【おしらせ】このツイートを理由に懲戒請求を受けました。理由のない懲戒請求ですが、請求者が主観的に品位を害する非行ツイートだと思ってしまったことは理解可能で、濫用的とまで言いにくい気はするので損害賠償請求はしません。また請求者の実名等は晒しません。匿名化しつつ必要に応じ報告します。 https://t.co/9fsvSdRBE0
— ystk (@lawkus) February 12, 2021
プロフィールに、こちらへのリンクが張ってある。
つまり名誉ある、高貴なはてな村民だ
miurayoshitaka.hatenablog.com
自身で報告しているので、私が報告する手間が省けた。
— MAKOTO Murakami (@MAKOTOMurakami7) February 12, 2021
これ以後のツイートも見た上で一言。
『ネット上の言論は、表現の自由や言論の自由という観点から重要なものだが、それらの自由には他人を差別したり侮辱したりするようなものは含まれない。』
追記。懲戒請求は重い行為。安易に真似しないで。 https://t.co/Vb8V6vzc9P
Twitterの書き込みに懲戒請求→懲戒はされずという事案は定期的に起こりますね。私が知っている限り、公開されていないものも含めて4件目かな。高島先生の天皇なんとかと、喜久山先生の天皇なんとかと、非公開の事案。
— 弁護士 吉峯耕平(「カンママル」撲滅委員会) (@kyoshimine) February 13, 2021
弁護士の表現の自由の関係では結構問題なんだけど、結論としては懲戒されてない。 https://t.co/jFr45dYhjA
おそらくだが、「懲戒請求が成立しない」と「懲戒請求は成立しないし、懲戒請求を申し立てたことも民事上の不当な行為に当たる」の間にはけっこう大きなハードルがあるのだろう
最近、後者について話題になり、実際に成立したものはそのハードルを軽々と飛び越えるようなものであったというだけだ(笑)。
少なくとも弁護士各位のtwitter上でのふるまいを見る限りは(笑)、実際のところ上を言い換えると「懲戒請求が最終的に成立するかどうかはわからないが、少なくとも一般の人が常識的な感覚で、そう申し立てをするのに無理があるとは言えない」ようなツイートは散見される。
実のところ、根本でいえば、弁護士は、国家から与えられたその権限を見るだけで容易に分かるが、そもそも…たとえばその時の政府や与党、あるいは各自治体の首長などといかに対立していたとしても、根本的に「権力者」であり、市民が可能な懲戒請求は「権力に対抗する手段」のひとつである。
その権利である懲戒請求は、なにしろやったあとの、その後の手続きは「同業者の、権力者」にゆだねられるので、お仲間意識も相当強そうに感じられる。
そこで成立するのがなかなかむつかしいし、不成立後に不当だという損害賠償なりの請求が認められるのはーーー報道で目立つ限りのものは、どんどん賠償裁判やれやってな感じだが(笑)、敷衍して考えると、それが野放図に拡大し、”市民が物言うのを萎縮する風潮”にまでなった場合には、権力者(弁護士)に対してちょっと甘くなって危険だとは思う。
【その他職務の内外を問わず「品位を失うべき非行」があったとき】
に当てはめて、twitterでの発言はそれに該当するものがあるのか、ないのか。その視点で弁護士さんのツイートを見るのも、また興味深いかもしれない
懲戒制度
懲戒制度の概要
弁護士および弁護士法人(以下「弁護士等」といいます。)は、弁護士法や所属弁護士会・日弁連の会則に違反したり、所属弁護士会の秩序・信用を害したり、その他職務の内外を問わず「品位を失うべき非行」があったときに、懲戒を受けます(弁護士法56条)。懲戒は、基本的にその弁護士等の所属弁護士会が、懲戒委員会の議決に基づいて行います。
(懲戒事由及び懲戒権者)
第五十六条 弁護士及び弁護士法人は、この法律(外国法事務弁護士法人の使用人である弁護士にあつては、この法律又は外国弁護士による法律事務の取扱いに関する特別措置法)又は所属弁護士会若しくは日本弁護士連合会の会則に違反し、所属弁護士会の秩序又は信用を害し、その他職務の内外を問わずその品位を失うべき非行があつたときは、懲戒を受ける。
2 懲戒は、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会が、これを行う。
3 弁護士会がその地域内に従たる法律事務所のみを有する弁護士法人に対して行う懲戒の事由は、その地域内にある従たる法律事務所に係るものに限る。
(懲戒の種類)
第五十七条 弁護士に対する懲戒は、次の四種とする。
一 戒告
二 二年以内の業務の停止
三 退会命令
四 除名
2 弁護士法人に対する懲戒は、次の四種とする。
一 戒告
二 二年以内の弁護士法人の業務の停止又はその法律事務所の業務の停止
三 退会命令(当該弁護士会の地域内に従たる法律事務所のみを有する弁護士法人に対するものに限る。)
四 除名(当該弁護士会の地域内に主たる法律事務所を有する弁護士法人に対するものに限る。)
3 弁護士会は、その地域内に従たる法律事務所のみを有する弁護士法人に対して、前項第二号の懲戒を行う場合にあつては、その地域内にある法律事務所の業務の停止のみを行うことができる。
4 第二項又は前項の規定の適用に当たつては、日本弁護士連合会は、その地域内に当該弁護士法人の主たる法律事務所がある弁護士会とみなす。
(弁護士法人に対する懲戒に伴う法律事務所の設置移転の禁止)
第五十七条の二 弁護士法人は、特定の弁護士会の地域内にあるすべての法律事務所について業務の停止の懲戒を受けた場合には、当該業務の停止の期間中、その地域内において、法律事務所を設け、又は移転してはならない。
2 弁護士法人は、前条第二項第三号の懲戒を受けた場合には、その処分を受けた日から三年間、当該懲戒を行つた弁護士会の地域内において、法律事務所を設け、又は移転してはならない。
(懲戒の請求、調査及び審査)
第五十八条 何人も、弁護士又は弁護士法人について懲戒の事由があると思料するときは、その事由の説明を添えて、その弁護士又は弁護士法人の所属弁護士会にこれを懲戒することを求めることができる。
2 弁護士会は、所属の弁護士又は弁護士法人について、懲戒の事由があると思料するとき又は前項の請求があつたときは、懲戒の手続に付し、綱紀委員会に事案の調査をさせなければならない。
(後略)
elaws.e-gov.go.jp
- 作者:広島弁護士実務研究会
- 発売日: 2019/02/09
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新弁護士懲戒論―為すべきでない懲戒5類型 為すべき正当業務型 (法動態学講座2)
- 作者:遠藤 直哉
- 発売日: 2018/12/15
- メディア: 単行本