後の時代の吟遊詩人「勇者ヒンメルと常に共にあった美しきエルフ、その名はフリーレン。今宵は、生きる世界が違うからとヒンメルの愛を拒み続けたフリーレンがたった一度だけその愛を受け入れたお話でございます」
— 垂木いすゞ (@Isuzu_T) January 17, 2024
フリーレン「なんか実態とはかけ離れた話が流行っているな……」
後の時代の童話作家「ゆうしゃヒンメルにこらしめられた魔族はもうしませんと涙を流して言いました。ヒンメルは許しましたが、しばらくすると魔族はまた悪さを始めました。ヒンメルは魔族を殺し、悔い改める心のないものは罪深く、また哀れであると嘆きました」
— 垂木いすゞ (@Isuzu_T) 2024年1月17日
フリーレン「おおむね正確」
後の時代の軍人「この新兵器には勇者の伝説にあやかって名前をつけよう」
— 垂木いすゞ (@Isuzu_T) 2024年1月17日
フリーレン「人間同士で殺し合うときにヒンメルの名前が使われるのは不愉快だね」
後の時代の軍人「装甲で敵の弾を跳ね返し、砲で敵の陣地を吹き飛ばすことから……こいつはアイゼンだ!」
フリーレン「だいたいあってる」
後の時代の酒造メーカー「新発売、ハイター」
— 垂木いすゞ (@Isuzu_T) 2024年1月17日
フリーレン「ついに君の名前が酒の名前になったよ」
後の時代の酒造メーカー「女神様はいずこにおわすか知りませんが、酒は常に傍らにあって我らを救い給う」
フリーレン「ついに君のカスみたいな酒ポエムが古典として引用されるようになったよ」
後の時代の軍人「新型アイゼンを開発したぞ」
— 垂木いすゞ (@Isuzu_T) 2024年1月17日
フリーレン「アイゼン、兵器の一般名称として完全に定着してしまったみたいだね」
後の時代の軍人「ヒンメルアイゼンと名付ける!」
フリーレン「ヒンメルアイゼン」
後の時代のゲームメーカー「新発売! ヒンメル電鉄!」
— 垂木いすゞ (@Isuzu_T) 2024年1月17日
フリーレン「ヒンメル伝説もなかなか面白かったけど、そこから電鉄とはまた飛んだ発想だね」
後の時代のゲームメーカー「プレイアブルキャラにアウラ登場!」
フリーレン「アウラ、カード全部捨てろ」
後の時代の料理人「これがうちで自慢のアイゼンさ!」
— 垂木いすゞ (@Isuzu_T) 2024年1月17日
フリーレン「ヒンメルと比べてアイゼンの一般名詞化が激しい」
後の時代の料理人「外はカリカリ、中はもっちりふわふわだ」
フリーレン「うん。このアイゼンは美味しいね」
後の時代の村人「これはハイター様のほこらです」
— 垂木いすゞ (@Isuzu_T) 2024年1月17日
フリーレン「この辺りには結構ハイター信仰が残ってるんだよなあ。魔王を倒したものではなく、民衆の救済者としての伝説が」
後の時代の村人「ハイター様が地面を杖でつくとたちまち酒の泉が湧き……」
フリーレン「なにやってたんだここで」
感想。
この連ツイが秀逸なのは、後世に悲恋話が脚色されたり、子供向けに単純なお話になったり、現実には適当に言った言葉の断片が深い箴言として扱われたり、名前が兵器や一般名詞に変化したり……という物語変化の類例が、確かに「あるある」な普遍性、共通性を持つものであることが大きい。
そして、この前までネット公開されていた第120回「虚像の英雄」に、うまく連動、連結していることも注目した理由のひとつ。
「でもそれでいいんだよ
ここに悪い人は誰もいないんだ」「たとえ原型が無くなろうとも
この人たちはヒンメルが救った世界を
称えてくれているんだ」
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