【小説】ーーーーーーーーー
JR両国駅を降りる。
そこの、ところどころに、大きく描かれた、漢詩の一節。
「海を蔽うて来る者は何の賊ぞ 蒙古来る、北より来る。東西次第に呑食を期す」
「蒙古来る、吾は怖れず」
「敵を斫(き)って 顧みるを 許さず」
「恨む可し 羶血をして尽 く日本刀に膏らしめざりしを」
作者は、近代以前の日本で屈指の詩人であり、その影響力も文化的価値も極めて高い。
うたう内容も、防衛戦争であり、敵とみなすのはあくまでも、襲来した軍事的脅威のみである。
さてしかし……わたしは腕を組み、ウームと考え込んだ。
でかでかと、ここで その詩句を ピックアップすべきものか、どうか。その駅で。
・・・・・・・・と考えはじめたところで、はて電車内での、うとうとから目が覚めた(夢オチ)。
以上、この「夢」は
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を読んだがゆえかもしれぬ。これをちょっと舞台背景を変えてみたら、という趣向でした。
実は、もうひとつ案があって、
北朝鮮・金王朝による日本人拉致被害を訴えるために
東京の駅のあちこちに、高名な文学者であり、東京都知事も長年務められた石原慎太郎氏の拉致問題に関する発言がキャッチフレーズとして飾られている光景……、というのをやはり夢オチ仕立てで語る、というのを考えたのですが、これを描写するとちょっと面白すぎる風景になるのでやめた(笑)