ちょっと別の話ですが、自己推薦的な入試に関与したことのある大学教員にはわかると思うのですが、応募者の出身高校にかなりの偏りがあります。同レベルかなと思っても大量に出願のある高校と全然いないところがあり、まあ進路指導の先生がその制度の存在知っているかどうかで決まっているのですね。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2022年1月9日
特にN大学法学部のセンター利用推薦入試のようにマイナーな制度はその影響が顕著で、生徒の実力とは関係のないあたりはずれで追加のチャンス1回をつかめるかどうかが変わってくるようなところがありました。なんでちゃんと伝わらないのかと歯がゆい思いをしていたこともあります。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2022年1月9日
しかし考えたら当たり前で、山のようにある大学・学部のさまざまな入試に通暁することとか普通の人間には無理なわけです。生徒には最初から無理があるし、それを専門にしている進路指導の先生にだって限界があります。しかし結果として、適切なマッチングには失敗する。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2022年1月9日
これは学校以外でも起きている問題です。たとえば子供の貧困について、文科省系のスクールカウンセラーは厚労省系の支援事業の知識に乏しく、厚労省系の自立支援員は文科省系の政策のことを知らなかったりする。最初にどちらに引っかかるかによって、情報の得られるメニューが変わってくるわけです。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2022年1月9日
なのでまあ、人力でやるからじゃないのという話にはなるわけです。現状とか困ってる内容を書き込むと対応した支援事業や相談窓口の案内をしてくれるチャットボットなんかは実用が始まっていますが、人間が覚えられないなら機械に覚えさせて自動的にサジェストさせればいいだろと、そういう話ですね。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2022年1月9日
すると次に、自分ではアクセスできないとか現状を正確に認識できない場合はどうしますかという問題になる。子供というのはまさにその例で、そこに適切な支援や情報を届けるためには行政の側から積極的に(プッシュ型で)やるしかなく、そのためには行政側が判断する基礎としての情報が必要になります。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2022年1月9日
これまでの学習履歴からSTEM分野への適性がこのくらいありますよとか、こういう大学のこの入試ありますねとシステムがささやいてくれたら生徒たちの自主的な選択のあり方が多少なり変わるのではないですかと、そういう話だと思うのですね。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2022年1月9日
ところでそれは「おまえはこういう人間だから○○を専攻するのだ」と決め付けるために使えないかといえば、使えるでしょうね。そこまでデジタルではないけど中国の入試制度はそのノリだという指摘もあります。ただそれは可能性の問題で、必然性ではありません。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2022年1月9日
個々人の自己決定に対するサポートという段階に留まるようマネジメントする方法は考えるべきですが、その可能性をゼロと決め付けるならそもそもなんで民主政やってるんですかという話でもあります。現状がそもそも問題だらけだということを無視するのも不公正でしょう。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2022年1月9日
誰がどのように使うのかという話を無視してとにかくデータ集めるのには反対とだけ主張してもあまり生産的ではあるまいなと、そうは思うところですね。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2022年1月9日
うーむ、と色々考える。
各種大学のさまざまな制度や、福祉の、色んな事例に対応する制度が、単純に「相談した相手の知識量や判断力の差」によって左右されるのはやはりまずい。
そういったものを「Aの場合にはB、Cの場合にはDという制度があります」とぴったりしたものを示すのは、やはり人力より機械、AIのほうがいいのだろうね……
そしてまた、後段のプッシュ型支援……たとえば話を進めていけば、「虐待の兆候」みたいなものを、AIによって判断していく未来もあるのかもしれない。
なんか中国で、裁判の判決をAIでやる実験が進んでるとか実用化されたとか、そんな話も出ているけど、裁判もある意味でインプットされた情報を、一定のプログラムに従って処理して結果を出すのは同じで、そのプログラムが一定じゃなきゃ困ることも同じだ。
制度の紹介や適用も、同じように一定のプログラムに従って同じ結果が出るべきだ、という点で共通し、
そうなると「それならAIがやったほうがいい」となる。
どうなっていくのかねえ。