こんな話題があったということで、一つ上の記事も書いたのだが。
『幾屋大黒堂Web支店 @SakuraBlog』
http://ikuya.sblo.jp/article/115089330.html
『【境界のないセカイ】講談社がLGBTへの配慮で発売中止か 「腫れ物扱いは不幸でしかない」』
http://www.huffingtonpost.jp/2015/03/15/ikuya-daikokudo-comic_n_6875204.html?ncid=tweetlnkjphpmg00000001
「境界のないセカイ」発売中止にLGBT団体がコメント「作品の描写に問題はない」 - ITmedia ニュース http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1503/19/news122.html
ちなみに作品は、ニュースを聞く限り当方が興味のありそうな漫画ではないので、今後も読まないと思いまする。
しかし、この騒ぎに乗じてLGBTと漫画についていくつか。
まずひとつ上の作品を再紹介
詳細については
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20150320/p2
を見てください。
ごく最近「少年ジャンプ」でもこんなふうに使われていたが
「斉木楠雄のΨ難」だ。ジャンプでも結構上位の人気作品だがね。
あまり堂々としているので「盗まれた手紙」ばりに「こんなに堂々と掲載されているなら、この描き方はポリティカルコレクトに違反してないのだろう」と逆算してしまうぐらいだ。
いちおー「だとしても個人の自由だし…」というひとことが入っているのは、上の某漫画と同じだ。その上で、「(友人の性的指向を)ダチとして知っといたほうがいいべ?」と”調査”に乗り出し、ちょっとした言葉を”誤解”する、というコメディなんですけどね。
2015年に載ったのですよ。その時の反応も「個人」として驚いたということで価値判断ではない…で済むのかな。
先鞭をつけた?「課長 島耕作」。弘兼憲史氏はLGBTの理解者か、反動か
「普通の漫画で」という言い方は、もちろんおかしいので、「凡庸な漫画読者だった自分の観測範囲に入った、LGBTが描かれる漫画」として、「課長島耕作」を挙げよう。
既婚で子供もいるが実は同性愛者であることを隠して生活しており、「初芝に入ったのも、仕事を必死に頑張ってきたのも、全部お前に振り向いて欲しかったからだ」と、かねてから好意を寄せていたことを島に告白するが島はこれを丁寧に断る。
(略)
当初は島もよく思ってはいなかったが、苫米地にクビを切られかけた際に窮地を救ってくれたり、力を合わせ、フィリピンでの仕事を成功させたりするなど、想いこそ受け入れなかったものの、仕事仲間、そして友人としての絆が強まった。大泉にも「樫村を取締役に、島を部長に昇進させる」と約束されていた。
1990年10月、赴任先のフィリピンで島とゴルフを行った帰途、島に恨みを抱くテロリストの銃撃を受け死亡。享年43。その後、大泉は中沢に目を掛けるようになる。悲しむ遺族に島は樫村の同性愛嗜好を最後まで隠し通した。
ちなみに奥さんのほうは
と、遺品から夫が同性愛者であったことを知ると、あっという間に亡き夫への愛を失う。これは政治的に正しいのか正しくないのか。「浮気」に相当するのか。実際にゲイバーに通っていたという描写もあるし、するだろうな。
弘兼氏は、同性愛をテーマにすえた作品を「黄昏流星群」の中でも書いている。
愛は、哀しい。だけど不幸じゃない。
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いつか自分の子供が欲しいと願う二人の女がいた。女と女。同性愛者(レズビアン)のカップルだ。二人は精子提供サービスの会社に登録し、女の一人が精子提供者である男とセックスし、無事妊娠する。だが、その女はその男を好きになってしまい…。愛し合っていたはずの二人の女の人生はどこへゆくのか?
