2大候補の拮抗
・盧武鉉の当選時からだったと思うけど、左派と右派の候補がおおむね拮抗している状況が続いている。狙ってできるものではないだろうけど、結果的には時折政権交代が起こって、(継続性などの問題もあるだろうけど)これが一番、風通しの良くなる形式となるわけで結果オーライで良かったことだと思う。
・年配の人たちが保守、若い人たちが革新系と色分けされ、時期が立てば自然と革新側が強くなるかと思っていたけど、あにはからんや、結局文在寅政権ができると、その政治に失望する層も当然出て来るわけで、簡単には世代の交替によって予想された支持率の変化はないらしい。これもまあ、さもありなむだ。
・そして日本でも同じだけど、「実際に投票する人」は年配者ほど多く、若者はそれほどではない、と。この部分での差が生まれるという。
「第三の候補」の一本化失敗。
【ソウル=桜井紀雄】来月9日投開票の韓国大統領選で、中道系野党「国民の党」代表の安哲秀(アン・チョルス)候補は20日、記者会見し、保守系最大野党「国民の力」候補の尹錫悦(ユン・ソンヨル)前検事総長に提案していた野党候補一本化案を撤回する意向を示した。
尹氏と革新系与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)前京畿道(キョンギド)知事が激しく競り合う中、政権交代を望む有権者の票が割れる状況が続くことになる。
安氏は13日、世論調査方式の予備選による候補一本化を尹氏に提案した。安氏は20日、1週間たっても尹氏からの返答がなく、「これ以上待つのは無意味との結論を下した。私はわが道を行く」と強調し(略)
国民の力側は、候補一本化に肯定的だが、与党支持層も参加できる世論調査方式には難色を示していた。
実を言うと、日本も「共闘」は難しくても「一本化」すればよく、それは予備選でも世論調査でもいいだろう、と思っていた。ぶっちゃけそういう形で、維新と立憲の一本化、だって進めればいいじゃないか、とな。
ただ「石破茂のパラドックス」と同じで、そこにどうせ一本化したって投票しない、反体操の支持層の「与しやすい敵歓迎」という形での反応で数字が変わる、と。そりゃそうだなあ。予備選のほうがいいのかもね、だ。ただアメリカの民主党や共和党のようなかっちりした党員がいないしな……
ただこういう一本化への思考実験や実例採取は面白いので、もう少し見てみたい。
「原発の是非」が争点になっているとか。
来年3月の韓国大統領選は、原子力・エネルギー政策を巡って正面対決となる構図が固まった。保守系最大野党・国民の力は5日、大統領候補に尹錫悦(ユン・ソンニョル)前検事総長を選出した。一方の与党・共に民主党は10月に李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事を選出している。両者は原子力推進、脱原子力の両極端の政策……(略)
「原子力は映画のように危険ではない」。予備選活動中、尹氏は現地メディアにこう話した。文在寅大統領は選挙戦中に原子力事故を描いたパニック映画「パンドラ」を観てエネルギー転換(脱原子力)実行を決意したといわれる。そのことを意識したとみられる。検事総長時代には、文政権が月城原子力発電所1号機(カナダ型重水炉、67万8千キロワット)の経済性を不当に低く評価して閉鎖へ向けた議論をゆがめた疑惑について捜査を主導。出馬宣言後、まず向かったのは原子力を学ぶ学生との対話…
(略)
一方の李氏は「エネルギーハイウエー」建設をうたう。40兆ウォン(約3兆8千億円)を投じ、人工知能(AI)基盤の能動型送配電網を整備……2040年までの内燃機関車販売禁止も掲げる。原子力については時限爆弾になぞらえる書き込みをフェイスブック(FB)に…(略)
北京五輪が与党逆風になる、って「どういうこと?」と思ったらこういうことらしい
、現在中国の北京で開かれている冬季オリンピックが親中色の強い李候補の支持率にマイナスの影響を与えるのではないかと李候補陣営は懸念している。
2月4日に開かれた開幕式で、韓国の民族衣装である韓服(ハンボク)を着た女性が、中国の56の少数民族の朝鮮族代表とし出演したことを巡り、韓国では「中国が韓服を中国のものだと主張している」と批判が高まっているからだ。
さらに、ショートトラック競技では釈然としない判定が相次ぎ、金メダルが期待されていた韓国人選手が失格になり、韓国社会における反中感情を助長する原因を提供した。韓国社会の反中情緒は今後も続くことが予想されており、それが選挙に…(略)
第四野党「正義党」、今回はその「第四」として扱われるか微妙な状況らしい
女性候補でもあるのだが。
ただ、これも「ラルフ・ネーダーのジレンマ(2000年のアメリカ大統領選で、最左派ネーダーの得票によって民主党のアル・ゴアが負けたのでは?という話)」を考えれば、収斂と統一が果たされた、ともいえるわけで。
news.yahoo.co.jp
「与党陣営が集団で土下座」
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韓国大統領選 与党候補は土下座して謝罪TBS NEWS
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投票まで40日あまりとなった韓国大統領選で、与党候補が与党は国民の期待に応えられていないとして土下座し、謝罪しました。与党「共に民主党」李在明候補
「謝罪を兼ねて、今後今までと全く違う新しい政治をするつもりで、このような覚悟を表現しようと思う」
与党「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補は「与党が国民の期待に応えられなかったのは明らかだ」として、与党の国会議員とともに土下座しました。政権交代を望む声が根強く支持率が伸び悩む中、李在明氏は文在寅(ムン・ジェイン)政権との違いを示す狙いがあったものとみられます。
世界的に見ればかなりの奇観だと思うけど、選挙での土下座は、日本ではそもそも先行してる(笑)。
一方で民主選挙が無ければそもそも有権者に為政者が土下座するはずもないわけで、東アジア的伝統と民主社会の混交があってこそこうなる。(台湾ではどうかな?あるかもしれないし、ないかもしれないな)
だから、「大統領候補と与党幹部が集団で土下座」という国際報道を見て、肌感覚で一番わかるのは、おそらく日本なわけだ。だけど、その一方で、どこかで微妙にずれというか違いがあるのも事実。日本と韓国の関係…最近多い摩擦・葛藤の部分も、「政治家が土下座する光景をおおよそは理解できる一方で、完全に一致するわけでなく、微妙にその意味するところが違う」みたいなことが影響しているんじゃないか、と思う次第。
専門家のインタビュー
このほか、なんか追加したいことがあった気がするが、思い出したら。