さいきんの漫画についていろいろと雑談する機会があって、その中で、いまさらーなのかもしれんけど
「どうも最近は『恋愛が成就するまで紆余曲折・波乱万丈』という話とは別ジャンルで、『恋愛自体は簡単(というと語弊があるが、あまり波乱万丈や紆余曲折がなく)成立し、その後の「ひたすら仲がいい」を描写してく』っていう、そういう独立ジャンルがあるんじゃないか?」という話をしたっす。
あ、ここの部分に、今後も検証を進めるための【創作系譜論】準タグを打っておこう。
いやすまん、読んでる雑誌に偏りがあるから、こういうのしか出てこないんだ。これがたとえば少女漫画、レディースコミックだったらもっとあるのかもしれんが。
もちろん、「恋愛とはまた別の部分で、波乱万丈要素があるだろ!」みたいな話もあらかじめ、「たしかにあります」と受け入れておく。
で、そんな中のひとつが、今季アニメ・ドラマほぼ同時期放送という大活躍だった「おとなりに銀河」(雨隠ギド)でありましょう。
自分は講談社の、アフタヌーン系列に登場する前は知らなかったんだけど、結構作品あるんすね。
ja.wikipedia.org
で、
おなじみ西本英雄の漫画作品・漫画家紹介マンガ「もう、しませんから。 ~青雲立志編~」を振り返り紹介しよう。
2022 年1月の作品だから、アニメ化決定してたのかな、どうなのかなー。
comic-days.com
で、上の「ひたすら仲がいい姿を描く漫画」について、どう本人は思っているのか。
そもそも、やはり基本コンセプトとしては「両想いになってからを描く」というのがあったんだって。斬新と言えるかもしれないし、上で想像した、大きな潮流なのかもしれない(ここは今後も要分析。)
そして……
なんか相撲の極意「引かば押せ、押さば押せ」みたいな発想だよな(笑) ブレーキの壊れたダンプカー。
なるほど、こういう発想だから、あれだけ過剰に描けるのかよ…と納得したところで、後半にも見逃せない説明があった。
むかしは何も言わなくても分かり合えてる関係に
憧れてた時期もあったんですけど
でも今は分かっているようで
全然分かってなかった事って多いんだなって気付いて
自分の大切な人とは「生きてる間に 言葉を尽くしたいな」と思うようになったんです
だから 今からそれにチャレンジしようとするカップルを描きたかったんですよ
ふむう……ここで銀英伝を思い出す、老害脳。だいたい銀英伝って、恋愛論につなげるのに一番不適当やんか、と思いつつ、ここは似てる名文句があるの!
孫引こう。
言葉では伝わらないものが確かにある。だけど、それは言葉を使いつくした人だけが言えることだ。
だから言葉というやつは、心という海に浮かんだ氷山みたいなものじゃないかな。
海面から出ている部分はわずかだけど、それによって海面下に存在する大きなものを知覚したり感じとったりすることができる。
言葉をだいじに使いなさい、ユリアン。そうすれば、ただ沈黙しているより多くのことをより正確に伝えられるのだからね。
www.itmedia.co.jp
出典は9巻「回天編」らしい。
アニメ(石黒版)だと88話だとか。…ということで、最初に書き始めた時は予想もしてなかったんだけど、あの甘々な恋愛漫画(一般的には、こういうのはnot for Meなことが多いんだが…)と、SF古典「銀河英雄伝説」が、かなり近い存在であることがわかって…
あっ! だから「おとなりに銀河」というタイトルだったんだ!!!……という、事実でも何でもないがオチとしては綺麗なものがついたところでおしまい
(了)
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