http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0905/21/news016.html
あなたは『週刊現代』について、どのようなイメージを持っているだろうか。食肉利権や横綱朝青龍の八百長疑惑など、話題になったスクープを浮かべる人も多いのでは。しかしスクープを報じるということはリスクも高く、そのため関係者から訴えられることもしばしば。
『週刊現代』前編集長の加藤晴之氏が抱える訴訟の数は、70を超えるという。中でも八百長疑惑記事では第一審で「4290万円支払え」という、過去最高の金額に達した。賠償金の高額化傾向が強まる中、訴訟について加藤氏はどのように考えているのだろうか…(略)
元木昌彦(司会):私は編集長時代に50件ほどの訴訟を抱えたことがあり、「お前はとんでもない奴だ」と言われてきた。しかし私をはるかに凌駕(りょうが)し、70件以上の訴訟を抱えているのが、『週刊現代』前編集長の加藤晴之さんだ。訴えられていることが悪いとは思わないが、最近では八百長問題で4290万円の支払いを命じられた。この判決を受けるに至った経緯について、話を聞かせてください。
加藤晴之:先ほど元木さんから、(八百長問題で)4290万円の支払いが命じられたというお話があったが、私は “しれっと”しているわけではない。正直、目の前が真っ暗になった。今は現場から離れているが、その判決を聞いたとき「会社を辞めなくてはいけないな」という気持ちに追い込まれた。
現場の編集長にも「誠に迷惑をかけた、申し訳ない」と謝罪し、本当に居たたまれない気持ちで一杯になった……(略)…一審の判決が出たとき、私は会社を辞めようと思ったが、今ではちょっと止めようと考えている(笑)。実際、控訴している最中で、どういう戦略で裁判に臨むかということを考えなければならない。現場の方針もあるので、僕自身は声高に言えないが、まだ十分に戦えると思っている。またみなさんは忘れていると思うが、八百長キャンペーンのあと相撲は面白くなった。
これは2009年のシンポジウムの記事で、全文は
- 作者: 元木昌彦
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2009/08/07
- メディア: 新書
- クリック: 22回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
さて覚えている人も多いでしょうね、「PRIDEに加藤浩之あり。週刊現代に加藤晴之あり」と呼ばれた(※呼ばれてない )あの時…そう、PRIDEハンターこそこの加藤氏であり、彼がどちらかというと週刊ポストの持ちネタだった「大相撲八百長問題」を大特集した人であったのです。
でもまあ結局民事訴訟で講談社は相撲協会に負けており、今回の件が発覚したからってそれが覆るわけでもない(ついでに言えば部数も減らしていて「スクープが部数に結びつかないとは…」と業界の同情を買った)のだが、世間の評価はまた違うっしょ。実際、その記事の中心となった武田頼政氏はワイドショーの取材が殺到しているのですから。
そういう世間的な評価の点では、まもなく加藤氏は民主化後には政治犯がそのまま議会や政府の指導者となるように、凱旋者として迎えられるでしょう。おめでとう、かつてのPRIDEハンターよ。