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John 8:32 Then you will know the truth, and the truth will set you free."  複数ブログの過去記事を移管し、管理の委託を受けています/※場合により、語る対象の「ネタバレ」も在ります。ご了承ください 

横浜市長選「再選挙」になる可能性も

首長選では最多得票者の票数が有効投票数の「4分の1以上」に達しなかった場合に選挙をやり直す。有権者や候補者に14日間の異議申立期間を置き、申し立てがなかった場合、それから50日以内に再選挙が実施される。政令市では2003年の札幌市長選、最近では18年の千葉県市川市長選が再選挙だった。

公選法で首長選の法定得票数が有効投票数の4分の1以上と規定されたのは、1952年の改正から。戦後間もないころは「(首長選挙では)有効投票の8分の3以上の得票数に達しない時は(上位2人による)決選投票を行う」との規定があった。しかし、首長選の決選投票が多発したため、「8分の3」から「4分の1」にハードルを下げると同時に決選投票が廃止された。

再選挙では前回の投票結果が無効となるため、候補者の制限はなく誰でも立候補できる。再選挙でも4分の1以上に達しなかった場合は何度でも再選挙を繰り返すとしており、候補者がもっと増えて混乱が深まる事態も懸念されている。

さらに有権者と候補者が異議申し立てをすれば、再選挙の手続きが遅れ「首長不在」が長期化する可能性がある。実際、18年の市川市長選では約4カ月間、市長ポストが空席となった。

これまでも再選挙が行われるたびに公選法の改正の必要性が叫ばれたが、1回目の再選挙で決着したため議論は棚上げされた。海外の場合、上位者だけで決選投票を行うケースが多い。

www.nikkei.com

予想される「再選挙」の仕組みと日程は
 これだけ立候補予定者が多いと気になるのは、当選人が1回で決まるかどうかです。

 というのも、公職選挙法では選挙の当選人を決定する方法について規定していますが、市長選挙は定数1のため、当然、得票数が1位だった候補者が当選人になります。ところが、当選人は「1位」であることだけが条件ではなく、実は「有効投票総数の25%(4分の1)」の得票を獲得しなければ、1位であっても当選人になることができません。具体的には、公職選挙法の下記条文の定めの通りです。(太字装飾は筆者による)

第九十五条 衆議院比例代表選出)議員又は参議院比例代表選出)議員の選挙以外の選挙においては、有効投票の最多数を得た者をもつて当選人とする。ただし、次の各号の区分による得票がなければならない。

一 〜 三 省略

四 地方公共団体の長の選挙 有効投票の総数の四分の一以上の得票

 この「有効投票総数の25%(4分の1)」というのが少ないように見えて、実はかなり大変なことです。最近では千葉県市川市長選挙(2017年10月)で新人5人が立候補したところ、村越祐民氏が1位となったものの得票率が23.61%となり、当選人がいなかったために再選挙(2018年4月、村越祐民氏が当選人)となりました。また、政令指定都市では札幌市長選挙(2003年4月)で、候補者が7名立候補して上田文雄氏が1位となったものの得票率が21.7%となり、当選人がいなかったために再選挙(2003年6月、上田文雄氏が当選人)となりました。

news.yahoo.co.jp


自分は、フランス大統領選のような上位2人の決選投票制度が、日本の国政選挙で使われていた場合、戦後政治はどうなったかということを考えることが多い。
最初の選挙で惜しくも敗れた候補者と支持者は、まがりなりにも立場が近い候補を選ぶだろうから、二大勢力に収斂されていったのではないか、とも思うが、逆に「本気は二回目の投票でやればいいから」ということで、ぎゃうに少数勢力が温存される、との説もある。

まあ、どっちみち首長選挙の再選挙はこの決選方式ではないので、ただの妄想ではあるが。

今回の横浜市長選は、プロの選挙通、選挙マニアもなかなか読めない混迷だというが、そもそもこんな大都市では都市型の選挙になるはずで、普通の票読みの力は相対的に小さくなるはず。