時は1989年東京――。ど田舎から都会の大学に進学した桑子順は他人には見えない不思議なものが見える能力を隠して憧れのキャンパスライフを送ろうとするが、そんな彼が誘いこまれたのは「民俗学研究会」だった!少し癖のある若者たちが繰り広げる昭和青春群像劇!
時は1989年東京――。
ど田舎から都会の大学に進学した桑子順は他人には見えない不思議なものが
見える能力を隠して憧れのキャンパスライフを送ろうとするも、「民俗学研究会」に
入り浸る事に。「付喪神絵巻」を見た桑子は実家にいるときから見えていたもの
だと確信し、実家に帰ろうとするが研究会の仲間も同行することになり!?
昭和青春群像劇!
比較的新しい作品だけど、この前、はてブで話題になった、民俗学とマンガの関係を語るはてなブログ「猫は太陽の夢を見るか:番外地」には出てくるかな?
…一回、登場時に紹介されているね
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本題に入る前の余談だが、いま、「1980~2000年代初頭を、物語の舞台としてそのまま描くか」か、「広い意味では現代劇なんだから、今現在の物語として提示するか」という葛藤がちょっと作り手側にはあるみたいだね。
当然、「インターネット」「携帯・スマホ」「バブル時代の好景気、金回り」「ハードワーク(ブラック企業)や性的少数者を社会が見る目」などがかなり違う。
そこは物語に大きく関係しているとそのまま描くか、こういう部分を”アップデート”して、2020年代の話に持っていくか…・往年の名作のリメイク、の話こそそれが大きい。
※もちろん「うる星やつら」リメイクの話です。
閑話休題、元の話にもどろう。
自分はこの「こまったやつら」を、ことし…10話めぐらいからかな、読み始めたので、なぜ、このはなしが1989年の物語なのかはつかんでいないし、初期設定もよくわかってないんだけど、
そこから読み始めての感想ね。…タイトル通り
いや、こういう言い方をしてるからといって貶してるわけじゃない、むしろ褒めてる・・・・・でも「かってに改蔵」で、「〇〇とXXと合わせたような漫画とかいうなぁ!まんが家が傷つくだろ!」と言ってたな。やっぱりすいません。
でもねえ、ゾンビものとか異世界パーティ追放ものとか、悪役令嬢ものとか見て、やっぱり最終的に考えを改めたの。
「ある作品の、優れた「コンセプト」は、著作権侵害にならない範囲で受け継いで、いただいて別の作品を作ることはむしろ推奨されるべきだ。それによって、「単体の名作作品」内にとどまっていたアイデアが「ジャンル」となることも、また文化への貢献である」
と思うんですよ。刑事コロンボと古畑任三郎もしかり。
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だからヒット作である「もやしもん」の主要コンセプト…
・変わった学問ジャンルを、「ゼミの奇人たち」の人物群像と一緒に紹介する。
・その狂言回し的な、やや常識人のツッコミ役的存在が主人公。
・この主人公には、その学問に貢献できるようなややチートな「超能力」があり、それを活かして活躍し、その学問の話題を深掘りできる。
読んだ限りでは、「こまったやつら」は”すがすがしく”それを受け継いでいる。
そして楽しい読み物になっている。
いいことだと思うのです。
主人公には、小さな妖怪と言うか神様が見えている……
それが珍事件を生んだり、その事件を解決する。
先輩やOBなども、いい意味での?奇人変人ぞろいで、専攻する自らの学問に熱心。時折、トラブルも持ち込むが……
そこから読者も、民俗学という学問の特徴やその社会的な意味、そしてちょっとしたトリビアも学んでいく。
・・・・・・・・なんか書いていくと「もやしもん」もそうだけど、さらには「動物のお医者さん」にも近いねこりゃ(笑)
…というかその2作がそもそも近縁と言うか、もやしもんが動物のお医者さんのいいところを吸収していたように見受けられる。
そんな形で。過去の名作に倣った、同一「ジャンル」の作品とみるか、オリジナリティを感じるかはともかく、民俗学漫画「こまったやつら」…一読の価値があるのではないでしょうか。
(了)