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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

「きのう何食べた?」映画版で「シロさん両親のケンジ拒否」話が映像化されたのか…関連記事の【再掲載】

時間が無くて、放送された「きのう何食べた?」映画版は細かく区切ってみることにした。
その、こっちの都合での”第1パート”が京都旅行。そもそもシロさんが提案し、豪勢でロマンチック…つまりケンジ好みのサービス満点な旅行なので、最初喜んでいたケンジが最後は疑心暗鬼に陥る。シロさんが不治の病?あるいは別れ話?


だが……という、ギャグ的な面もありつつ、その実は深刻な問題を内包する一場面となる。


そのところ、まさに2019年にドラマのシーズン1が放送された時、原作のこの場面が描かれるか描かれないかのところで最終盤だったので、記事にしたことがある。

以下は、それの再掲載です。

きのう何食べた?」最終回、シロさんとケンジが正月帰省する話だが、原作の「その後」まで描かれるだろうか…(※結局そこは無し)

www.cinematoday.jp

 …第12話の予告編ではカチコチに緊張したケンジがシロさんの両親に「あけましておめでとうございます」と新年の挨拶。ケンジを質問攻めにする両親に、シロさんは(心の中で)「まるで面接か尋問だ……」とハラハラ。一方、ケンジが父親・悟朗(田山涼成)と、シロさんの高校時代のアルバムを見ながら話し込んでいる場面も。

 公式サイトに記されているストーリーには、高校生時代のシロさんは「よく勉強する子」で、その話を聞いたケンジが「同性愛者であるがゆえ将来を見据えてのことだったのではないか」と悟朗に話す、とある。予告編を含め、かねてからシロさんが「絶対に勝てない」というケンジのさりげない気遣い、思いやりが随所に…


ドラマとしてどれぐらい人気だったのかはよくわからない。どこかに視聴率記録があるかな?第一話の見逃し配信が記録的な数だった、という記事は読んだが、レシピ本なども出版されるぐらいだから不人気ではないのだろう。だいたいドラマをあまり見ないこちらまで見ているのだし…



で、だ。ドラマのラストが、両親に招かれたシロさん&ケンジが、カップルとして正月、シロさんの実家を訪問する…という話になることは、シリーズ構成と原作の流れを比較しても極めて納得のいく話なのだが、…ただ!! 原作の「正月実家訪問」は、そこだけで完結せず、その後大きく展開を引っ張っていく話なのだ。


過去にこの話を書いているので、その記事から抜き出して「再放送」します


<以下、リンクも含め、原作の流れの「おおまか」なネタバレになります。読むも読まないもご自身の判断で>

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よしながふみきのう何食べた?」で、LGBTの息子が同性パートナーを実家に連れてく話はすごい。必読。親は「漫画史上最大の悪役」かもしれない

まず言っておくと、自分はこの漫画を全体的には評価しない。きわめて嫌な漫画と思っている。
最初にこの連載が始まって、主人公の弁護士は同性愛者で、料理(自炊)好き、という設定が紹介された時「へー、一般漫画誌(モーニング)でこういうのやるんだ。まあ、たぶん彼らがいかに普通の善良な市民かを描いて、人権とか平等とか訴える漫画になるんだろーねー。まあ、あってもいいかな」みたいな第一印象だったのだが…

こいつらの料理、野菜と山菜ばっかり出てくる(イメージ)。
肉類は後回しで、セリとかウドとか。
そんな漫画、だれが認めるものか。この野菜野郎(ヘイト)。…という話は、ここにも書いたっけ。

■だれが一番旨いか、決めやがれ!!「日常料理系漫画GP」ここに開催!
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121107/p3

それでも全体の評価は評価として、優れたエピソードは紹介したい。
ただ、非常に重い話なのである。
以前からそういう描写はされていたが、主人公の弁護士の親は、息子がゲイであることにショックを受けつつ、全体的には教養も良識もある人なので本を読んだり努力して、その事実を受け入れようとしていた。そして、息子に「正月、パートナーの男性(美容師)も一緒にうちに来たら」と提案する。

ややぎこちない(このぎこちなさの描写が秀逸)ながらもたいへん感激したパートナー男性。
しかし一転……。

頑張った、努力した、理解しようと努めた。…だけど結局、だめだった。


結局、主人公―息子のほうが、「今後は正月、家に帰らない。親でなく、パートナーと正月を迎えたい」と言い渡す。(完全な絶縁ではない)

さすがよしながだ、というしかないが、この善良さも良識もありながら、結局根本的な「感情」の部分で同性愛者である息子とそのパートナーを受け入れることが出来ない、人生の晩年を迎えたかくのごとき老夫婦を、われわれは「文明の名において(キーナン検事風)」鞭打たねばならなくなっちゃってるっぽいのである。
この人たちの葛藤や心境がどうであろうと、彼らは「愚かで無知蒙昧なとんでもない差別者」ということになるだろうし、パートナーから訴えられればたぶん民事的には不利だと思われる。
わたくしたちも所詮ひとごとなので「このジジイとババア、救いがたい差別者だよねー、いやだよねー」と躊躇なく石を投げられる…かというと、やっぱりその境遇に一片の同情は湧くのだが、投げないと今度はこっちに石が飛んでくるので皆さんも投げておいたほうがいい…と思わせるのが、今の時代。
 
ここ20年の「漫画における悪役(ヴィラン)」のランキングをつくるとしたらどうなるだろう、みたいなことを自分は結構考えているし、いつか紹介したい感もあるのだが、その中でもこの無知蒙昧なる差別主義者の老夫婦は、特異な、かつ最大の「悪役」である。「哀しき悪役」と、形容詞を付け加えてもいいかもしれない。

7巻で正月一緒に行って、8巻で拒絶されて、9巻で「帰らない」と宣言する…のだったかな?…ん、その流れでいいようだ。
http://bookmeter.com/bl/4063871584?p=5
http://blog.livedoor.jp/matakita821/archives/52087267.html
http://sichisichi49.hatenablog.com/entry/2014/09/01/200000

そういえばその一方で「あらっ?ゲイの人なんて初めてみたー!」「お父さんお父さん、この人が例のゲイの方」とすがすがしいまでストレートに無知で無遠慮な家族に一瞬むかっとしつつも、むしろ一回転して気が楽というかほっとしている、という描写もあったなあ。
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そう、彼らとは正反対に見える、あのシロさんの両親がその後、漫画史上に残るであろう「ヴィラン」(悪役)を演じるのです……