別れ、再会…幸と不幸を噛みしめるような深い味わいの表題作「星子のロンド」
これが実は批判を浴びたりもしたのですよ。LGBTの女性家庭が子供を持とうとして、出産のための性交渉をさる組織に以来し、男性が派遣される。だが、一人の性的指向は擬似的なもので、そのため男性と本気の恋愛関係になり…いや、説明ややこしいな。
○ミ\(・_・ )トゥ ←丸投げ
弘兼憲史『黄昏流星群』のレズビアン描写をめぐって - Togetterまとめ http://togetter.com/li/54642
関連記事
『キッズ・アー・オールライト』 あの娘の家にはママが2人 | 町山智浩 | コラム&ブログ | ニューズウィーク日本版 http://www.newsweekjapan.jp/column/machiyama/2010/08/post-209.php
しかし、「島耕作」が会長になった時、オープンリー・ゲイの男性をふつーにスタッフに採用する。
弘兼氏の漫画に社会問題を織り込む手法については「そもそも浅い気がする」「氏自身の主張に沿ったキャラクターにご都合主義的な展開をさせる」「単にだらだら解説していく絵解き漫画になる」などなどさまざまな問題を抱えていて、ようは方向性の違う「美味しんぼ」な気も大いにするわけだが、それでも重要な啓蒙的意味合いがあったりする(たとえば最近の漁業問題、魚類保護などは見事だったのではないか)。
それに、「今からみるとダメな描写であっても、当時取り上げたこと自体を評価するべきだ」と言われる作品もあるわけで。「アンクルトムの小屋」や「夜明け前」かね。それと一緒にするのもあれだが、自分を「倒錯者だ」と悩んだり、そこから破滅的な方向に進んだとしても、普通以上にできるサラリーマンとして、作品世界に自然に登場する同性愛者を、かなり一般に普及していたメジャー誌で描いたのは、当人にとっても意欲的なものだったのではないか。
正直、このへんの位置付けには悩む。
だが、「性の倒錯者だ」と悩む友人を描いた「課長」と比較して、「私はゲイですから」という「会長」でのスタッフの堂々たる表情。これが…だいたい25年、四半世紀ほどの時間の経過が生んだ違いかもしれない。作者自身もこのテーマは単なる絵解き以上の思いがあるらしく、「会長」には当時、その秘密を話さなかった樫村の息子と会い、彼の性的指向を伝えるかどうか迷う…という回もある。
「げんしけん」における女装趣味とLGBTの”意図的”混同について
いま書いてて気付いたが、このテーマの作品だと設定が複雑で、説明するのがむつかしいんだよ!!
登場人物の一人が…またウィキペさんに加勢を頼む
(ちなみにこのコマは「そそっかしいおばちゃんが人違いをして、別のリアル女性に『あなたが男の娘ね?』と呼びかける」、というギャグ。本当の女装男性は別)
ウィキペディア「げんしけん」から「波戸 賢二郎」
「腐女子に拒絶されずに一緒にBL話がしたい」との願望から、女装して現視研を見学。だがアクシデントで男子である事が発覚し、大野の提案により女子会員として扱う事が決定。現在でも女装の事は会員と関係者のみの秘密。
所謂「男の娘」でサークル活動時は基本的に女装。その容姿は正当派美人で、露出の多い服装でも体格的違和感を感じさせない。振る舞いも寝姿や寝言に至るまで完璧で、自己催眠を疑われる程。思考まで女性的なため同性愛者と思われがちだが本人は「BL作品が好きなだけ」と反論する腐男子。
しかしここから今、話が進んでいて、結局男性に恋愛感情があるのか、ないのかを自問自答したり…あれ?それって「黄昏流星群」の「自分のレズビアンは先天的か後天的か」という話とちょっとリンクしてるな。
ただ、サークルのメンバーの実家に、集団で旅行した時、その家の子は実家に、「心が女の子の男性」として説明する。俺と同じで、設定の説明が面倒なので省略したとおぼしい(笑)。そして、そういえば、田舎の善良な一般市民が「あー、アレね」と納得し、普通に受け入れるぐらいになってても、まあ不自然な描写に見えないのが、やはりテン年代の風景。
ただし!!!
本当は!!!!!
