ストーリー&キャラクター
その身一つと噺だけで全てを表す、話芸の極致――「落語」。この究極にシンプルなエンタメに魅せられた噺家・阿良川志ん太と、その娘・朱音。
真打昇進試験に挑む志ん太、その一席を目の当たりにした朱音が歩む、噺家の道は――噺家たちが鎬を削る本格落語ものがたり、開幕!!
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故古谷三敏氏の「寄席芸人伝」などで切り拓かれた落語漫画も、あれやアレみたいなヒット作が出たり、それやこれみたいな非ヒット作が出たりして、ほどよくレッドなオーシャンになっているっぽい気がします。
お決まりの江戸落語だけではなく、関西落語の世界が描かれたり、講談まで題材に成ったり。
が、逆にいえば天下の少年ジャンプにまでこの波が及んだのだからあっぱれ。
とはいえ、ここは油断すればすぐに奈落に落ちるサドンデスの戦場。ここで「人気作品」になって、はじめてジャンルが活気づく。ファンが増え、落語の門をたたく人間が増え、関連テレビ番組が、海外での知名度が……となるのはそこからの噺、いや話。
で、第一話……来週あたり、ジャンプラで一話試し読み化がされたら、追加しますが、さすがジャンプらしく、落語漫画だけれどもちゃんと王道をしてくれました。
※これが第一話
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ただねえ…いろいろ取材もしたんだろうけど、
やっぱりジャンプらしくドラマチックに、ということを重視しすぎたのかな。
若手落語家が集まって、「真打昇進試験」をやったはいいけど、人気の名人ながらなにやら偏屈な師匠が、「おまえら、全員破門だ!!」と突然言い渡す、なんて……ちょっと荒唐無稽な気がしますね。リアリティを感じられますか?
だって、若手とはいえ、既に何年も落語の世界で食っていき、業界の水に慣れ親しみ、その一方で家庭を持って生活基盤を作っていたりするんですよ。
そこに突然、それも個別に吟味するならともかく、全員まとめて「おまえら、破門だ!」とかいうような、そんなめちゃくちゃな落語家がいますか?破滅型の芸人もそりゃいますが、皆が仰ぎ見るような師匠になったまでのひとが。
そのへんのところ…リアリティラインの設定に、ちょっと首をひねりました。