モーニングで全6話ぐらい(※全7話でした)だったかな、短期集中連載された有賀リエ「工場夜景」。
例によって、コミックDays(最近話題ですな…)で1話無料公開されている。
第一話の結末までで、重要な展開は全て提示されているから、この後を語る必要はたぶんないだろう。
こういう展開になった後、ではどうなっていくのだろうか(どうなっていく「べき」なのだろうか)……という点を思い浮かべながら、次からの話を読むもよし、今後発売されるかもしれない単行本を待つもよし。
なのでこの記事では、あとのエピソードに出てきた言葉をメモするだけに留める。
「英語では”加害者”家族を「Hidden Victim(隠された被害者)」ともいう」
「自分が罪を犯したわけでないにも関わらず 批判や差別にさらされる」
いちおう古い蓄積から・・・・・
1998年にアーカンソー州の高校で銃乱射事件が起きた際、高校のキャンパス内で発生したという事件の重大性に鑑み、マスコミは加害者少年の実名や写真を掲載した。
このとき、加害少年の母親に対してアメリカ社会がどのように反応したのか、ジャーナリストの下村健一が驚くべきリポートをしている。
実名が報道されたことで、母親のもとにはアメリカ全土から手紙や電話が殺到した。手紙は段ボール2箱に及ぶ数だった。
だが、その中身は、本書でこれまで見てきたような日本社会の反応とはまったく異なっていた。加害少年の家族を激励するものばかりだったのだ。
TBSの「ニュース23」で放映されたリポートでは、少年の母親が実名で取材に応じ、顔を隠すことなく登場した。下村が、受け取った手紙の内容は何かと聞くと、母親は「全部励ましです」と答えたのだ。
下村は自身のブログでその手紙の内容をいくつか紹介している。
「いまあなたの息子さんは一番大切なときなのだから、頻繁に面会に行ってあげてね」「その子のケアに気を取られすぎて、つらい思いをしている兄弟への目配りが手薄にならないように」「日曜の教会に集まって、村中であなたたち家族の為に祈っています」等々。
下村は、アメリカでの取材生活の中で「最大の衝撃」を受けたという。