サントリーの酒の無償提供が明るみに出たのは5月下旬。安倍氏の元公設第1秘書・配川博之氏が政治資金規正法違反(不記載)で20年に罰金刑を受けた事件で、赤旗日曜版がスクープした。同紙のデスクはこう語る。「(東京地検が開示した)刑事確定記録の分厚いファイルの中に『サントリー」の文字はないのです。
ホテルの従業員が作った「宴会ファイル」の中に、ウイスキー、ビール、ワインなどの本数がメモ書きされ、『持ち込み」と書かれた横に、小さく電話番号が書かれていたんです。うちの編集長が『ちょっとその電話番号にかけてみろよ」と言うので、その場で記者が電話をかけてみたら、『サントリー秘書部です』と」
週刊朝日7月8日号より
もともとが「開示された刑事確定記録」である、というのは聞いていたので「ほかのところも開示請求して入手したところはたくさんあるはずなのに、なぜ赤旗が報じられたんだろう?」と思っていたのだが、こういう経緯だったとしたらあっぱれ。
記事スクープに張本勲みたいな存在はないので、テレビであっぱれあげる人がいないのが残念だ。なまの資料自体は雑多だから、そこにちょっとかかれていた書き込みに気づくか、実際にかけてみるかで違うのだな。
もちろん、スクープの経緯というのはディープスロートの時代から非常に機微に渡る問題なので、この経緯説明は、たとえば真の情報提供者Xを隠すためのフェイクである可能性も十分にある。
それは仕方ないところだ。(ディープスロートがいるのも、また別種のあっぱれだし)
ただ、事実であってくれたほうが、一種のロマンがある。