最近海外でスパー中の脳卒中報告が増えてます。以前もお伝えしましたが、ニッチ過ぎて研究が無いため有志の医師柔術家が50くらいの道場を対象に調べた結果、スパー中に発症した例を数件確認。格闘技やってない人との有意差は確認出来ませんが、お医者の中には「頸動脈を狭める行為は全て脳卒中の危険因…
— 岩井洋一(柔術新聞&ジャズギター) (@busujiujitsu) December 14, 2023
「昔ながらの臨床医の中には聴診器で頸動脈を徹底的に調べる人もいる。 脳卒中プロトコルCTでは血管狭窄も調べる。 頸動脈を狭めるものはすべて脳卒中の危険因子になると私は思っている。 血管の裂傷は主原因ではあるのだが、裂傷がないからといって血栓が形成されないわけではない」医師柔術家
— 岩井洋一(柔術新聞&ジャズギター) (@busujiujitsu) 2023年12月14日
おじさん絞めてたら、半身効かなくなってぶっ倒れられたらトラウマでしょうねー
— 岩井洋一(柔術新聞&ジャズギター) (@busujiujitsu) 2023年12月14日
元々S&Cトレーナー間で知られていたのは、この若い黒帯がRNC最中に症状を発し、重症となってしまった事例。「ブラジリアン柔術」なんて医療者間でほとんど知られていなかったため、貴重なサンプルだったそうです。https://t.co/bH2pVD5FAC
— 岩井洋一(柔術新聞&ジャズギター) (@busujiujitsu) 2023年12月14日
こちらは練習中に脳卒中になった医療関係者2名が意気投合し、医学博士と協力して同様の症例を収集&生存者へのインタビュー等を通して症例の啓蒙活動している人のブログです。数件じゃなくて65件でした。https://t.co/ruubssZBwe
— 岩井洋一(柔術新聞&ジャズギター) (@busujiujitsu) 2023年12月14日
https://twitter.com/busujiujitsu/status/1735303898783731735
「練習で手足の感覚が無くなったり、激しい頭痛、平衡感覚の喪失等の症状が出たらすぐに病院に行って下さい。その際大切なのは『ブラジリアン柔術とは、月に21日ほどお互いの首を絞め、圧迫し、剪断し合う競技』である事をしっかり医師に伝える事です。医師の多くはBJJなど知らずカラテと混同し、また…
— 岩井洋一(柔術新聞&ジャズギター) (@busujiujitsu) December 14, 2023
最初に特筆すべきは、けっきょく最終的に「有意差」が無いとなんとも言えない、という一般論。テレビを見てたって脳卒中は発生するわけで、それが柔術スパーの間に起きてもおかしくない。それにもちろん柔術スパー中に起きたとして「それが絞め技を伴う競技で、練習中に頸動脈が圧迫されたことが関係しているか」と「単純に、激しい運動であるからか(マラソン水泳と同様)」も調べないことにはわからない。
だから、仮にスパーで、絞め技の攻防のあとに脳卒中が発生する事案があっても、なかなか断定的にあれこれはいえまい。
自分が上のツリーにつけた感想レスは
十数年前に出た中山健児ドクターの本『ドクターストップ!』では「殴られて意識を失うKOは、後遺症もあるようだし、それも含めて未知の部分が多い。絞められての失神は症例上は、とりあえず後遺症がほぼ無い」との結論でしたが、後の研究で覆るには十分な時間ですしね…https://t.co/vCA031x92d
— Gryphon(INVISIBLE暫定的再起動 m-dojo) (@gryphonjapan) 2023年12月14日
この本はたいそう面白く参考になったのだけど、そのときに「(打撃での)KO負けの後遺症に気をつけろ。まだ未知の領域だ」という文脈で、対比させるように「絞められて落ちる場合は(打撃と違って)後遺症の症例はほとんどない。機械で言えばいきなり電源が落ちるのと、ちゃんと手順を踏んで電源を切るぐらいの違いがある」みたいなことを書かれていたんだ。
とはいえ、まさにその打撃のKO負け…というか「脳震盪」自体にパラダイム転換が起き、ボクシングや総合、柔道だけじゃなく、ラグビーやバスケなどにおいても「脳震盪から回復して意識が戻った…大丈夫か?まだいける!よし行ってこい、それが根性だ!!」が美談だった時代から強制的に1週間ぐらいは出場禁止になる制度が確立された。
この制度が各競技でいつから導入されたかで、医学知見の進歩の歴史もわかるだろうけど、それは手に余るので省略。ここ十数年の話だよね?
というか、うちのブログで「脳震盪」が出てくるのは殆どその話題だ。
m-dojo.hatenadiary.com
・脳震盪というのは見た目的には、たしかにそこから復帰したら、まったく元に戻っているように見える。
・なので、脳震盪から復帰してそのまま試合や練習を続ける、次の試合や練習にも出る、それが根性だ!…というのが、ほぼ全競技で行われていた
・だが脳震盪は外から見た以上に危険な状態、その後も含めて…という新しい知見が2000年代になって積み重なった
・下手したらそれは不可逆的なものかもしれない…との研究まで(どうなったんだろうこれ?)
・それによってアメフットの世界では、大規模な集団訴訟まで発生した
・2014年に羽生結弦が練習中に他の選手とぶつかって脳震盪になった時、そのまま大会本番にも出たことは大きな議論を呼んだ。
・今では高校柔道やラグビーなどでは「脳震盪になった選手は(たとえばチームが勝ち進んでも)もうそこから出られない」と明文化されている。
そういう展開を目のあたりにしているので、今後の研究の結果「やはり絞め技ありの練習や試合は、脳卒中のリスクが高まると判明しました!」となったら、まあそれはそれで仕方ないし、あるかもしれないしないかもしれない、ということでいいのかと思う。
その場合は、おじいさん向けに・・・・ゴルフのアイゼンハワー・ルールだっけ、形に入ったら勝ちみたいなルールとか、絞め技抜きでの乱取りでも面白いだろうし。
(機械翻訳)
https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/S0736467922002827
選択されたトピック: 神経学的緊急事態血管頸部圧迫技術(スポーツチョーク)に関連した頸動脈解離と虚血性脳卒中
サブミッション グラップリングは、総合格闘技 (MMA)、ブラジリアン柔術 (BJJ) など、多くの格闘技にとって重要な技術要素です。これらのスポーツに共通するサブミッション グラップリングの 1 つの側面は、試合を終わらせるために首を圧迫する操作を使用することです。 MMA では、戦闘機には無数の戦闘終了オプションがあります。戦いの 15% は、自発的な服従か首の圧迫による意識喪失 (LOC) で終わります (1)。頸部圧迫技術は、脳灌流圧を低下させるために頸静脈および頸動脈を通る血流を制限することを目的として実行されます。戦闘機が自発的に服従しない場合、通常、LOC が発生します。テクニックが完全に確立されてから 10 秒後 (2)。これらの操作は格闘技界では「チョーク」と呼ばれていますが、外部から内部構造を圧迫するため、「絞め技」が最も正確な医学用語です (3)。格闘技コミュニティとの用語の一貫性を維持するために、「スポーツチョーク」と呼ぶことにします。
過去 20 年間にサブミッション グラップリングが人気を集めたため、スポーツ チョークの安全性について医学文献で議論が行われてきました。この議論の中には、鈍的頭部損傷の影響と首の血管系の圧迫による潜在的な損傷を誤って混同しているものもあります (4、5、6、7)。より適切なパラダイムは、多くの場合、脳血流の一時的な減少によって引き起こされる失神です。スポーツチョークに関する正当な懸念には…(後略)