「性同一性障害」の人と、「女装が趣味」の人をごっちゃにして、同一視して扱ってしまうのは大変な問題があること、でもある、らしい。今回の「げんしけん」はあくまで方便であり、本当にこういうことをやってはいけない、ということは胸に収めたほうがいいだろう。
だって、そもそも第二部の最初に、その前提に基づいた挿話をやっているじゃないか。

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上で彼が女子トイレで着替えをしたことが頭ごなしに怒られ、犯罪ですよと言われているのは、彼の女装が「趣味」であり、セクシュアリティは男性のままだからなのである。
いやあ、ややこしいですね。
それに外形的にどう見分けるんだ、といえばさらに難しい。
アメリカでの話
March 8, 2015
フィットネスジムの女子更衣室に居た自称トランス男について苦情を述べた女性が会員権を奪われる
http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2015/03/post_1687.html
プラネットフィットネスの女子更衣室で、自称女性のトランス男が自分の隣で着替え始めたのを見た女性メンバーが、女子更衣室に男性がいるとフロントデスクに苦情を述べたところ、同ジムではトランスの人が自分が同一視する性の更衣室を使っていいことになっていると説明した。納得のいかなかったこの女性はジムの本社にも苦情を述べたが、答えは同様。それで女性はジムに出かけていって他の女性メンバーらに、「このジムでは男性に女性更衣室を使わせている。そのことを入会時に明らかにしなかった」と話たところ、トランスのメンバーに恐怖感を与える態度に出たとして会員権を奪われた。
ではなぜ、性同一性障害が特別扱いかというと、これは「医学的な概念」だから、というのに尽きる。医学は法の上にあり、だと思っていた。
だが…
三橋順子 @MJunko0523
http://biglizards.net/strawberryblog/archives/2015/03/post_1687.html
そもそも「性同一性障害Gender Identity Disorder」という病名が、国際的に見れば数年後に無くなるのはほぼ確実。そうなったら「性同一性障害」を前提にしている日本の性別変更法は宙に浮いてしまう。少なくとも「GID特例法」という法律名は改正しないといけない。
と。
女装がテーマの回が、四コマ漫画の盟主として知られる小坂俊史の読みきり短編連作「まどいのよそじ」(ビッグコミック…だっけかな?)にもありました。
よしながふみ「きのう何食べた?」で、LGBTの息子が同性パートナーを実家に連れてく話はすごい。必読。親は「漫画史上最大の悪役」かもしれない
まず言っておくと、自分はこの漫画を全体的には評価しない。きわめて嫌な漫画と思っている。
最初にこの連載が始まって、主人公の弁護士は同性愛者で、料理(自炊)好き、という設定が紹介された時「へー、一般漫画誌(モーニング)でこういうのやるんだ。まあ、たぶん彼らがいかに普通の善良な市民かを描いて、人権とか平等とか訴える漫画になるんだろーねー。まあ、あってもいいかな」みたいな第一印象だったのだが…
こいつらの料理、野菜と山菜ばっかり出てくる(イメージ)。
肉類は後回しで、セリとかウドとか。
そんな漫画、だれが認めるものか。この野菜野郎(ヘイト)。…という話は、ここにも書いたっけ。
■だれが一番旨いか、決めやがれ!!「日常料理系漫画GP」ここに開催!
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20121107/p3
それでも全体の評価は評価として、優れたエピソードは紹介したい。
ただ、非常に重い話なのである。
以前からそういう描写はされていたが、主人公の弁護士の親は、息子がゲイであることにショックを受けつつ、全体的には教養も良識もある人なので本を読んだり努力して、その事実を受け入れようとしていた。そして、息子に「正月、パートナーの男性(美容師)も一緒にうちに来たら」と提案する。
ややぎこちない(このぎこちなさの描写が秀逸)ながらもたいへん感激したパートナー男性。
しかし一転……。
頑張った、努力した、理解しようと努めた。…だけど結局、だめだった。
結局、主人公―息子のほうが、「今後は正月、家に帰らない。親でなく、パートナーと正月を迎えたい」と言い渡す。(完全な絶縁ではない)
さすがよしながだ、というしかないが、この善良さも良識もありながら、結局根本的な「感情」の部分で同性愛者である息子とそのパートナーを受け入れることが出来ない、人生の晩年を迎えたかくのごとき老夫婦を、われわれは「文明の名において(キーナン検事風)」鞭打たねばならなくなっちゃってるっぽいのである。
この人たちの葛藤や心境がどうであろうと、彼らは「愚かで無知蒙昧なとんでもない差別者」ということになるだろうし、パートナーから訴えられればたぶん民事的には不利だと思われる。
わたくしたちも所詮ひとごとなので「このジジイとババア、救いがたい差別者だよねー、いやだよねー」と躊躇なく石を投げられる…かというと、やっぱりその境遇に一片の同情は湧くのだが、投げないと今度はこっちに石が飛んでくるので皆さんも投げておいたほうがいい…と思わせるのが、今の時代。
ここ20年の「漫画における悪役(ヴィラン)」のランキングをつくるとしたらどうなるだろう、みたいなことを自分は結構考えているし、いつか紹介したい感もあるのだが、その中でもこの無知蒙昧なる差別主義者の老夫婦は、特異な、かつ最大の「悪役」である。「哀しき悪役」と、形容詞を付け加えてもいいかもしれない。

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http://bookmeter.com/bl/4063871584?p=5
http://blog.livedoor.jp/matakita821/archives/52087267.html
http://sichisichi49.hatenablog.com/entry/2014/09/01/200000
そういえばその一方で「あらっ?ゲイの人なんて初めてみたー!」「お父さんお父さん、この人が例のゲイの方」とすがすがしいまでストレートに無知で無遠慮な家族に一瞬むかっとしつつも、むしろ一回転して気が楽というかほっとしている、という描写もあったなあ。
すごい野心作「弟の夫」(月刊アクション)…。この問題での「PC」を学ぶにも一番適切かも
最近始まった作品…開始から半年ぐらいたったのかな?
