きのうの、こちらの記事の続き…
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というか、ここでこういうこと書いたジャン。
しかし…どうだろうね、自分はこれに懐疑的。16作品だっけ、20作品だっけ?ジャンプ本誌にはどうやったってそれしか連載が入らない、何かを始めるには何かを打ち切らねばいけない……の緊張関係が、作家の猛烈なやる気を引き出したり、ジャンプに「権威」を持たせる(まあ、紙の週刊誌はどこも同じだけど)、という面は確かにあるといえば、ある。しかし、サイト・アプリは理論上、無限に(予算の範囲で)連載作品も読切も、多数載せることができるわけで…これはぶっちゃけ「百発百中の砲一門(16作品?)vs百発一中の砲百門」の論理という奴で……「紙のジャンプに載っているのが一軍、ジャンプラは二軍」という、読者のほうの反応というか格付けの意識が、下駄をはかせている時間が続く間の話じゃないかしら。
そして、その格付け意識は、急速に失われている……小学生も中学生もスマホを持っている今、ジャンプラ…というかサイト・アプリに載っている無料購読可能の作品が本道で、「有料で買う紙の雑誌(+電子書籍)」は、非常にマニアックな未知の作品……になりつつある、という話はしょっちゅうきく。どうかするとピッコマ!やらtoomicsの作品の方が馴染んだりしてるんだよ!! ただは強い!スマホは強い!ウェブトゥー―ンは強い!!!
そしたら、ちょっとうっかり読むのを後回しにしてた同誌のジャンプ+編集長(細野修平氏)のインタビューで、一部は答え的なものが載ってたし、一部は問題点をほぼ同じく共有してたよ!!
ぜんぶは引用し難いので、抜粋要約して情報をシェアする。
ジャンプラ編集長(談)。
・スタートは2012年、ジャンプの副編集長になってデジタルも担当したこと。この当時が Kindle の日本上陸でもあった。増刊号のようなイメージで、ミニゲームや動画などいろんなデジタルコンテンツを提供したところ、結局一番反響が大きいのは漫画だった。そこで2014年、漫画専門のジャンプ+ができた。
・2019年まで、最初の3話と最新3話が無料、残りはコイン課金という、普通の形式を取っていたが、「待てば無料になる」システムが流行り始めた。これに追随するかを検討したがやっぱり最新話に到達して、一緒に盛り上がって欲しい。そこから「初回は全話無料」というアイデアが生まれた。
・ちょうどこのシステムを採用した時に「スパイファミリー」が始まったので、相互作用で成功したと思う。
・今の収益はコミックス売上、ジャンプデジタル版、話の配信、広告の順番。
・「タコピーの原罪」が、ジャンプルーキーからジャンプ+で育てた「ジャンプラシステム」の第一歩と考えている。
・ジャンプはアンケートによって、現在の連載を決める。これは公平で健全なシステム。ジャンㇷ゚+はそれに加えて完読率とかコメント数とか、閲覧数とか、「いいジャン!」数とか、いろんなデータがあるのでどう活用できるか模索中。
・掲載誌面に制限がない以上、掲載基準は緩くなりたくさん載せることができる、つまり試行錯誤ができる。ページ数もぶっちゃけギリギリの段階で見開き増やしたいので2ページ増とか、今週は休んで番外編5ページ、とか決めることができる。
※この部分については別のページで当編集部のエース、副編集長の林士平氏も語っている。「紙媒体が Web 媒体と一番大きく違うことは、 何かを始めるには何かを終わらせねばならないということがない点ですね。 Web に関しては紙面が無限なので、面白ければ全部始められます…今の時代はそもそも紙の方が見つけてもらうのは大変なんじゃないですか。物理的に現物を買って、読んで、口コミもリアルの紙を選んでからデジタルに入力しなければならない。その方が多分ハードルは高いはずで、 Web の方が面白かった時の伝播力ははるかに高いと思っています…紙の雑誌にいた時の方が絶望的に口コミが少ない…無力感をずっと感じていましたね。」
・ 昔は「ジャンプらしくない」とよく言われたが、 今は「いかにもジャンプ+だからなー」、と評価される。
・編集者はデジタルがこれから分からないとだめと「一人一サービスをデジタルで立ち上げる」という目標を掲げている。
・海外版の「MANGA PLUS」もどんどん加入が増えているが正直まだやりきれてないという気がする。もっとその盛り上げを、日本の盛り上げと融合させていかなければいけない。
・紙のコミックスはもっと減るだろうと正直思っていた。 しかしうちの最大ヒット作品「スパイファミリー」の売上は、こんなにもか!、というほど紙のコミックスのほうが割合的に多い。こんなに紙の漫画がいまも売れるのかと驚いた。
くわしくは、同誌現物をば。