短編集の、表題としても採用されている。
まっ白な制服。けがれのない理想の象徴そのものではないか。
私はこの制服をつけていることを誇りに思う……。横領、強盗、殺人……こんなたぐいの犯罪は一般の警察にまかせておけばよい。わが特殊警察の任務はただひとつ――人間が作り出す平和の虚妄性を痛烈な皮肉をこめて描く表題作。
男っぽく言葉づかいのぞんざいだった妻が一夜あけるとすっかりしとやかな女になっていた――軽妙なタッチで医学の進歩の盲点を衝いた『月曜日の異変』。
ほかに、『老人と孫』『テレビシート加工』など全10編。
4月から放送が続いてますが、見続けてますか、星新一ドラマ。BSプレミアム。
www.nhk.jp
この番組について
“ショートショートの神様”星新一。生涯にわたり発表された1001編を超える作品は、教科書にも掲載され、いまなお読みつがれています。世代を超えて愛されるその魅力は、“宇宙”“ロボット”“悪魔”など不思議でワクワクするSFやファンタジーの要素。また人間や社会に対する「おかしみ」や「皮肉」をまじえた目線。そしてなにより、短くも、あっと驚かされる予測不可能なストーリーです。それは、毒を含んだ寓話なのか、人類への警鐘なのか…。星新一の珠玉の作品を、令和のいま、実写ドラマとして描きます。
そして、予定されていたことだが、6月7日、遂に満を持しての映像化…たぶん「初の」がつくのかな?
「白い服の男」
【脚本・演出】萩原翔【キャスティング】高柳亮博【助監督】家次勲【制作担当】齊藤光司【撮影・照明】辻智彦【録音】藤田秀成【美術進行】きくちまさと【カラーグレーディング】宮下蔵【MA】塚本啓介
「白い服の男」1968年(『白い服の男』所収)
この評論本の中でも4回、5回と繰り返し登場して論じられている。
しかしだな、いかに星新一、1千篇超のショートショートの中でも最高傑作のひとつに数えられる名作とはいえ、6月22日に公示が確実だと言われる参議院議員通常選挙を考えると、やや間が悪いというか―――NHKの”ソンタク”を疑う声も一部にあるとかないとか(※ねぇよ)。
というのは、この「白い服の男」はどうにも「表現規制」「ポリティカル・コレクトネス」的なものとの連想が……ごにょごにょごにょ。(ネタバレにも忖度ソンタク)
いや、後者の言葉は少なくとも作品の発表当時は、かげもかたちもないんだけどね(笑)
いやいや星新一の作品、そう単純には
読み解けるものではない。
だが、「表現規制/ポリコレ問題の寓話かもしれんー--!!!」と言っておくと、その問題にAの方向から興味ある人と、Bの方向から興味ある人と両方見てくれるかもしれんでな。
そういう点で、とにかくまずは「見て」おくれ!!!と。
この作品名、何度もブログで挙げているが、うっかりリンクに飛ぶとネタバレもあるので再度警告
※一般論としてはネタバレを大問題と思わない立場。今回は例外
最高傑作論でいえば
今回、ドラマ化で「とんでもないやつ」「不在の日」「ひとつの装置」などがラインナップから外れた以上、「本当の星新一・最高傑作を決めるのは待ってくれないか…」な話ではある。
おもに、制作費の問題であろうことはよくわかるが…
シーズン2では、よろしくたのむ(あればだが)