画像をコピペする意味について、再掲載。
……自分は直接、句集や詩集を読むことはほとんどない。だが、歴史の本を中心に、名句、名歌は突然引用されるものだ。あるいは芸術的には取るに足りない句も、その事件や人物に関わっていると重要な意味を持ったりもする。
そういう時、「遭ったらすぐに捕まえて保存する、忘れないように」というポケモン的なムーブが必要だと、経験で教わった。
当然上もある。
佐久間象山 「獄中写懐二首」の二
【メモ】
4行目冒頭は「ピョートル」、5行目冒頭は「ワシントン」と読む。どちらもロシア、アメリカの言い換え・擬人化。
「屈辱的な不平等条約を恥と思わず、忠義の士を疑う。外国の脅威が迫っている。軽んじる場合ではない。だれがこの陰謀を打ち破るのか。牢獄で血を滴らせ記す」
村上仏山「観調農兵」
【メモ】
だいたい素直に読めばわかるか。最後は「高官たちよ、漫然と低い身分の人を嘲るのをやめなさい。昔から、俊英は村々から出てきたのだから」
頼山陽「壇浦行」
【メモ】
だいたいは情景描写だが、オチの意味がすごい。「平家の怨霊よ、哭くのはもうおよし。聞いてないのかい、源氏も犬や豚の畜生の如く身内で争って、いまやその家は絶えてしまったのだから…」
森田桂園「航米雑詩」
【メモ】
作者は遣米使節団のひとりだが、帰国翌年に病没。この詩だけが一種の遺産となった。
「施設の行列を観に人々が押し合いへし合い。町は車が行き交い、人の肩と肩がぶつかる巨大都市だ。しかし巨大な城壁などはない。人心は共和政治を支持しているのだから」
こうやって臆面もなく張れる理由の一つは、これらの漢詩そのものはすべてパブリック・ドメインだから、ということもある。
しかし、たとえば本当にPCに複写しようとしても、どこから引っ張ってきたらいいのかわからない珍しい漢字の多いこと。
それに読んでいくと故事の引用など、解説無しではさっぱりお手上げの部所が必ずある。じゃあ解説も引き写したいところだけど、そっちはごにょごにょ……。もちろん丸々引き写しできないので、こう、要点だけ。
数点で済むと思ってたけど、いくつかまだ傑作というか、歴史的な価値のあるものがあった。機会あれば。