モーニング、数号まとめ読みしたが、「ハコヅメ」はドラマ版でもムロツヨシが演じ好評だった「伊賀崎さん」の、過去(凄腕の潜入捜査員で、反社グループに深く浸透)と現在が行き来するハード展開となっている。
そこで、伊賀崎さんor伊賀崎さんと深く関係があった後輩が、ある事件の関係者として疑われるというシーンがあったのだが……
この話、よく聞きます。
スパイ、捜査官、探偵、犯罪集団、政治的過激派集団………彼らは、さまざまな場面で、尾行されていないか確認したり、それをまいたり、指紋などの証拠を現場に残さないような訓練を受けている。
だが、何ともジレンマだが……そういうところと何の関係もない一般ピーポーはそもそもそんな警戒感を持ちあわせていないので、「そういう警戒を行っている」こと自体が、この上なく「ただものでない」ことの証拠になるという。
上のコマのように、その警戒のしぐさによっては個人まで特定される。
(この前、ここで多く読まれた顔認識の記事ですが、ブクマやリンク先記事などでもあるように実際に「歩き方のパターン」などでの個人識別もだいぶん進んでいます。AIなら、今精度はどの程度なのか……)
犯罪漫画「ギャングース」で印象に残ったのは「犯罪組織の人間は指紋を残すのがいやだから、エレベーターのボタンは指の腹でなく、人差し指や中指を折り曲げて、その関節部分で押す」という行為。なんかマネしたくなる(笑)
そして、このネタは時代劇……特に忍者ものではおなじみの話で、
どうかすると茶碗かなんかを投げつけ、それを身分を隠した忍者や武芸者がひらりとかわすと「ふふふ、ただの町人がそんな身のこなしをするものか、歩き方からして分かったぞ!」みたいにね。
白土三平ものによく出てきた記憶ある。
だから、そこを一回転させて「投げられた茶碗なんかに全然反応できない、殴りかかられたらそのまま大怪我をする。そんな『ド素人のふり』ができるほどの、一流の達人」なんかが登場するパターンもありますね。村上もとか「龍」に出てきた某人物もそうだった。
ゴルゴ13も「後ろに立つ人間は無条件で殴りつける。それほどのプロフェッショナルの殺し屋だ」というキャラ付けだったわけだが、何巻だったか、それを逆手にとって「この習性を利用すれば、いつでもゴルゴ13は現行犯(暴行傷害、公務執行妨害)で逮捕できる⇒実際に逮捕できた」という、それをいっちゃーおしまいよの回があったですよね(マジ。くわしいひとならわかるだろうけど、誰か覚えてないですかね)。たしかにそうで、であるなら則ち「ゴルゴ13は、超一流の殺し屋ではない」ことになるわけで…
しかし、物語は物語として、実際の捜査・スパイ関連者は、このへんのジレンマを実際に感じる事とかあるのかね?
或る程度「諜報関係者である」ことまではバレて仕方ないとしたうえで、それ以上の情報は渡さないという意味で尾行を警戒するのかもしれないね。
コメント欄より
流転
隙のない姿、小説で有名なのは吉川英治の「宮本武蔵」で宝蔵院槍術の達人奥蔵院が畑に鍬を打ち込む姿に過剰に反応して武蔵が跳んで逃げるシーンですかね。
あとその武蔵の養子の宮本伊織が小倉藩の家老だった時のエピソードで城下を巡回中にある旅人の歩く姿を見て、早々にその者を領内から追い出したというのがあるそうです。これが実際にあった話だとすれば、一定の歩幅で歩数を数えて距離を測ることは伊能忠敬もおこなっているので怪しいと見て追放したということなのでしょう。この話は古武器古武術研究家の名和弓雄の著作で知りました。3分前 Add Stardelete
gryphon「バガボンド」は吉川英治の原作だから当然ですが、圧倒的な画力でその場面を描いてましたね。
そうか、敵国の領内を歩いたりスケッチして「測量」する人もいたか…