本誌の「アクション」で予告された時に「いつはじまるのだろう?」と思っていたら、そっちではなく「月刊アクション」だった。
正直、この雑誌の存在は、今回の一件で初めて知った。そのおかげで中世ドイツ軍事漫画「乙女戦争」を知ることが出来たという余談もあった。
公式サイトに紹介記事&一話立ち読みがあるぞ。
弟の夫 田亀源五郎
http://webaction.jp/monthly_action/lineup_otoutonootto.html弟の結婚相手はカナダ人、そして男だった!?
弥一と夏菜、父娘二人暮らしの家に、マイクと名乗る男がカナダからやって来た。マイクは、弥一の双子の弟の結婚相手だった。「パパに双子の弟がいたの?」「男同士で結婚って出来るの?」。幼い夏菜は突如現れたカナダ人の"おじさん"に大興奮。弥一と、"弟の夫"マイクの物語が始まる——
マイクの「夫」だった弟は既に亡くなっている。
兄は日本では模範的なぐらいに、そのパートナーだったマイクを受け入れ、歓待しているが、やはり内心のとまどいは隠せない。
と、つい近所の方には「弟の…友人です」と言ってしまう程度には「理解がない」「遅れている」という人ではある。
その娘は幼い分だけ偏見がない、というかまっさらな状態で、そういう存在を受け入れる。ただ、その認識はどこまで今の日本社会で通じるか…
ここがスリリングな点だ。
ただ、自分が重宝するのは、LGBTに対しどうふるまうのが「作法」にかなっているのか、のマニュアルとしてである。マイクは主人公の家にホームステイするので、そういう問題が登場するのだ。もちろん、安直な正解が書いてあるのではない。それだと逆に、ものの役に立たない。まず読者に考えさせるのだ。
たとえば、同性愛者といっても性愛の対象となるのは特定の相手に対してだけであり、…たとえば不特定多数の人間がロッカールームで「自分が性的に見られるのは気持ち悪い」とか言ってそういう同性愛者を排除する、とか、自分が着替えるのはいやがる、というのは正しくない振る舞いらしい。(※当初ここの記述に誤記あり、意味が正反対になっていました、すいません)
ただ、今回は異性愛者の主人公は、そのマイクが愛の対象としていた弟と双子であり、瓜二つだということもある。
風呂上りに上半身裸で、マイクの前に立つのは振る舞いとして適切か。あるいは、そこで意識して、普段なら上半身裸のところを、敢えて服を着るのは自意識過剰か…なかなか難しい問題ですよね。
…まてまて、関連でこんな面白ツイートを教えてもらったぞ(笑)
https://twitter.com/kakenoshou/status/578566957294727168
掛之小(白猫) @kakenoshou
自分の話ではないけど、職場でホモバレして同僚にえらく警戒された知人が「別に近くにいる男に手当たり次第発情なんてしない!お前だって職場の女性に見境なく発情しないだろう!」って切れたら「えっ、するだろう普通!キモいんだよ!」と逆ギレされ、その後その同僚が女性陣に総スカンされた話が草
またこんな場面もある。
娘さんは珍しいお客さんであるマイクに興味しんしんで、しかも子供だから遠慮なく何でも口にする。で、マイクの「毛深さ」に興味を持った娘さんは、服の前をはだけたマイクのおなかに触らせてもらう。
一見するとアウトな図式のように見えるし、逆に、マイクが女性を性の対象にしない同性愛者であるということを前提にすると、「おばちゃんが女の子におなかを触らせている」と似たようなものとなって、まぁセーフということになるのか…。
…な?分からないでしょ? そういう、分からないところも含めながら、「LGBTに、異性愛者はどんなふうに接するべきか」というのの「例題集」になっていると思います。
追記 5月に1巻発売

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追記 うっかり入れ忘れた「大阪ハムレット」を忘れてはいけない!
