国時代までの中世社会を専門に研究している著者が、身近な題材を手がかりに、やさしい語り口で解説。
また、足利義満の意外な素顔、家康が隠しておきたかったルーツ、伊達政宗「ずんだ餅伝説」の虚実など、読めばビックリ、目からウロコの日本史エッセイ。ま、ほかのところからこういう本も出してるけどね
日本人は昔から温和なんて大ウソ! 盗みは即死刑、僧侶はデスノートで武士を呪い殺し、ゲス不倫には家を襲撃して破壊。暗殺、切腹、えげつない悪口……。私たちが思い描く「日本人像」を根底から覆す、荒々しく図太く、自由に生きる室町人たち。現代の倫理観とは程遠い中世という“異世界”を知り、常識に囚われがちな私たちの心を解放する! メディアで話題沸騰‼「室町ブーム」の火付け役による痛快・日本史エンタメ!
【文庫特別収録】「余話 室町ピカレスク」「歴史は民衆によって作られる 対談 ヤマザキマリ×清水克行」
後藤正文さん(ASIAN KUNG-FU GENERATION)
「日本の伝統」というステレオタイプを破壊する、痛快な読書体験でした。
赤江珠緒さん(フリーアナウンサー)
ご先祖様たちは、想像以上に、生命力剝き出しに、抜け抜けと逞しく生きていた!
楠木建さん(一橋ビジネススクール教授)
浅薄な「ダイバーシティ論」に飽きたらない人々に本書を薦める。
このブログ的には「ずんだ餅は伊達政宗の発明か」をめぐるテレビ局とのやりとりを紹介して話題になったあと、連載自体を紹介する記事を書いたり「平和喪失刑」について紹介したりしたっけ。
しかしそれ以外にも、おもしろ話が多数あって、紹介しきれてないんだよな。資料は保存しているが、単行本で買い直しちゃおうかな