【追悼】漫画家・みなもと太郎先生のお人柄を皆さんに知っていただくために対談動画を限定解除で特別公開します。/ OTAKING Mourns Ma... https://t.co/mRuqxukPo4 @YouTubeより
— lukecat (@yoshika_O) August 20, 2021
この機会に見てみた。
いろんなわき道脱線も楽しいのだが、「日本漫画の隆盛の理由」みたいなものを、前半のトークのお題として提示している。
そしたら、みなもと氏は
「それは日本で、伝統的に紙が安かったからですよ。だから紙の上で、物語をつづる文化が早くから育っていた」
そこから発展して
「絵巻物って、日本にしかない。いや中国にも当然あるだろうと思って聞いて回ったんですよ、中国人のマンガ好きなどにも。ところが、ないんです。巻物を開いていくと物語が展開されていくような、そんな作品が」
「紙芝居も、外国に当然あると思って探したら…ないんです」
この「紙芝居」にマンガ文化起源のひとつを見て、焦点を当てる考えは、短編漫画集「挑戦者たち」のエッセイ漫画でも語られている。呉智英から紹介されたオランダ人研究者にそれを語っていた。外国では、紙芝居の代わりの位置を占めるものとして「人形劇」があったのではないか?という話もしてた
みなもと太郎さんがおっしゃっていた「紙芝居のすごさは紙芝居だけ見てももう分からない。その時代のものだから。でも見ている子供たちの顔を見れば分かる」という言葉は時折思い出しては大事にしている。 pic.twitter.com/jQKRPw4uBj
— 森泉岳土@『アスリープ』刊行7/13 (@moriizumii) 2019年2月9日
おお、ネットの海には1枚だけあった、この画像
ただ、話を聞いていて思ったのだけど、氏も完全なエビデンス(調査)のもとにこういう論を展開しているわけでも無いようだ。というかまさに、漫画好きのグループのディスカッションのネタ、たたき台としてこういう話を提示し、実際に叩いてもらって検討する、ぐらいの意識らしい…と、話している時の雰囲気こみでそう感じた。逆に他人の仮説も台に乗せてはたたきまくってる(笑)。岡田斗志夫は岡田斗志夫で「日本漫画の隆盛は、お金の使い道に親が干渉しない『お小遣い制』の普及にあり」なんて仮説を語っているし。
たとえば、中国はじめ外国に絵巻物や紙芝居文化が「無い」というには、いくらみなもと氏の交友範囲が広いとはいえ、そこに聞きまくったぐらいじゃ確定はできないと思うねん。
どこかで専門家に、お出ましいただかないと。そして専門家なら、いろいろそこから理由も含めて考察できるだろう。
実際・・・・・・
「日本では紙の価格が、相対的に安かった」(「本好きの下克上」では、結局紙ってどうなったんだっけ)
「外国に紙芝居や絵巻物はなく、日本独自の文化」
といったテーゼ、異論も賛同も含めて、専門家のエビデンスの裏付けがほしー!と思ったりします。
そして後半の「かわいい」論
・日本の「かわいい」文化~「萌え」につながるかわいいのキャラクターは、円山応挙以来、日本で独自に紡がれていたもの。そこから松本かつぢとかにつなげてもいいんだけど、とにかくそれは日本のもので、たとえばディズニ―経由じゃない。
・手塚治虫は実際にディズニー大好きで、聞かれれば「自分はディズニーの影響を受けました」と答えてたからむしろ誤解のもとになったんだけど、手塚がディズニーを下敷きにして描いたキャラの「かわいさ」は、ディズニーのものではない。
・自分も、ディズニーは、なんとかぎりぎりで「最初の作品から見続けることができた」世代。で、ファンタジアのティンカーベルとか、お姫様とかの「目張り」みてもそうだが、実際に日本人の感覚としてはかわいくないから!!
・今もアメリカの、子供向けキャラクターのおもちゃみると、日本風の「かわいい」キャラってほとんどないし!!
みたいな話をしてたんです。
これ(円山応挙)とかは「マンガの歴史」(1巻で終わったがほんとは少なくとも全4巻は欲しいと思ってたそうな…)にも書いたということで、ちょっとあとで確認してみる.
みなもと太郎死して、直観に基づく放談を残す。この芽を発展させて伸ばすか、ちょっと検証に耐えられぬとして間引くか、どちらであってもその作業は必要だと思う。
うる覚えなのですが、「老人が一人亡くなることは、図書館が一つなくなるようなものである。」ということわざを聞いたことがあります。
どこの国のことわざかご存じの方がいたら教えてください。
もう締め切られちゃいましたけど、
マリのアマドゥ・ハンパテ・バーという人の言葉です。
フランス語の原文は以下の通りです。
En Afrique, quand un vieillard meurt, c’est une bibliothèque qui brûle.