これは主人公を定めない一種のオムニバス形式なので、それだけがテーマじゃないんだけど、小学生ながら「僕は女の子(の服装)になりたいんです。本気ですからからかったりせえへんでください」という子が出てくる。
書いたとき、最初の脳内リストには入っていたのに、長文を書いているうち忘れてしもうてた…不覚もいいところだ。

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http://girlgodess.blog.so-net.ne.jp/_pages/user/m/article?name=2006-06-16
父親亡き後、母親と叔父が結婚しちゃってちょっと複雑な高校生の物語とか、
父親の愛情に餓えた年上の彼女から、
「お父さんになって!」とお願いされちゃう中学生の話とか、
「普通」とか「常識」とかから少しズレてても、
一生懸命生きてれば細かい事なんて気にしないで、自由に生きていいんじゃない?
てな感じの暖かいお話です。特に好きなお話は、大好きな叔母さんを亡くしてから、
「女の子になりたい!」と女装したがる小学生の男のお話。
「女の子になりたい!キレイな格好したい!」と思いつつも、
周りの反応や人を欺いてる罪悪感で心が揺れてしまう...
そんな時に田舎のおばあちゃんの言葉。
「せっかく生きてるんや、男でも女でも生きとったら、どっちでもええわい。」って。
こういうアバウトさっていいなあって。
なんだかじーんときてしまいました。
http://ddnavi.com/review/1865/
この作品には、いわゆる世間で言うところの「タブー」が、各話ごとに出てくる。第2話と第6話に登場するヒロ君は、 「女のコになりたい」 いわば性同一性障害をもつ男の子だ。
しかし両親をはじめヒロ君の身近な人たちは、その事実を決してタブー視することがない。めんどくさくて、ややこしいことも承知のうえで、まるごと受け止めヒロ君を支えようとする。それも、何かことさら特別なことをしたり言ったりするんじゃなく、大阪特有の絶妙な“笑い”をはらんだ「日常」の範疇で、ごく自然にやってのけるのだ。
本当の意味での“おとな”の生き様を教えてくれる、掛け値なしの傑作です
さらに追記(2015年12月)
以下は、この記事を書いたあとに知ったのだから追記になるのは当然だけど、こんな作品が生まれた。
【試し読み】僕はゲイかもしれない。だから苦しいんだ――尾道を舞台に描かれる性と生と青春の物語『しまなみ誰そ彼(たそがれ)』第1集、12月11日頃発売! コミスン https://t.co/FRbPWBxwbP
— ねもと◆機械仕掛けの愛 (@nemonemu) 2015, 12月 13
さらに「月刊アフタヌーン」2015年12月号に、自分が以前から追っている
「LGBTや同性婚の問題の論理を突き詰めると、同じ論理で近親間恋愛(近親婚)も同一カテゴリーで考えることに否応なくなるのではないか」というテーマをそのまま描いた「冬の海」という読み切りが掲載された。
http://d.hatena.ne.jp/gryphon/20151026/p1
横断的なテーマで複数の漫画を紹介する試み、これからもやってみたいです。
そんなこんなの過去、現在の「漫画とLGBT」を、横断的に紹介してみました。
ひとつひとつ個別に紹介記事をかいても良かったんだけど、知らないうちに溜まってきてね…書きたいテーマの「在庫一層」な部分もある(笑)。
「漫画と銃」
「漫画と時間ループ」
「漫画と種痘」
というような話が、いまのところの候補。